出立
ふぅ……なんとか終わったな。
気苦労ばかりが溜まって今は精神のみの俯瞰生命の筈なのに溜息をつく。
もう終わって産まれるだけという段階だ。もう成長は起こらないようだし、へその緒から送られてきた栄養を感じない。
一つ事が起こったなら後回しにした事項を軽くでも良いからデブリーフィングをするべきだ。
まずはさっき変な声が聞こえた。変なエネルギーを回したり吸収してた時に手に入れた……【魔力操作】だ。確認するまでもないことだが、あの正体不明のエネルギーが魔力だろう。
<正解>
さらにあの声が聞こえたあと、また聞こえたな、確かその時は【集中回復】【魔力強化】だったか。
ここに関しては推定ではなく確認を取った方が後々楽だ。
<久しぶりのまともな会話ですね。呼ばれて飛び出て……とでも言いたい気分です。>
あの会話に割り込んで必要な情報を伝えるスタイルは好きでやっているのかと思ったが違ったらしい。
<当たり前に違いますね。そちらは貴様と違い常に思考を邪魔されたくないと考えている訳では無いので。>
そろそろ反応すべきだろうか。今はさまざまな事態が収まった時だから。
貴様って何?
<とうとうそれに言及しましたか。出来る限りの敬語というものですよ。>
これを敬語というのなら二・三は突っ込まれるのを覚悟するべきな口調だ。
< 目上の相手に対して、尊敬の気持ちを含めて用いた語。貴殿。あなたさま。ですよ。低学歴。 >
辞書を引いてくるなよ。ジョウゼフの様だ。
<アレほど嫌な人格では無いと自己採点出来ているのですが。>
俺から見れば変わらないように思える態々辞書から言葉を引用して嫌味を言う。
<引用するものが違うだけで同じ様なものだと?まぁ良いでしょう。やめて差し上げましょうか。>
そうしてくれると気が楽というものだ。
ついでに敬語を使うのを辞めてくれたらいうことなしなのだが。
<……。>
返事はなし。線引きでもあるのだろうか。
了解。
別のことを頼みたいのですが宜しいでしょうか?スミレさん?
<まぁ良いだろうこれからは意思を聞かずとも動いてやろう。>
敬語を使うなといってすぐこれだ。マウントを取りたいのだろうか。
<概要どころか詳細まで把握しているよ。しかし一つ一つ説明するのもめんどくさい、ので、私のスキルをお見せしましょう。>
『スキル
・表示 自身の表示したいと思ったものを表示できる。ちなみにこれもこのスキル
・鑑定 目視した物品、確認したいスキルの詳細を知ることができる。
・超演算 演算の強化版、魔法陣の素早い展開、計算などの補助に使う。
・図書館 読んだ本の内容、装丁などを記憶できる。
・各ステータス強化Ⅰ ステータスを強化する。
・付与 スキル、魔法、ステータスを付与できる。』
これが私のスキルです。>
考えた以上に戦闘に対する策がない様に思える。
まぁ全てのスキルを【表示】している訳じゃ無いのだろう。
なるほど、ありがとう。
雑談は終わりで良いだろう。本来聞くべきことを聞かねばいけない。
次は、魔力操作、魔力強化、集中回復について教示を願うべきだな?
<はい。
魔力操作 魔力を操作ができるようになる。すでにできる場合、更に技量が上がる。
魔力強化 魔力を込めた部位を強化する。
集中回復 魔力を込めた部位を回復する。
です。魔物の場合は常に持っているスキルですね。>
なるほど、有能だな。途中からあの意味不明のエネルギーが回らなくなったのはこのスキルを手に入れる為の生存進化と予想を立てる事が出来るだろう。
あと、本当にもう伝えることはないよな?
<全て説明し終えたね。>
それなら良い。
そろそろ産まれそうだな。
スミレの事も警戒をする必要がある。
一応俺のスキルらしいが俺とは違う目的を持っているようだし、生贄にされるくらいは覚悟したほうがいいだろう。
<失礼だね。もうちょっとゆるいよ。>
ゆるいだけなのか。俺とは違うなんか目的はあるんだな。基本的に社会は、「利用し利用され」だ。余程のことじゃない限り協力するよ。
しかし新たな世界を超常的存在と旅ができるのは不安な反面期待を込めるしか無いだろう。未知とはそういうものだ。
そうした期待と不安を込めて旅を始めた者が最初に告げる言葉は何だろうか。
少し思慮を回して思いつく。
これからの旅のモットーとする様に、
見て、触れて、知って、生きる。
その願いを込めて。
夢と知識を持って生き残る
敬語使い方が怪しいから変えようと思ったけど慣れないせいでこっちの方が考えないといけなくなったしめっちゃ怪しくなった。




