-第3話 もう、こんなところ二度と来るか!
お待たせしました。
ついに主人公が問題行動を起こします。
ああああ・・・・ネタバレしちゃった?
何も考えることがなかった。
死にたい。
もう、俺が生きる意味はなくなったように感じた。
あまりのショックさに、精神状態を保てない。
よく言うでしょう、”人生山あり谷あり”って。
ここまでよく出来すぎてたから、その分真っ逆さまに落ちただけなのか。
また前みたいに一人で生きていかなくちゃいけないのか?
俺はその日一人で家に帰った。優斗と一緒に帰る気がしなかった。
俺は無言で家のドアを静かに開けた。
昨日とは裏腹に静寂な時間が流れた。
雰囲気を悟ったのか、母は俺をそっとしておいてくれた。
俺は自分の部屋に入ってバックを投げて別途に横たわった。
「はあ~」
深く深くため息をつく。
俺は頭の中で今日のシーンを何度も繰り返した。
もはや、だるいHRが1週間続くことなんてどうでもよかった。
目を閉じてぼ~としていた。
時計の針のちくたくという音だけが聞こえる。
・・・・・・・あれ、今俺は家に・・・
「あの~陽弥君、話って」
あれ、汐音ちゃん。なんで俺の前に?
ん、胸が小さい?どうゆうこと?昨日の汐音ちゃんのおっぱいは、巨乳化パットだったの?
習字が後ろに貼ってある。ここは・・・?
どっかで見たことある教室、このパターンは・・・
すると、勝手に口が開いて勝手に俺の口がしゃべっている。
「前から好きでした」
はっ、俺何言ってんだ!
「俺と付き合ってください」
おいおい、俺。ってかデレんな俺!
まるで最新VRゲームのギャルゲーみたいにストーリーが進んでいく。
それで、答えは?
ギャルゲーだと大体こういう時は大成功してよかったね~って終わるはずなんだけど・・・
「ごめんなさい」
えっ?期待とは真逆の答えが返ってきた。
そう言い残すと、汐音はその場を立ち去った。
「ねえ・・・・」
俺は呼び止めたけど、聞こえなかったんだろうか。
「まって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺の部屋だ。なんだ夢だったのか。
夜の9:00を回ったところだった。
俺は、お風呂に入って、遅めの夕食を食べた。
母親は心配そうに俺を見ていたが、父は「この時期はこうゆうもんだろ」といっていたって普通である。
宿題をする気にもならなかったから、とりあいず、寝ることにした。
こんな日が何日か経ち・・・
朝になっても心が戻ってくれない。
相変わらず暗い雰囲気を演出しながら、トボトボと通学路を歩いた。
今日から授業だった。
担任の土山が相変わらずのト音で理科1の授業を進行していたが今日の俺の気持ちとマッチして、昨日みたいにだるいと思わない。
ぼ~と考え事としていたら、あっという間に4時間が経過していた。
「なんだ。もう、授業終わったのか・・・」
俺は帰り支度をした。
すると、優斗が俺に話しかけてきた。
「今日は元気なかったけど、どうしたの?」
「いや・・・ちょっとね・・・」
さすがに失恋したとか言えなかった。
「じゃあさー、気晴らしに食堂寄ってかない?」
「うん・・・」
今日から食堂を利用してよくなったらしい。
俺と優斗は食堂でポテトを飼うことにした。
しばらくして、食堂の入り口に汐音が現れた。
「あっ」
昨日のことがあったから、思い出したくないと、そっぽを向いた。
列に並んで・・・しばらくして、自分の番が来た。
「あのーポテト一つ」
そういって、100円を差し出した。
すると・・・
「食堂のポテトは食券がないと買えないの。あそこの券売機で買ってきてちょうだい。ごめんね」
と、いう返答が返ってきた。
おい!気晴らしによっているのに!
こっちはお客さんだぞ!初日ぐらいサービスしろ!
いちいち細かいばばあだな!
俺の怒りは頂点に達した。
そして、ついに俺は感情を抑えきれなくなった。
「ふざけんな!こんなところ二度と来るか!!!」
俺は思いっきり大きい声で叫んだ。
周りの人が一斉に振り向いた。隣に並んでいた優斗も目を丸くしている。
そんなの関係なかった。
いろんな意味の「こんなところ二度と来るか」だった。
汐音のこともポテトのことも含めてだ。
俺は今までのもやもやを一気に吐き捨てた。