ー第5話 大空を舞う少女
ついに、田村ゆかり登場!
「今日から学校行かなくていいんだ!!!」
家に帰ってからの第一声はこうであった。
両親はあきれたのか何も言ってこなかった。
こういう時に限って朝は早く起きる。6時には起床して、ゲーム。
朝食を食べたら、外で朝ラッシュの電車の遅延を冷かして撮影。
家に帰って、ゴロゴロして、昼食を食べて、またゲーム。
たまに、本屋に行って漫画と雑誌を買って読んだり、ポテチを3袋をいっきに食べしたり、メントスコーラしたり、いつも以上に充実した1週間だった。
(※充実していたかは個人差があります。鵜呑みにしないように)
こうして、登校解禁の日になった。
普段は、1週間って長いけど、こんなに好きなことができたら、あっという間だった。まさに、天国のようとはこのことなのかなー。
また、長い1週間が始まった。
”食堂の件”といじめ、なくなっているといいなー。
制服を着ようとしたとき、俺は気づいた。
制服がきれい・・・
母がクリーニングに出してくれていたみたいだ。
母心ね・・・
少しだけ感謝しながら、外に飛び出した。
少し歩いただろうか、青空にぽつりと何かが光った。
隕石か?それとも、どっかの国のミサイルか?いや、違う・・・
人?間違いない。
空から降ってきたのは少女だった。
あっという間に下に降りてきて・・・って、あきらかに自分に向かってきている。
おいおい、ドーしろって。
そのとたん、体の胸部から腹部にかけて大きな衝撃が・・・それと共に、目には空が移った。
重いぞ・・・って、何乗っているんだよ!
そこには空から降ってきた少女が。
少女は立ち上がって、服を整えて何後もなかったように来い言った。
「ごめんねーちょっと、操作ミスっちゃって。川に落ちたかったんだけど・・・」
軽い口調だった。
「気をつけろ!って、なんで空から降ってくるんだよ!」
「なんででしょう?当ててみて」
少女は少し微笑みながらきいてきた。
「飛行機から落とされたとか?」
「ぶぶー」
「じゃ、トランポリンで高く飛びすぎたとか?」
「違うよー」
「じゃあ・・・」
考えれば考えるほど難しい質問だった。
脳内を自分の知ることのすべてがぐるぐるしている。
「時間切れ!答えは・・・」
「答えは・・・?」
俺は固唾を飲んで答えを待った。
「ひ・み・つ」
・・・っ!
「答え知りたい?」
「うん」
「じゃあ、条件を飲んでくれたら・・・」
彼女は少し恥ずかしそうに以下の条件を言ってきた。
・しばらく家に泊めてくれること
・勉強を教えてくれること
・このことは誰にも言わないこと
少し悩んだが、悩めば悩むほど知りたくなってくる。
結局、俺は条件を飲むことにした。
「でも、今から学校だから、夕方の4時にここで集合な」
「わかった。」
意外とすんなりした答えだった。
教室に入ったとたん、
「食堂が来たぞー」
「チュー弥!」
チュー弥って誰だ?。まあ、察してはいるけど・・・
いじめはエスカレートしていた。いつの間にあだ名なんかついたんだ?
不良グループから絡まれてこりごりだ。
でも、そんなことはどうでもよかった。
あの人はどんな人なんだろう? なんで空から降ってきたんだろう。
そのことばかり考えて授業に集中できない。
そして、約束の時間になった。
4時に曲がり角に・・・いたし・・・
本気だったのか!
「ああ!待ってたよー」
彼女は嬉しそうに言った。
「じゃ、行くよ」
それとは対照的にさっぱりと俺は答える。
彼女と少ししゃべってわかったことがいくつかあった。
彼女は田村ゆかりという名前らしい。
年齢は16歳。俺と同年齢だ。
あれ、でも朝の答えがまだ・・・
思いっきりはぐらかされた気もするがまあ、いつか分かるだろう。
それより、こんな美人と一緒に歩いているなんて、それも二人で・・・
夢じゃないかと思った。
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