お遊びとヤラナケレバナラナイコト
烈火を使ってみる。
字体から効果は想定できていたが、思っていた以上の速度にハリネズミが薄切りのハムになる。
実質的に使える能力が3つしか無いのになんて素晴らしい力を発揮するのだろう。
そんなことを考えているといつだったかと同じ様に、人間にであった。
純粋な人間に出会うなんて2人目だな
なんて考えていると、人間――一人の人間を中心に円状に組んでいる。――の外側の人間が俺に気づいたらしい。明らかにこちらを警戒している。
今、俺は魔物で、体を構成する魔力の質からそれはすぐにバレてしまう。
しかし、俺のステータスはすでに人間をゆうに越している。なら少しくらい遊んでも問題は無いのでは無いか?
まず服を見窄らしいながらも女性物を着て、
わざと自分の体に傷を入れる。表面的な傷では疑われるから、深く、ちょっとグロいくらいに。
スミレさん女声にしてくれ。
<自分の容姿について自覚があるんだ。現実改変とはいえ声帯をいじるだけなら問題ないよ。>
よしオーケー。
で、検閲済みになっても何故か機能してた酩酊を切る。
するとあんまりな痛みで思わず叫び声が出てしまう。
「きゃぁぁぁぁ!」
うわぁ!なんて言わないか賭けだったが成功した。
すると末端にいた人間が近づいてくる。それに合わせて倒れたフリをして少しだけ地面に引きずった跡を見せる。
兵士が視界内に入ってある程度したら
「たす…け…て」
なんて言ってみる
なんかこういう生物ってファンタジーだとよく見るよな。sc何とかとかナキカ何とかとか。
なんて考えが頭をよぎったが、考えないようにして、精も根も尽き果てた様に倒れる。
すると兵士だったらしい末端の二人が
「おい、お前は治癒術師と担架持ってこい。」
「了解、地面につかないようにしておけよ?」
なんて会話をして足早に去っていく。
なかなかにいい感じの処置の早さだ。
すると兵士はすぐに少しだけ傷口を上げ、地面につかないようにして確認事項があるのか顔や体の特徴を確認する。
そう時間が経たないうちに魔法使いのような格好をした女性と、女性の中でも力が強いのか少し筋骨隆々な人を連れてきた。
すると、傷を持ち上げている兵士が、
「少し筋肉がついている程度で不自然な箇所はありません。肌の色からゴブリンの可能性は低く、その他ばかし狐の可能性も薄いです。」
その言葉を聞いた瞬間。
「了解。」
と言葉を残して回復より数段劣る回復魔法をかけて、担架にのせて運んでいく。
しかし、一連の動作を見て分かることは、凄く処置が早い事だな。末端含めて何故この人たちがレスキューではなく兵士でいるのかが不思議な位だな。
すると、この時代では少ないであろう揺れの少ない馬車に乗せられて回復魔法を重点的にかけ始める。
ある程度かけると、
「おい、私一人では間に合わないあと二、三人は連れてこい。」
の声を聞いた後、男女合わせて何の偶然か二二になった。
そして一斉に回復魔法をかけ始める。
そんな様子をどこから見ていたのか成金趣味じゃ無い心地良い華美さをもった服を着たどこかのお嬢様という雰囲気の少女が現れる。
<この人からは離れたほうが良い。基本的にこの世界の上流階級は方向性の違いはあれどロクなやつはいない。狐とか狸と同じ。>
しかし、遊びとはいえここまで助けてもらってしまっては無下にできない。
そんな事で葛藤しているとお嬢様がこんなことを言ってしまう。
「ここは私が対処しましょう。あなた方は外に出ていなさい。」
その言葉に何か物申すような視線を向けていた治癒術師達だったが、格上の言葉は絶対なのか、出て行った。
二人になった時、こちらに質問を投げかけて来た。
「貴女はどなたなのでしょうか。私の崇拝に貴女の力を感じません。」
俺の傷を直しながらそんな事を聞いてくる。
<神欲の後継者って答えとけばいざこざは少ない。>
「神欲の後継者、で通じるかな?」
アドバイス通り答えてみる。
「成程、神欲の後継ですか、しかし貴女はあれとは根本的に違います。お遊び程度で、こんなことをする人ではありませんから。」
何と答えるかを悩んでいると、
「あぁ、察しが付きました。美欲に盗られたと言ったところでしょう。それに、貴女方には呪いもあると見える。」
その言葉にはこう返す他ない。
「そうだが、それが何か?」
少しふてぶてしく不安を隠して答える。
「神欲と美欲ですか、また難儀な相手ですね。人間の間ですら神最強とされる方と、魔法において智欲に次ぐ強力な魔法使い。」
返事を待つ前にまた話し始めた。
「そして今、貴方はそれをもっている。そして宗世の一人の元を尋ねたのはお遊びと一緒に、ああ精神干渉ですか。もう一人は破滅願望があるらしい。」
<……!>
こいつは潰さなきゃいけない。そう直感した。
しかし何故、そんなことは考える必要がない。感とは無意識に重なる経験での判断だ。
そう思って0.2秒後お嬢様の首を抑える。
「ああ、そう。貴方は何と可哀想で、貴女は何と酷いのでしょう。」
その言葉をごちるように呟いた後、首をとんでもない力でほどき、その隙に一発グーをぶち当ててくる。
お嬢様とは思えない力に戸惑っている隙にもう一発を鳩尾に決められて、意識ごとノックダウンしていくのだった。
さてまぁ、これが主人公がキャラブレしまくる理由ですね。主人公が仮定からの断定論法を使用する原因です。




