準備
長老らしきゴブリンに連れ去られて来た所は俺が産まれたあばら屋がちょっと豪華になったあばら屋。
家に入って不恰好な形の素焼きの壺から自分用の水を今度は少し綺麗なコップのような物にすくって、今度は外から何かが入った皮袋を持ってきて白い牛乳の様なものを持ってきてまたコップのような物に入れた。
飲めという事だろうか。
長老ゴブリンは言う。
「申し訳ありません。あの場ではあのように言うしかありませんでした。
お話を聞いていたのは分かっています。理解しているのなら、頷いてください。」
言われた通り、その言葉に対して首肯する。
すると長老ゴブリンは、続ける。
「やはりそうでしたか。ではもう一つ証明をお願いします。彼方様には会話する事が出来る人格の用なものがあると聞いています。」
ふむ十中八九スミレの事だろう。しかしこれは自分にしか聞こえてないと思うんだがどうすれば良いんだ?
<これで証明になるでしょうか。>
「おお、貴女様がそうでしたか。」
聞こえるの!?
<基本聞こえないけど、自分の意思で出せるよ。そうしないと、こんな噂流さないでしょ。>
自分で噂流せるんだ。
「それでは、伝えることを伝えさせていただきます。最初は別人格様向けに、次に――様向けに、
まず別人格様に、
あいつらはここら一帯の全ての者を殲くすつもりです。」
<なるほど、武器は?>
「さまざまです。剣や弓など。」
<理解しました。ありがとうございます。>
「では次に、ここにいる全ての種族は人間のことについて少なからず悪い感情や害意を持っています。少しでも早くこの村から出ないといけません。ですがこちらの事情です。できる限り準備はさせていただきます。」
そうだな、多分良い方に先入観を持ってる両親があの態度なんだから、他は見た瞬間殺しに来そうだし。
<訳 了解、親でアレなんだから他は殺されそうだし>
「了解致しました。すぐに準備します。」
そう言って長老ゴブリンは何かの準備を始めに部屋から出て行った。
それにしてもやっぱりゴブリンは人に悪意を持っているのか。にしても理由はなんなのだろうか。いや、それはすぐに想像がつくなどっちが最初かわかんないが、どうせどっちかがふっかけたんだろう。
それより、今は生き残る方法を考えないとな。なぁスミレここら辺の生態しらないか?
<ここらにはあっちの世界の動物に当てはめると
キツネ、タヌキ、ハリネズミ、カラス、クモ
がいるよ。>
じゃあ強さは?
<キツネが今の魔力と魔量の10倍は上、その他のステータスも最低値でゴブリンの平均と2倍はかけ離れてる。
タヌキはキツネのステータスの筋力と魔力を入れ替えた感じ。
ハリネズミは防御、魔防が種族スキルで筋力みたいに上がっていく。その他はゴブリンの平均ちょっと低め。
カラスは全体的にゴブリンの平均値からしても半分以下、ただし魔力、魔量だけは今の3倍。
クモはゴブリンの平均の約2倍そこに巣も張るから、縄張りちかくに入る奴はほぼ居ない。
補足しておくと今言った数字は最低値そこに注意して、>
なるほど……。バケモンじゃん!!ただ、からないと生きていけないなら、狩るのはハリネズミかな。道具さえ作れば、勝てない感じじゃなさそうだし。
少し考え事をしていると、出て行ってから5分くらいで戻ってきた。
「準備させていただいた品です。魔法学、魔法陣学の書物2・3種類の格闘技の流派の書干し肉と水を3日分、それに地図、コンパスです。」
ありがとうって伝えてくれ。後ハリネズミの生息地を聞いてくれ。
<訳ありがとう。出来ればで良いんだがニールラットの生息地を教えてくれ。>
「いえ、こちらこそありがとうございます。それとニールラットでしたら北以外の森林部に生息している筈です。後、処分という体で送らないといけないので、明日の昼送らせていただきます。」
よかった。地味に心配してたがこの満足に立てない体でいくのかと思った。一日もあれば、強制急速成長と体の成長スピード的に人の小4くらいにはなるだろう。
そのように考えて、受精卵の頃やった魔力による強制成長を【魔力操作】【集中回復】で改良した、急速成長を開始するのだった。
ちなちゃんとした計算をしていないのでホントに一日で成長するかはわからない。ご都合ってことにしててください。