むかえ! 東京タワー!
チョキチョキ線路を切って、それで道分からなくして、僕は東京タワー目指すねん、僕だけがいくんや、ゆいながら、よーゆーた、よーゆーた、とゆうオッサンの顔を見た。そやろ、そやろ。僕はスコップをズボンのポケットに入れて、それやったら落ちるやろ、とおっさんのゆうのを無視して歩いて、スコップ落ちた。先が曲がってて、最初からそうなっていて、最初というのは、僕が手にしてからということになっている。
よしくん、今度ね、ドーナッツ作ってあげる、だからね、ウチに来てよ、とマミちゃんが言っていたけれど、マミちゃん僕のことが好きみたい。そのマミちゃんの足の上に石を落として、わざとちゃう、落として、泣かして、それで僕が帰ろうとすると、なんで帰るん、とマミちゃんが僕の腕を引っ張って、マミちゃんのお母さんが、帰したらええやないの! とマミちゃんを怒って、僕はにらまれた。大人ってあんなんなん全部。木の棒を持った僕は、シュッシュッって。シュッシュッてする。スコップでガードレールにガガガッてしてたら、やめろや! と焼き鳥フクちゃんのフクちゃんに怒られた。フクちゃんごめん、と僕がゆうと、誰やねんそいつ! とフクちゃんは怒鳴って、かいもくけんとうがつかない。コンビニにいきましたが、お金がありませんでしたので、お支払いを断念。太陽のオレンジは、学校のある日だけそうなると思ってたら、緊張してきて、まぶしいかった。
にいちゃん落としたで、と言われて、ありがとうござますす、とゆって落ちたスコップをもらったけど、もう正直スコップいらない。東京タワーへの道は切ったら行けるはずなのに、切るのやめて、歩くとかしてるから、グーンって遠くて、ヤドカリのメスは、メスやったけ? オスか、オスのそれは、もっと僕より遅くて、僕は今度の運動会でかけっこの一番速いグループになっている。スギモンが裸足で走ると言っていて、裸足が速いのか、靴が早いのか、僕は分からない。から、裸足で走るとおもう。
東京タワーには、これまでにも行ったことがあるけ? けん玉の大会で優勝した時に、車で見たことがあって、それを行ったことにするなら、行ったことあります、ゆう。エンジンブルブル。母さん、よーゆーてたわ、今度はな、けん玉やなくて、ヨーヨーやれって。ヨーヨーの時代やって。仮面ライダーやろ、時代は。裂けて割れた道を僕は、僕がやったわけじゃない、道を僕は歩いて、公園の中から、ガチョンが、おいどこ行くねん! とゆーので、東京タワーじゃい! と言ってやった。ガッハハハハ、と笑い声が聞こえて、トンボ、見た。
東京タワー、遠いわ。もっと道をチョキチョキしたい。木の上に鳥がいて、カサブタみたいなトサカした学校のニワトリのこと思い出したけど、こんなん誰も聞いてくれんから、もっとオモロい話したい。シュッシュッ。具志堅。
空で暮らせたらええのに、なんで、こんなとこおるんのん。雲でおむすび食べたらええやん。給食のあんこの入ったやつまずい。きょういくじっしゅうせいは、懐かしい、ってゆーてた。ユキオくんが、あれ俺らに好かれるためにやってるんよ、ってゆーから、俺らの気持ちナメんな、って僕がゆーて、それから来んくなった。言いすぎや、ってユキオくんが僕に言った。エックシュン! くしゃみ出た。
まだなん、東京タワー。なめとるわ。もう足痛い。やめてええ? これ。ポークビッツらしい、僕のチンコ。母さんの友達がゆーてた。母さんの友達、変態やん! これおもろくない? 明日学校でしよ。母さんの友達が僕のパンツ脱がしたことにしよ。ほんとはちゃうけど。東京タワー行くとかゆわんかったらよかった。もう夜なる。あれやで、星とかホンマめんどいから。教えたげるけど、星な、あれな、カルメ焼きやで。あれ、ちゃう、えーと、あ、コンペイトウや。カルメ焼きはあれや、砂糖の塊くんや。ニシキは全然カルメ焼き大きくできんくて、こーや、こーや、ってユキオくんが掻き回して、やから! 自分でやるから! ってニシキ泣いたんよなー。
あれ、東京タワーちゃう? もう、こんなに歩いたら帰るんダルいて! てかむっちゃ道あるやん! 道ありすぎ! 俺だけやってゆーてるのに。インディージョーンズの曲かけてほしい。テンテレッテーテンテテーンテンテレッテーンテーテーテン。しゅびどぅばやな。流行らせようかな、しゅびどぅば。見えてきた、東京タワー。足や。鼻くそつけて帰ろ。