始まりの1歩手前。(1)
私、夢見 望は悩んでいる。
そう、私の周りにイケメンが居ないと言う事を!
今日はバレンタインデー、
好きな人にチョコを送る日。
なのに!私の好きなイケメンはどこにいるんじゃい!!!!
もしかしたら運命のイケメンに会えるかもしれないからと、微かな希望を持って一応チョコは作ってきたけど、運命のイケメンには会えず……。
今年も一人寂しく自分で作ったチョコをやけ食いするのか……と公園のベンチで落ち込んでいた。
『仕方ない……。家に帰って目の保養コレクションを見ながらチョコでも……。』
私はのろのろと立ち上がり家に帰ろうとした。
すると、イケメン察知能力が左側に反応を示す。
説明しよう!イケメン察知能力とはイケメンがどこら辺にいるか察知できる能力!
まあ、能力といってもなんとなくなんだけどね?能力ってつければなんかカッコイイじゃん?
で、話戻すけど左方向にイケメンがいると思うんだよね、私好みの。
しかもこっちに向かってきてる!
ふふふふふっ!どんなイケメンかな!
どんな美形かな!
私は気分ルンルンで待っていた。
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やば、すごいイケメン。
数分後、サラサラの髪を靡かせて、超絶にイケメンな男性がこちらに来る。
そして、私の前に来ると立ち止まった。
「おや、お嬢さん、こんにちは。」
超絶イケメンさんはにこっと微笑んで私に話しかけた。
私はどもりながらも、こんにちはと返した。
超絶イケメンさんは続けて、
「今日はバレンタインデーですね、そんな日にこんな可愛らしいお嬢さんに会えたのも何かの縁だと思いませんか?」
いやいや!可愛らしいなんてそんな!
「ふふふ、照れる所も可愛らしいですよ?ここでこの縁を終わらせるのは実に勿体無いですね……。あ、そうだ!良ければ私とそこのカフェにでも行きませんか?」
い、行きます行きます!!!!
超絶イケメンさんに誘われたらどこにでも!!
こうして私は超絶イケメンさんと近くのカフェに行き、そこで意気投合して連絡先を交換した。
そして毎日連絡をとり、
三回目のデートの時に超絶イケメンさんから告白され、めでたくお付き合いする事に。
どんな時でもらぶらぶで、息を吐くように愛の言葉を言い合う。どちらかが大変な場合は支え合い、まさに理想のカップル!!
そんなふうに過ごして数年、またもや彼から結婚しましょうとプロポーズされ、薔薇の束100本とともに結婚指輪を渡された。
そして私は純白のウェディングドレスをきて、
愛のキスを…………………………。
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ぶっちゅーーーーーーっ。
私は公園で1人、空中にキスをしていた。