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インテリジェンスゴブリン  作者: イノマイ
一章 物語の始まり
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敗北

 死を望んでしまったとき、その人は正しく諦観というある種の悟りに達する。

「これで戦闘終了でしょうか。」

『手足1・2本分の覚悟くらいは決めてやる。』

 アイツはそれをこちらから提示した勝利条件と定義した。

「ははっ!」

 確かに覚悟が無くなってしまったのならこれ以上は戦う事が出来ない。

 ゴブリンの長老?訂正してやる。

「クソ真面目が」

 笑いが止まらない状態で言ったため、発音が少し変かもしれない。

 それを聞いた長老は

「それを言われた回数は、私の命の端から端までを観測した中でe値×10^3小数点切り捨て程度しか言われた事がありません。」

 e値、ネイピア数だな。

「言い方からしてもうクソ真面目なんだよ。」

 彼はきっとそう表されるのだろう。

「そうでしょうか。」

「そんなことはどうでもいいんです。それぞれやるべき事があるでしょう。」

 雰囲気。

 妄執、歓喜、激動。

 表情が満たされていた。


ゴブリンの長(ナレッジ)

 そう。童話だ。

 童話を出した時点において私の死は揺るがないものになった。

 童話を出せるほど強いのなら、呪いによる乗っ取りは起こらない。

 暴食の神は仰った。

 心を喰らうには、その者の精神を屈服させ、魂を喰らう……(省略)。

 私は心をかのものに負けたと認めた。

 色欲の神は仰った。

 強き命には、魂と魂を交配させることが、一番楽で手っ取り早い。

 7つの神の目的は、強き命を作ること。

 強欲の神は仰った。

 欲を守れ。

 私の欲は創世神様の思い通りに。

 怠惰の神は仰った。

 死とは快楽であり、うつろう怠惰からうつろわぬ怠惰へと変わるとき。そしてうつろわぬ勤勉を続ける者へ、貴様は私が気に入った。配下と成らなくとも守護の力と2度目の生を約束しよう。

 私の死により、世は巡り出す。

 傲慢の神は仰った。

 法則(ルール)とは、私が世に残した権能である。我が子達よ、変革の人風はいかな存在であっても起こすことができる。

 私の風の起こし方。

 憤怒の神は仰った。

 感情に基づいて動くことは本能的に動く獣と同じことだ。貴様らは何に基づいて動いたか省みることだ。

 感傷に浸った自己陶酔などでは無い。判断できる。

 嫉妬の神は仰った。

 才能を持つことが出来ない。死ぬことが出来ない。考えることが出来ない。諦めることが出来ない。それを基準に妬心に狂い、新たに矜持を獲得した貴方方に、私が狂うほどの愛を贈りましょう。

 私は創世神様の心の儘、私の獲得した矜持に基づいて、死を……。

 神様方は仰った。私は今なら肯定できる。ただ……。

 8人目の神は仰った。

「お前は生きる事を諦めた。俺の矜持を愚弄した。死ぬ事を、私に要求した、僕はあなたが嫌いだ。

 その上で生存を要求する。」

 ダメだ。私は殺されなくては成らない。神々も、生存を許さない。神倫(じんりん)にもとってしまう。私は諦めることが出来ない。

 8人目の神は仰った。

「死ぬ事を()しとしたときあなたは、神々の宣言に基づいて、死んでしまう。僕はあなたから生存を諦めることが出来ないという声が聞こえる。あなたが死ぬことが本望という意思も、確かに感じる。ならば、僕は、僕の矜持に基づいて、あなたに生きて欲しい。」

 ()の神様は

『生きて欲しい。』

 そう仰ってくださった。

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