ー第2話 悲劇は突然に
この度は、私の諸事情により、更新が遅れて申し訳ありませんでした。
次回の更新は、2018年3月3日までに行う予定です。
入学式から1日が経ち、次の日の朝が来た。
えっ、さらりと流しすぎだって?
まあまあ、細かいことは気にしない。
気になる?
そこまで言うなら、一応簡単に・・・。
あれから、家に帰ってというもの・・・
帰るなり、何に感動したのか、何が悲しかったのかわからないが、涙を流している母が出てきて・・・
それから、父がカメラの写真をテレビにつないで確認していて・・・
そしたら、父が「もっとアップで撮りたいなー」とか言ってきて・・・
結局家の前でもう一回撮影されて・・・
そのあと、休む暇もなく母があれこれきいてきて・・・
いやあ、騒がしい一日だった。
「いや-ほんと、昨日はいい日だったな-」
と、昨日を振り返る。
そして、また今日もいい日であってほしいと思う。
「忘れ物はない?、ちゃんと制服は着た?」
もはや、母の「制服はきた?」は決まり文句みたいになっていた。
昨日と大して変わらない風景が目を横切る。
違いといえば、用水路にごみが浮いていたことと、大通りで信号が赤になって長々と待たされたことぐらいだった。
校門をくぐろうとすると・・・うわっ!
そこには、例の体育教師がいた。
うわあああ・・・いやだなー
と、思うなり突然声をかけられた。
まずい。また、めんどくなる。
「すみません!」
「はっ、何が?。俺だよ俺」
「えっ?」
声をかけていたのは優斗だった。
まったく、あの体育教師だと思って謝っちゃったじゃないか。
「ねえ、今度さ、モンスターゲームの通信プレイやらない?」
優斗が誘ってきた。俺の好きなゲームだし、とりあいずやることにした。
階段を上がって、教室に入る。
まだ、「一年生は3階です」の張り紙がたくさんあった。いつまで貼っておくのだろうか。
机の上に荷物を放り投げてから優斗の机に向かった。
「昨日の入学式、だるかったよね」
「それなー」
昨日の帰りも同じ話をしていたような気もするがまあ、気にしない。
なにせ、対象年齢幼稚園以下の高校に通っているもので。
いや、むしろ2日連続、同じ話で盛り上がれるのはすごいことじゃないか。やっぱり、俺って実は頭いいんじゃない?・・・そんなことないか。
キーンコーンカーンコーン
「え~と、お~それでは~あ~挨拶を~してほしいわけだな~」
また、土山先生が眠そうな声で入ってきた。
このト音の声を聴いているとこっちまで眠くなりそうだ。
「それでは~今日から授業を指定といいたいところだが~あ~と、今日から~一週間は~あ~HRなわけだあな~」
おいおい、ちょっと待ってくれよ・・・。
こんなやつのHRを一週間も聴かなきゃならないのか・・・。HR期間中は午前中だけで4時間授業。つまり、4×7=28時間・・・。まただるい案件がたまったぞ。
「え~と、お~それでは、まず~う~プリントを~配りたいわけだな~」
一応しっかり座っていたが、だんだん体が崩れていく。
さすがにそろそろ1時間目も終わりだろう。
そう思って時計を見たら、まだ30分しかたっていなかった。
もう、耳に先生が言っていく言葉が入ってこない。
しかも、
「え~と、まあ、私は~あ~永遠の20歳なので~え~と・・・」
とか、余計なギャグを言っている。それも面白ければいいが、つまらない。だいたい、20歳ネタは昨日も聞いたし・・・。
そんなこと言っている暇があったらさっさと終わらして帰らせろよ!
だんだんイライラしてきたが先生の眠そうな声により、だんだん怒る気すらなくなってくる。
キーンコーンカーンコーン
やっと、終わった。
「あ~」と体を伸ばす。
だがしかし、これがあと3時間続くと考えると、モチベ―ジョンが下がっていく。
次の時間は学級委員や係決めだった。
学級委員には吉田周馬と近藤汐音。
風紀委員には浦野順太郎がなることになった。
もちろん俺は手を挙げていない。学級委員はまじめでしっかり者がやればいいと思うし、風紀委員になったあかつきには、学校内でふざけるどころかそれを注意する立場になってしまうじゃないか。そんなめんどくさい役なんてやるものか!
こうして、4時間のHRが終わりを迎えた。
ああ、長かった。
「一緒に帰ろう」
「いいよ!」
俺は元気に答えた。
まさに、帰ろうとしたその時だった。
えっ・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっと待った・・・・・・・・・・
はっ・・・・・・・・・・・・・・・
突然、気まぐれに訪れた悲劇だった。
俺は状況を理解するのに時間がかかった。
それは、汐音と手をつなぐクラスメイト、井上敬之の姿だった。
「俺は・・・汐音が・・・」
もう、コメントがなかった。
これは夢なのか?いや、夢であってほしかった。
でも現実は変えられない。
汐音の彼氏は敬之君なの?