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インテリジェンスゴブリン  作者: イノマイ
一章 物語の始まり
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狐の王妃

 知恵の実とか禁断の果実って林檎じゃ無いらしいですね。

 少し艶やかな声を出す普通の狐に、そう返した。

「一般的なお稲荷様ですよ〜」

 少しだが、狐も冗談を言えるのか、と感動した。

「では、何の御用で私たちの前に姿を見せたのでしょうか?」

 稲荷、狐の神を名乗るそいつは俺の皮肉しか無い言葉を聴いて、

「それは、あなたがお嬢様の姿を取って、更に上昇(レイズ)まで取得しているではありませんか。その名を持つ意味も知らない生後……高く見積もって三ヶ月程度のガキにあるので、気になった次第です。」

 思った以上に口が悪かった。

「お稲荷様と言うからには豊穣でも末広でも願ってくれると思ったのですが……」

 少し泣くわざとらしい演技で煽りながら、続ける。

「どんなことがあろうと私は進みますよ。」

 その言葉を聞いて、シュユだったかはこう続ける。

「レイズだけに飽き足らず、その言葉を口にするか。我ら種長に喧嘩を売るつもりと見えるが?」

 明らかに怒らせてしまった。この種族の名前から進むとは何かと思っていたが地雷だったようだ。

「申し訳ありません、私は貴方様が激情を立てる理由について全くの無知でありますご教授願えませんでしょうか。」

 完全に下手に出てみた。これで種族説明の『彼女』と言う傑物についてしれるかもしれない。

「いいだろう。お前の今とっている顔と、お前の中にある人格に免じてやろう。」

 そう言ってシュユが話を始める。

「と言っても私が知っている情報も多く無い。だから、レイズとはについて教えよう。

 軽く言ってしまえば神の一柱なのだよ。

 神と言っても敬われ、尊敬されるものでは無いがな」

 そんなことを言うシュユに俺は聞き出す為に質問をする。

「尊敬されるものでは無い、とは?」

 至極不愉快そうにシュユはその言葉を口にする。

「それついてはよく知らない。アナザーワールド計画とやらが成功しなかった時に、エネルギーの塊とも呼称出来るレイズ様のさるべーしょんとやらを使って人類を広げる。と」

「それ以上については知らん。この知識もレイズ様の残滓の一欠片にしかすぎん。」

 その言葉を聞いて思ったことは。

「奴隷?」

 だった。

「正解だよ。不愉快だがな。」

 そのことについては分かった。しかし上昇をレイズ、と呼んだ理由としては翻訳から簡単に分かるが。

「進むに反応した意味は?」

 聞いた瞬間、

『それ以上は、許可しないぞ。林檎を与えられるだけで成長はしない。』

 知らない声だった。口調に反して威圧感を感じない声だった。

 シュユにも聞こえたらしい。

 しかしどこにも存在しない。

 シュユは考え事をしていた。

「なるほど。私はお前に同行しよう。」

「何で!?」

 何故かがわからなさすぎて聞いてしまった。

「貴方様ならレイズ様にもう一度会えると思いましたので。」

 ワケは分かった。

「なら観光しようか。」

 頭の上にシュユが乗る。

「あ、お金が無い。」

 途中で気づいた俺は、そう言葉をこぼした。

 シュユは

「はぁ……」

 とため息をこぼす。

「いやいや、ずっと野生で生きてきたんだから持ってないのが常識でしょ。」

 言い訳がすらすら出てくるのは俺の新しい美徳かもしれない。

「しょうがないですねぇ。」

「私はここで春を鬻ぐ(ひさぐ)仕事をしています。」

 春を鬻ぐ……売春!?

「四足歩行の狐って言う種族からして違いそうなのにか?」

 少し嬉しそうな顔をして、シュユは

「この姿は世を凌ぐ仮の姿。しかしてその素顔は……」

 きつい名乗りを始めたから茶化す。

「絶世の美貌を持った傾国の女だとでも?」

 そんな名乗りをしたら姿を変える……と言うこともなく。

「残念だったね絶世の美貌を持ってるのは認めるけど、傾国出来たら神達もこんな状況に陥って無いんだよ。」

 認めた…と。俺の中で痛い女認定が済む。

「そうか。」

 少し可哀想な子供を見つめる目を向けながら肯定してあげる。

 シュユは

「はい。金。その顔は気に食わないけどどうぞ。」

 通貨として流れていたのは数と狐の手型判が押してあるだけの葉っぱだった。

<どちらかと言うと小切手に近いんだよ。位の高い奴が価値を認めるって言う。>

 だからか。

「偽造の心配が強いが?」

 聞いてみたらすぐに返ってきた。

「偽造、位の低い奴が高い奴の真似事した所で、それは判子の再現も完璧では無いし、使えたところで身内通貨になるだけです。もしバレない物を作れたなら、生物で言う位の高いの理由からしてお察しですから。」

 『制裁』をくらうと。

 買い物をしてみた。

 食べ物以外、碌なものが無かった。人のモツが霊薬として売られていたりどっちの性の娼もいたり、闇深いところで行くと冥婚を彷彿とさせる封筒らしき物があったり。

 後は殿上人と縁を結べる…と言う意味の分からない物まであった。シュユに聞いたら「偶に本当の物が有るだけで、福袋見たいな感覚。詐欺」って言ってた。

 結果的に、堅パン、塩味スープの濃縮を大量に買い込んだ。塩味のスープと聞いて直飲みして痛い目にあった。薄めて使用する物だろうが、堅パン用の保存食利用だ。

 さてまぁ、すぐに外に出た訳だが、

「シュユ、レベルを上げたい。良いやつはいないか?」

「狸の王なんかは如何でしょうか。種長であり呪い持ち、狩るならお勧めですよー」

 スミレ、どうなんだ?

<経験値の獲得なら間違っては無いけど問題は呪い持ちでこっちが生後まもないと理解している。自分都合で、君が死ねばオーケーって感じだね、倒せば呪いでこっちが乗っ取られるし。>

 思った以上に恨んでるな。

<今回はレベルアップ急がない方がいいよ。狸の里は寄るべきだけど。>

 じゃあ、行くか。

もう自分が知らない情報だらけでそれを踏まえて受け入れてる

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