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私は震えた。
鳥肌がたった。
これは・・・・、つまり・・・、反抗期!!!
すごい!!彼らはついに神に対して反抗を始めたのだ!!
ここまで成長するなんて!!
私はうれし涙が止まらなかった。
もちろん宗教関係者達は会議の結論に激怒し、猛烈に反対した。
女神様がそんな事をするはずが無い!!
女神様のお陰で我々の平和は保たれているのだ!!
聖書には女神様が人類を導き、この世界に連れて来て下さったと書かれている!会議の決定は天に唾を吐く行為だ!!
その結果、教会側の軍隊と各国の連合軍の間で戦争が勃発した。
それは世界中に広がり、戦場では積極的に巨大な魔法が使われた。
もちろんその結果、魔物は世界中で増え、凶暴化していった。
最終的に連合軍が勝利し、神の島・・・いや、もうこの頃には魔王島と呼ばれていたな・・・・、魔王島へ向けて進撃が始まった。
それは巨大な艦隊だった。
各国の海軍がお互いに手を取り合い、強敵に立ち向かう・・・・。
これが映画だったら良くあるストーリーで感動も薄いだろうが、その強敵とは私なのだ。
もはや文字に表現できない激情が体を駆け巡った。
指の先の細胞まで感情を持っているようだ。
無機質な人工島が輝いて見える。
一歩一歩、歩くだけで私という存在が実感出来る。
これほど「私」という存在を感じたことは今まで無かった。
今、私は存在している。
しかも新人類の魔王として存在している。
そして彼らは私を倒そうと必死に船を進めている。
軍人達は暗い船内で巨大な大砲の整備をしている。
火薬の数を数え、砲弾の数を数え、銃弾、爆薬の整理をしている軍人もいる。
魔法使い達は帆に風を一杯に当て、船を全速で進めている。
皆、まだ見えない魔王島に殺意と敵意を向けている。
その感情が私を貫く。
あああ!!!なんて素晴らしいんだ!!
彼らはどんどん成長していく!!
私を殺そうとしている!!
頑張れ!!頑張れ!!もっと私を楽しませてくれ!!