転生(笑)
体が構成される不思議な感覚が終わる。それと同時に目を開けようとする。
ふむ、まず触覚はない。次、視覚も無い、嗅覚もない。聴覚、味覚に関しては期待するのも無駄だろう。
てか、今気付いたが目、耳、鼻、口すらついて無い。
あとは……。
反応しなければ酒精のように薄れて消えてくれないかと思案したが。
一人称の視点で見てみれば球体状に張られた膜の様なもの、膜の様なものの中から自身の意識が2分、4分と別れていく感覚、ものの数秒で構成された体、体に取り込まれ、織り込まれていく、周囲に満ちた正体不明のエネルギー。それを感知することの出来る感覚器官。最後の二つだけ意味がわからないが、最後だけを除けば想像がつく。
これはおそらく、受精卵だろう。
<正解です。>
転生ナビゲートだけが仕事ではないかと願ったがやはり違うのか……思った以上に転生とは劣悪なものらしい。
<私は私が貴様に入った時点で貴様の一部と認識された模様。仕事に支障は来さないので問題はないです。>
タスクについて聞く必要が生まれるな。
<必須事項とそれにその世界の一部について。その為この体を選んだ側面がありますね。>
体の一部である以上下手な事は出来ないだろうが、最もらしい事由があるのも事実だな。
<必要事項の内二つの身体能力とスキルについて
1ステータス(出生一日後想定)
『種族ナレッジゴブリン
体力30 平均52
筋力18 平均52
防御10 種族固定
敏捷20 平均52
知性90 平均45
魔力76 平均50
魔量760 平均500
魔防15 種族固定
サイズ ランク3 最大11 平均5
平均はゴブリン平均
スキル
二重人格 適応 双極 睡眠 パニック 依存 酩酊
独流 異流昇華 魔学 記憶 演算強化
筋力強化Ⅰ 敏捷強化Ⅰ』>
生物ヒエラルキーの中でも分解者や草食動物の位置であろうゴブリンの平均を大きく下回っている。
考える以上に貧弱なステータスをしているといっても差し支えないだろう。強化系統とでもいうべきな二つは余りにも低い場合の救済措置というのが妥当なところか。
<次の話題として進化について
2進化について
出生前にステータスが一定値を超えていたため進化します。なおこの進化は、強制です。>
コレについては強制である以上考えても無駄なものに思える。もっというなら出生後想定の為進化後基準のステータスでコレだという事に留意しなければならない。
そしてスキル、一般常識がある訳ではない。尺度の無いものの多寡で測っても意味のない事だ。
しかし考察は積極的にするべきだ。如何にしてか役に立ってくれるかもしれないのだから。
2行目のスキルは、明らかに学習関連のスキルが多い、進化によってついたんだろうと推測できる。問題は二重人格だ。多分コレのお陰でスミレが害を産む存在ではないことが確認できた。自分に他の意識が混ざるのは少し不快に感じるが。他にも、あまりに不穏当なスキルがあるが、使用方法に検討が付かない。あとで教示を賜るのが良いだろう。
<3私が完璧に貴様に掌握された事によって生まれた敵性存在について。
考えるのは無駄です。>
やっぱり間接犯とやらの思惑から見てもスミレがスキルになるのは想定外だろう。
そして転生を任されているあたり転生の主導はスミレなのだろう。
つまり一個人を転生させることのできる者に対立は避けたい•出来ないと思わせることの出来る何者かが存在する。
それこそ考えても無駄という物だ。
さぁ、もう何もないだろう体が作られていく感覚でも見ておこう、中々体験できるものではない。
しかし、f生物……とりあえず魔物かな。が作られる過程、とても早いな、さっきまで細胞が2個程度だったのにもう体の各種器官が出来始めている。更に先ほど言及した正体不明のエネルギーも身体中を駆け巡っている。恐らく、このエネルギーを活用して、成長を早めているな。
なんてことを考えながら、見ていたら急にエネルギーが回らなくなった。
体の細胞分裂も止まってしまっている。このまま停止したままだったら……原因不明の細胞分裂異常により推定癌(分裂のストップ)が原因で流産……。
とてもじゃあないが流産とかいう事は避けたい。
とりあえず、からだの中にあるエネルギーを回して体を成長させる。そうすると途中で体の中にあるエネルギーだけでは回せないほど少なくなった。
ならば次は、この周りにあるエネルギーを吸収するしかない。
思ったより簡単に吸収できた。さらにこのエネルギーを利用して体を成長させる。
【規定条件の満了を確認、魔力操作を習得しました】
またもや正体不明の声。まあいい、とりあえずこれはあとにするしかない。おわらせるか、安定させないと……
スキルに関してはメモがなろうサーバーの彼方に吹っ飛んだので設定的に後付けがあるかもです。
申し訳ありません。




