裏話
ちょっと趣向を変えて思い出し方式にしてみました。まあ興味のない方は飛ばして頂いて大丈夫です。
「ふう……。やっと行ってくれた。」
そこで私は、やっと息をつく。
あの2人のせいで私はここ数日間、1度たりとも息をつくことが出来なかった。
「本当にあの方々は本当にめんどくさい件を持って来なさった」
そう言って、私はあの日のことについて思い出す。
本当、驚愕と理不尽な事が多く、あの日以上に私が胃を痛めて思考を巡らせる日は訪れる事は無いだろう。
あの日は、珍しく月の光が弱い日だった。
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「はぁ……。」
今日はあの方々へ、力を献上しなければならない日の予定だった。
私達は「あの方々」へ、その都市、町、村にいる生物を1人捧げる事で、私達の神に力を献上し、その庇護を得ることが出来る。更に、ステータスが高い者ほどより強い庇護、例えるなら神の権能の一部や神具を貰うことが出来る。
その方々への捧げ物が、失踪してしまったのだ。
捧げ物は、事前に神々の神殿にて我らの神へお目どうり願う。
その際、捧げ物に神が興味を示されて神から声をかけられた為、今更別の捧げ物を捧げる事も出来ない。
そもそも、お目どうりを頂いてい無い物を捧げると神々の怒りに触れてしまう。
その為、この様に悩んでいた。
その事について、捧げ物が失踪してから数日、考えを巡らせていると、その方はどこからともなく現れた。
「よお、お前だよな、この村の統治者。」
2対4つのブラックバードの羽、4つの手の内上2つに死神が持つ様な大鎌を持っている。鎌を持っている事から予想がつくが、それは進化を1回しかしていない私に向けるにはあまりに過剰過ぎる、臨戦体制だった。
私はそいつに聞く。
「そうですが、どうなされましたか?。」
こいつには勝てない。それは、弱肉強食という魔物に刻まれた唯一と言っていい本能で理解できた。
殺されないために、全力で謙る。
その言葉にその生物は答える。
「いや、この村からの捧げ物がなくてな」
なるほど、この方は神の眷属の様な物だな。
「その件に関しては心より陳謝いたします、神がお声をかけてくださいました捧げ物を私の不足により失踪させてしまいました。」
私はそう答える。
その言葉に、眷属様は不快そうにしながら言った。
「そうか、それではしょうがないな。」
そう言って、眷属様は私の首に鎌をあてがう。その状態で続ける。
「それでは、今年は捧げ物を捧げなかった事は不問にしてやろう。ただし、条件がある。」
その言葉に私は、村ごと消されると思っていたのでその言葉を聞いて、安心する。しかしここで頷いてはいけない。ここで頷いてしまうと、頷いたのを良いことにどんな理不尽な条件でもやらされてしまう。だから、私はこう続ける。
「その条件とはどのようなものでしょうか?私に出来ることなら喜んでやらせていただきます。」
「……いいだろう。条件は簡単だ。この村にきっと近い将来産まれる、こちらの言葉を理解する赤子についてだ。その赤子に接触すれば、謎の声が聞こえるだろう。その赤子と声に言伝をしろ。」
「それはどのようなものでしょうか。」
「まず赤子だ、あいつらは我々の希望になり得る。その為出来るだけ早く追い出せ。そうした方が成長も早まる。
次に声について、アイツにはこの情報を伝えろ、真偽はどうでも良い。人間が剣や弓を使ってここらの奴らを殲滅しようとしている。と伝えろ。」
その条件に、少し肩透かしを食らう。もっときつい条件を出されるかと思っていた。
「本当にそんなことでいいのでしょうか。」
思わずそんなことを言ってしまうくらいには。
「ああ、あとあの赤子についてだがあれには適当な嘘でもついてさっさと追い出せ。それと、あれはこちら側のトップシークレットだ。」
ふむ少し纏めてみよう。
1、捧げ物について
あれは条件さえ呑めば不問にしていただける。
2、条件について
産まれたばかりで、こちら側の言葉を理解する赤子とその赤子と接触すれば聞こえる声の2人に伝言して、赤子には早く出て行って貰えば良い。
一応その意味はわからないが納得できた。
こちらにデメリットは無い。どちらかと言うとメリットだらけだ、ならば言う答えは一つだ。
「了解致しました。それさえ行えば、この村は赦されるのですね?」
「ああ約束しよう。それでは呑むと言うことで良いんだな?」
そう言って、私の首にあてがっていた鎌を取る。
「はい。赦していただきありがとうございます。」
「ああ、それでは約束は守れよ。」
そう言って、現れた時と同じようにどこからともなく消えていった。
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あの赤子がいなくなったことで、やっと安心して暮らす事ができる。
しかし、あの赤子は大丈夫だろうか。出来るだけ沢山の物資を持たせたが、それで生き残れるかは話が別だ。
またアイツを助けに行かないとかもしれない、ちょうど良く後継も優秀な奴がいる。明日にでも冒険に出るか。
その日は、その赤子のことを思い出して、眠りにつくのだった。
〜同時刻???〜
その日、あの村に放っておいた観測エネルギーにて、観測されたアイツとスミレのことを知って、俺は1人思い出し笑いをしていた。
「ククッ、いやーアイツはよかった。」
その時のことを思い出してもあのゴブリン、面白い。あれはまさに最高だった。俺が神々の関係者と言うことしかわかっていないにも関わらず、ほぼ完璧に会話して見せた。
ハハッ、最高だ。
あっちに非礼がある状況で、出来るだけ相手の怒りを軽減する為、謙譲語、尊敬語を使い、こちらの怒りを軽減させて、謝罪以外の比較的自由な言葉が許される場面では、できる限り道を外さずしかし被害を最小限にする為、条件の対象を自分にしぼったり……
上げ出したらきりが無い。
あのゴブリン、欲しいな……交渉にも使える。
良いな、そうしよう。あの時と同じように捧げ物を消すか。
今日初めて、グロ画像見る覚悟で見てたらユニークだけでも130人以上が見てくださっていて、めっちゃ嬉しかったです。
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