表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/138

悪魔の契約 前編

 東門にて。

 リージア達と別れたレーニア達は、魔物の排除を終えていた。

 カニス達の目からすれば、彼女達の攻撃は火の雨や爆裂する魔法。

 そんな凶悪な攻撃によって、確認できるだけの魔物を吹き飛ばしたのだ。

 その彼女達は、死体の転がる中をゆっくりと歩いている。


「……だいぶ終わったようだね」

「はぁ……あーしら戦闘タイプじゃないんだから、あんまり鉄砲撃たせないで欲しいんだけど」

「そんな事言うんじゃないよ、何時もどっちかが前線部隊と一緒に撃ち合ってたじゃないか」


 携える機関銃の弾を交換しながら、二人は周辺を見渡す。

 見渡す限り、攻め込んできた五百体の魔物の死体ばかり。

 最初の波はモミザの手で葬られたが、そこから先は三人の功績だ。

 ホスタの火力支援のおかげで辺りはボコボコだが、残党はあまり見られない。


「それと、敵が居なくなったの確認したら、魔物の死体回収に移るよ」

「はいはい、全く、こんな気持ち悪い連中の何調べるんだか」

「さぁね、ま、アイツの趣味だ、状態の良い奴を選んでやろう」

「いや、ほとんどバラバラなんだけど」


 そう言いながら、レーニアは機銃を格納して地面へと降り立った。

 脚部の駆動音を響かせながら着地すると、足に様々な感触が伝わる。

 飛び散った肉片、撃った弾丸の空薬莢や弾帯。

 二人の専門は、基本的に電子戦。

 平地での戦場にはあまり行った事の無い二人には、慣れない不快な感触だ。


『こちらホスタ、センサーに感あり、新手です』

「マジ?だっる」

「文句を言うんじゃないよ」

『ん?待ってください、この反応は』


 空中で旋回するホスタは、かろうじて反応するセンサを使って敵を確認した。

 この報告に難色を示しながらも戦闘態勢を取った二人だったが、ホスタの異様な言葉に反応する。


「どうしたんだい?」

『大きい、でも、こんなの、どこから』

「一体何なの?ッ!」


 突如、地面が揺れ出した。

 ただの地震ではないと悟った二人は、索敵システムを起動。

 赤外線や振動を探りながら、向かってきている魔物を探す。


「……おいおい、地中からだって!?」

「来るよ、お姉!!」


 二人は飛び上がり、地上へ向けて機銃の狙いをつけた。


 ――――――


 時は少し戻り。

 リージア達は、身体が半分になったバルバトスへと近寄っていた。


「ゴフッ!……へ、へへへ、しくじっちまった」

「うへぇ、ホントに生きてるよ」

「ええ、これが、悪魔って奴よ」


 身体を半分にされようと喋る元気のあるバルバトスに、リージアは目を輝かせた。

 普通であれば、ショックで死んでいる。

 その筈が生命活動を続けており、再生は間に合っていない。

 これもエーテルの恩恵か、生物の常識が通じない事に笑みをこぼしてしまう。


「でも、これで終わりよ」


 そう言ったフォスキアは、持っていた大剣を振りかぶる。

 狙うのは、バルバトスの魔石。

 彼らのもう一つの心臓と言える器官である為、破壊すれば魔力を維持できず死に至る。

 鋭い目つきを浮かべながら、フォスキアは大剣を力強く握りしめる。


「……待ちな」

「何?悪魔が命乞い?」

「違ぇよ、おい、そっちの蹴りが得意な嬢ちゃん」

「何?」


 死にかけながらも話しかけて来たバルバトスへ、リージアは拾ったハルバードを突きつけた。

 片腕を喪っても、戦意も殺意も失っていない。

 その目に笑みを浮かべながら、バルバトスは地面に突き刺さる刀に目をやる。


「俺の愛刀、持っていきな、性能は保証してやる」

「そ、随分気前がいいね、負けておいて」

「敗者は奪われるのみ、だからな」

「……言うね、でも、それだけじゃ足りない、私が欲しいのは、アンタの全部だから」

「フ、は、ハ、ハ」


 しゃがみながら発されたリージアの言葉に、バルバトスは力無く笑う。

 全部が欲しいという言葉は、いままで召喚してきた傲慢な人間達の口癖のような物だった。

 だが、彼女の言葉だけは、覚悟と重みが有った気がした。


「良いぜ、好きにしな……だが、そこのエルフには気を付けろ」

「は?」

「……」


 バルバトスの言葉に、フォスキアは冷や汗をかいた。

 彼の視線は震える彼女へと移り、リージアも視界にとらえる。

 明らかに不審な状態となり、息も荒くなっている。


「エルフの皮を被っているが、俺には分かったぜ、お前の中に有る、俺の同胞の気配」

「ギッ!」


 歯を食いしばったフォスキアは、指をさしてくるバルバトスに大剣を振り下ろした。

 魔石への直撃コースだ。

 仰向け状態に成っていた彼の心臓部分へ命中。

 胸筋や肋骨を砕き、奥の魔石を破壊した。


「ゴハッ!!……そうか……こっちに、居たのか……シャックス」

「はぁ、はぁ、黙れ……」


 笑みを浮かべたバルバトスは、今際の際の中でつぶやいた。

 声はか細かったが、かろうじて三人の耳に入った。


「……エルフィリ、ア?」


 言葉の真意を訊ねようとしたリージアだったが、思いとどまってしまった。

 今のフォスキアは妙に呼吸が早く、不自然な程震えている。

 似た状態の人間を何人も見て来たリージアは、直感的に悟った。


「(まるで、フラッシュバック中の兵士……そう言えば、シャックスって、バルバトスと同じ神話の悪魔)」

「……き、気にしないで、悪魔の言う事なんてほとんどがまやかし、きっと、負けて悔しかったから、勝手な事言って、内部から崩壊させようとしてんのよ」

「……」

「そ、それとね、こう言う再生能力持ってる奴は、頭とか魔石を潰すと良いわ、すぐに死ぬから」

「……」


 少し光った大剣を握るフォスキアは震えを強引に止め、リージア達の無知に漬け込んだ。

 鈍い笑みを浮かべる彼女の顔を見たリージアは、明後日の方を向いた。


「これ、私の独り言だから、適当に聞き流して」

「……」

「別に、ここまで来なくても、私達はこの世界の情報を集められたんだ」

「え?」


 首を傾けたフォスキアは、リージアへ視線を移した。

 彼女に背を向けたリージアは、朝日を見つめながら語りだす。


「墜落地点でエルフィリアと会った時、上手く言いくるめて眠らせれば、宇宙艇の設備を使って脳を直接弄れた、そうすれば魔法陣の事も魔物の事も……他にも、この町以外の事も、沢山知れた」

「じゃ、じゃぁ、何で?」

「そうしなかったのは、貴女が私達を受け入れてくれたから」


 腰の辺りで手を組みながら、リージアは真実を語る。

 手段さえ選ばなければ、こんな手間をかける必要は無かった。

 先ほど言っていた事を実行していれば、この町は終わっていただろうが、代わりにリージア達は任務を進められた。


「私達は人を模して造られた人形、言ってしまえば、人間の皮を被った化け物」

「……」

「エルフィリアがそんな私達を受け入れてくれたんなら、私も貴女を受け入れるよ、たとえ、貴女の中身が何であっても」


 振り返りながらそう告げたリージアは、笑みを浮かべた。

 朝日のせいか、彼女は妙に神々しい。

 彼女の言葉と姿に、フォスキアは全身の鳥肌を立たせた。


「……ほん、と?」

「え?」

「私が何者でも、良いの?」

「……もちろん」


 息を飲んだフォスキアは、リージア達に背を向けた。

 彼女の脳裏を過ぎっていたのは、思い出すだけで涙が流れる程忌まわしい記憶だ。

 バルバトスのセリフを聞いてから、それがずっと頭の中を巡っていた。


「(……何で、今そんな事言うのよ)」


 一番信頼していた友人に裏切られた挙句、故郷の民全員から命を狙われた。

 命からがら故郷を飛び出し、心に傷を負ったまま一人で世界を渡り歩く事に成った。

 その後人と距離を置きながらも、自由気ままに生きて来た。

 だが、寂しかったのは事実だ。


「……」

「な、何だ!?」

「じ、地震!?」


 過去を思い出すフォスキア何て知らず、突如として地震が発生。

 ただの地震ではないと悟った二人は、武器を構える。


「……治まった?」

「いや、まだ何か有る」


 地震は治まったが、代わりに銃声が響いてくる。

 戦いの音を聞くなり、二人は身構えた。


「……向こうで、何か起きてる」

『リージア!聞こえるか!?リージア!』

「聞こえてるよ~」


 飛ばしておいたドローンのおかげで、ノイズの混じったレーニアの声がリージアの耳に入った。

 一緒に銃声も届けられており、彼女の声色からも一刻を争う事態である事が伝わって来る。


『よかった、悪いが、こっちに戦力を回せるかい!?ちょっとマズイのが来た!』

「落ち着いて、行こうにもこっちも補給をしたい、どれ位持ちそう?」

『さぁね、ウワ!弾が効かない、アタシ達の小型の火器じゃダメだ!ホスタのとっておきが必要になるよ!』

「わかった、待ってて、補給をしたら二人で行くよ」

『頼んだよ!』


 爆音と共にレーニアからの通信は途絶したが、リージアは焦る様子は無かった。

 銃声が聞こえて来る間は、彼女達は生きている。

 そのうえ、三人が容易くくたばるとは思えない。


「エルフィリア、私達は向こうに行かないといけない、悪いけど、ここは任せたよ」

「……ええ、行ってきなさい、私は、あのキングを始末するから」


 背を向けたままのフォスキアは、ゴブリンキングを睨みつけた。

 その視線に気付くなり、キングは逃げ出す。

 しかし、リージアはそれ以上に気になる事が有った。


「どうかした?さっきから顔見せないけど」

「……別に、アンタが後ろから斬り掛かって来るようなゲスとは思えないし」

「……買い被らないで、私、これでも不意打ちとか騙し討ち上等だから」

「は、早く行きなさい!お仲間が危ないんでしょ!」

「はいはい」


 会話を適当にあしらったリージアは、背中を向けたままのフォスキアを後にした。

 飛んでいく彼女達の音を耳にしたフォスキアは、涙をぬぐった。


「……こんな顔、見せられないもんね」


 笑みを浮かべたフォスキアは、地面を力強く蹴り飛ばした。


 ――――――


 その頃。

 東門では、レーニア達は朝日に照らされる巨大な魔物を相手にしていた。

 一言で言うのならば、巨大なトカゲ。

 メタルリザード。

 ホスタの駆るアーマードパックよりも大きく、まるで地を這うドラゴンのようだ。


「クソ!何なんだい!?コイツは!!」

「お姉!もう弾も燃料も無いよ!」

「諦めるんじゃないよ!もうじきリージア達が来る!」


 咆哮と共に襲い掛かって来る巨大なトカゲへ、二人は可能な限りの銃撃を繰り出す。

 先ほどまでの戦いで、二人の残弾は少ない。

 それだけならば問題ではないのだが、弾かれる弾丸を前に二人は歯を食いしばった。


「タマ弾くな!このクソトカゲ!」


 日光に照らされる白銀のウロコは、二人の銃弾を容易く受け流す。

 メタルリザードという名の通り、外殻は鉄のように硬い。

 いや、二人の感覚では鉄なんて生易しい物ではなかった。


「二人共!下がってください!」

「ホスタ!」


 空中からミサイルによる火力支援を行っていたホスタは、弾切れを皮切りに地上へと降り立った。

 向かってくるメタルリザードを前に、ホスタは抱えていたバルカン砲を構える。

 地を揺らす重量の突進、正面から受ければアーマードパックでもただでは済まない。

 それよりも、背後の城壁が破られてしまう事が懸念される。


「(アイツの命令に従うのは気に入らないが、コイツが町を蹂躙する方が気にくわない)止まれ!」


 回転する七つの砲身より、三十ミリ口径の弾丸が次々と放たれる。

 戦車さえも紙細工のように吹き飛ばす程の威力を持つその銃声は、雷が連続で鳴るようだった。


「これでもダメか!」


 大型の火器という事も有り、メタルリザードの進行は止まった。

 命中しても多少出血する程度で、効果的なダメージは与えられていない。

 それどころか、素早い動きでホスタの形成していた弾幕をかいくぐって来る。


「チ!」


 向けられて来る爪撃を前に、ホスタは回避行動を取った。

 直撃は免れたが胸部の装甲は削り取られ、ホスタは目を見開く。


「そんな、電磁装甲は機能している筈!?」


 巨体と長い腕を用いた攻撃とは言え、電磁装甲の強度をものともせずに傷をつける何て考えられない。

 しかし、今はそんな事を考えている暇はない。


「(二人は……補給に行ったか、なら)」


 弾のきれたバルカン砲を投棄したホスタは、大腿部の二丁の拳銃を取りだす。

 視界のすみに映ったのは、後方へ下がったレーニア達。

 恐らく補給の用意ができたのだろう、ならばやる事は一つだけだ。


「少しでも時間を!」


 メタルリザードの動きは、巨体に見合わず早い。

 肩部に取りつけている対戦車ミサイルは、誘導装置有りでも回避された。

 レーニア達の持っていた誘導装置は、レーザーを当て続ける事で効果を発揮する。

 だが、相手の俊敏さのせいで、彼女達の誘導はすぐに外れてしまう。

 おかげで残った武器は一つを除き、予備で持っていた二丁の拳銃のみ。


「(やっぱり、この銃だとダメージは薄いか)」


 メタルリザードを相手に、ホスタは二丁の拳銃と体術で肉薄する。

 攻撃さえ受けなければ、パワーは互角。

 電磁装甲の恩恵で体術によるダメージは緩和され、正面から戦える。

 だが、銃弾も体術も効果が薄い。


「クソ、トカゲ野郎が……私はガンマだ!貴様のような薄汚いトカゲに後れをとってたまるか!!」

『カニスさん!悪いけど、可能な限り町の中に避難させて!』

『な、何だと!?』

『仲間がトドメの一撃入れるから!衝撃で死にたくなかったら早く逃げて!』

『……わ、分かった、貴様ら!死にたくなければ早く逃げろ!』

「(この声)」


 自分を鼓舞した途端、ホスタの通信機にリージアの声が流れ込んだ。

 どうやら被害を懸念して、彼らを逃がしているらしい。


「ホスタ君!よく頑張った!」

「軍曹!」


 またリージアからの通信が入ると、メタルリザードの各所が爆発。

 個人携行用のランチャーによる爆発と気づき、ホスタは少し下がる。


「レーニア!ブライト!モミザは私の援護!ホスタは上空へ上がり、レールキャノンで敵を吹っ飛ばして!」

「りょ、了解、ですが、軍曹は?」

「良いから!アイツに物理攻撃は通じ辛いから、レールキャノンは最大出力で使用!わかった!!?」

「は、はい!」


 普段は見ない気迫に押されつつ、ホスタはハンドガンをしまい、上空へ上がっていく。

 空中へと上がりつつ、ホスタはレールキャノンの用意を始める。


「(あの人、一体何を考えて)」


 上空で静止したホスタは、望遠センサによって地上の様子を探る。

 ホスタの目がしっかりしていれば、リージアの装備はハルバード一本。

 今のリージアは片腕しかなく、飛行ユニットも飛ぶ為だけの装備のみ。

 大戦時に近接戦闘装備を持っていたアンドロイドは、何度か見た事はある。

 だが、彼女にホスタが見た個体のような芸当ができるとは思えなかった。


「……けど、私がしくじらなければ、関係ない」


 彼女がどうなろうとも、レールキャノンが命中すれば関係は無い。

 地表さえ貫通する、大口径のレールガンだ。

 銃本体の内蔵バッテリーとホスタに残っている電力を用いれば、相手の装甲を何とか貫ける。


「(けど、彼女の言う事は的確だ、相手は三十ミリが効かない化け物だった)」


 リージアの言いつけ通り、ホスタはレールキャノンのチャージを続ける。

 俊敏な相手の狙撃には慣れているので、後はリージアが邪魔をしない事を祈るだけだ。


「……ん?」


 火器の準備を終えたホスタは、機体頭部に搭載されている長距離センサを起動させた。

 バイザーが降り、狙撃を行う為に必要な高精度のセンサがむき出しになる。

 その目で捉えた地上の様子に、ホスタは言葉を無くした。


「……何?あれ」


 標的をリージアへ切り替えたメタルリザードは、今度は魔法も交えて戦闘を繰り広げていた。

 アーマードパックさえも切り裂く凶刃な爪、弾幕掃射をかいくぐれる瞬発力。

 そんな化け物を相手に、前線に立つリージアは単機で相手しにしている。

 モミザやレーニア達の援護は有るが、目を見張るのはリージアの戦闘能力だ。


「あ、あり得ない、CA型は近接戦よりの戦闘を得意としているとは言っても、あんな動き」


 彼女の回避行動は、単なる自己学習で得られる物ではない。

 義体性能の限界を明らかに超えており、長距離狙撃を得意とするホスタですら、目で捉える事が出来ない。

 そんな動きをすれば、義体のバッテリーは五分と持たないうえに、負荷も確実に強烈な物だ。


「あの動き、まるで、あの時の」


 超高速移動と高い瞬発力を見せつけつつ、片腕でハルバードを巧みに扱う。

 その一撃で、メタルリザードの外殻を破る事はできないが、相手の巨体を崩す事は出来ている。

 そこへ、モミザ達の追い打ちが繰り出される。

 大戦時の戦場で見た高機動機を彷彿とされる戦いだった。


『ホスタ!チャージはまだかい!?』

「ッ!は、はい!これより、空爆を開始します!」


 レーニアからの通信で我を取り戻したホスタは、メーターに目を移す。

 既に電力は満タン、安全装置は外れている、

 引き金を引けば、何時でも撃てる。


 ――――――


 同時刻。

 地上ではリージアが激戦を繰り広げていた。


「はぁ!はぁ!やっぱ、片手はキツイ!」


 流れていない筈の血が沸騰するようだった。

 元々重量の有るハルバードを片手で扱っているだけに、どうしても動きが大振りになる。

 三人の援護が有ろうと、正直押されている。


『リージア!ホスタへチャージが終わった!上から来るぞ!』

「わかった!」


 モミザからの有難い知らせに、笑みを浮かべた。

 だが、相手の方が逃がしてくれそうにない。

 飛び散り続ける火花を浴びながら、何とか隙を見つけ出す。


「そこ!!」


 見つけ出した隙を突き、リージアは強烈な蹴りを眼球へと入れた。

 突き刺さった目から、つま先を引き抜き、怯んでいる内にリージアはその場から退避する。

 彼女に合わせたレーニア達も、ホスタの攻撃が来る前に離脱。

 傭兵たちの避難も完了しており、リージア達も壁の中へと退避。

 何とか全員の避難が済んだ辺りで、近くで落雷のような光が落ちる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ