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インテリジェンスゴブリン  作者: イノマイ
プロローグ
23/49

強襲

 どうしてこうなった。

 <………>

 スミレさんは喋らない。負目だろうか。

 逃げる必要も無い。当初目的にしようとしていたものだ。

「ハハっ。だいぶ狂ってるな」

 そいつの現れ方はホラーの様だった。廊下を歩いていたら急に落ちてくる様な。

 この世界の蜘蛛は明らかにこちらと違うらしい。

 骨格はタランチュラの様で、だが張る巣は女郎蜘蛛のように阿弥陀くじの様だ。更に張った巣の下にある獲物にハエトリグモの様にアクティブに攻撃を仕掛ける。

「何という、生物学的キメラ……」

 周りから考えて人間の小5程度である筈の俺の体の3倍……。

 落下奇襲だった。地面が抉れた。これ絶対膂力抜きにしても体重ヤバいだろ。

 理解できる範疇を超えている。

 蜘蛛ならケツから糸出せよ。

 口から糸を吐き拘束を目論む蜘蛛に文句をこぼす。

 取り敢えずスミレさん出来れば周りの糸燃やしてくれ。

<了解……>

 大きくふりかぶって攻撃してくる。

 今回はなくなった時点で戦闘不能という部位が存在しない。目?頭なんてみんな死ぬ気で守る。後、やろうもんなら糸で拘束プレイになる。

 今回は派手なことは何も無い。持久戦というやつだ。

 戦闘というのは結局二つの流れしか存在しない。

 大技によるリソースの大量消耗か体力、HP、魔力の削り合いであるちまちました戦闘。

 これの割合で戦闘は出来ている。

 取り敢えず、避ける。それと同時に足に攻撃。

 スミレさん俺に身体強化掛けたとしてどんくらい?

<いくらでも。>

 了解。

 なら、【パニック】。

 不穏当なスキルの一つ。

 効果は簡単、短時間のパニック。それによる恐怖でパニックになっても安全な行動が増える。

 暴れる。

 スミレさん指向性付与!

 石飛礫を当てる。

 だがすぐに収まる。

 速度強化を頼む。

 一気に奴の横を駆け抜けて足を攻撃する。

 速度による影響か、少しだけ切れて体液が漏れ出すところを見る。

 しかしこの程度なら軽症だろう。

 蜘蛛という生物の性質上、どうせやる事は把握している。

 カラスですら足を攻撃するという判断が出来る生物の頭が良い世界だ。

 罠の掛かり具合に差はある。なら、腹が満杯の場合はどうするだろうか。早贄?そんなのは活用できない。

 俺の予想ならば、生かして奴隷のようにしたカラスがいるはずだ。

「ドン」

 蜘蛛が足を鳴らす。

 その予想の答えを教えてくれるらしい。

 カラスの声が聞こえる。予想通りだ。特定なんかスミレがやる。

 対処は?

<可能>

 了解。

 ならばとこの無駄に勝ち誇った顔をした蜘蛛を見る。

 形がタランチュラである以上、毒は前にある毒牙と毛に注意すべきだろう。

 敵が跳躍する。巣に張り付いてケツを向ける。

 やっぱり。マルチで糸燃やせる?

<大丈夫。>

 しかしこちらの対応が遅かった。もう毒毛は発射されている。当たるのは腿。回る前に削る。

 糸が燃え尽き、蜘蛛が落ちる。

 互いに手札は見せあった。

 どうせ隠し札がある事くらい察している。

 ここからだ

現実には存在出来ない生物学的キメラ、萌える。

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