出勤前に。
風が空気を運び消える空
雲の流れは遥か彼方まで
押しとどめられていた時間が流れ
静かな眠っていた意識が目覚める
夏の終わりが大気に
いつか溢れた涙を吸う
呼吸とともに巡っていた身体から
ふと 目を落とした土の上に
とおに 化石になった 屍になった
堆積していた夢や希望が
耳アカのように 零れ落ちた
まじまじと 見つめる
風化して 風にのって
散り散りに消えた
もう そんなに 生きているとは感じなかったのに
新しい皮が張り
その下の心臓はまだ動いていた
土の中で この地中深く 例えるなら
あと 数分後には 出社しなければならない
確かなのは
再び帰還したのちに 夢が霧散する前に
どうにか カタチにして 触れておきたい
行かねば
出社時間
ギリギリと キリキリと 急ぐ