1-3
フランはまたあの夢を見た。
ジリリリリ…と、目覚ましのベルがなり、目を開けるとそこは…
ジリリリリリ…
「むぅ…うるさいなぁ…」
カチッ
「はぁ〜。ん?」
起きたところはいつもの部屋じゃなく、昨日みた、
森近さんの家でした。
あ、断言できる理由は、すぐそこに文々。新聞が置いてあるからだ。
でも、なんでここにいるんだろう?
「あ、起きた?」
「あ、森近さん。」
「なぜここにいるのかって?」
「あ、うん。なんでここにいるの?」
「そのペンダントのせいなんだ。苺みるくみたいな淡いピンク色だと、元持ち主の家に今の持ち主が
運ばれる…というより、来るっていうか、気付かないうちに持ち主が来るんだ。そういう仕組みに
なっているはずなんだけど、渡す人がいないから…君にあげたんだ。」
「なんで魔理沙じゃないの?」
「それは…まぁ、魔理沙だと、まぁ、ね。察して下さい。」
察する?私のそんな能力はないぞ!?
「…で、あの〜、えっと…」
「朝食ならここにあるよ。あと、咲夜さんにいろいろ言っておきました。だから、午前中は
ずっとここにいてもらってもいいよ。というか…」
「と、いうか?」
「う、ううん。なんでもない…」
森近さんの家の朝食は、焼いた食パン、目玉焼き、ソーセージ、牛乳だった。
「お、美味しい…」
「あ、僕が作りました。」
「料理、できるんだ…」
「一応ね。」
「ふーん。」
「ごちそうさまでした。美味しかったです。」
「それはよかった。」
話す話題がない…
「あ、これ、返しますね。」
「ううん。平気だよ。持ってて。寝るときにどこかに持っていなければいいから。」
「そっか…」
「そういえば、昨日どんな夢見ていましたか?」
「昨日?えっと…あ、三匹ちょうちょが出てきました。」
「そのちょうちょ、なに色でしたか?」
「私の頭の上の帽子に止まっていたちょうちょは淡いピンク色、えーっと、そのあとにピンク色の
ちょうちょ、そのあとに青色のちょうちょが出てきた…きがする。」
「じゃあさ、恋色って、何色だと思う?」
「私は…ピンクはピンクでも、ちょっと淡い…ピンク色かな?」
「そうですか…あ、夢の話に戻って、どんな話だったか覚えてる?」
「あ、それは…」
「ってことなんですよ。」
「ふーん。その少女って、フランさんですか?」
「違かった気がします。えっと…忘れちゃいました。」
「あ、別に平気だよ。」
「でも、なんで夢の話なんかを…」
「あ、いや、その…今の話を聞いてて、同じような夢を二回見たので、もしかしたらって思って。
まぁ、なんとなく聞きました。」
「ふーん。あ、そういえば、森近さんって、どこで寝ていたんですか?」
「うっ…えっと、言いづらいことなんですが…あの、そのぅ…さっき、フランさんが寝ていたベットの
隣で寝てました…まぁ、あまり寝れなかったので、結局起きて、朝ごはん作ってましたけどね。」
「あ、そうなんだ…なんか、ごめんなさい…」
「あ、そういえば、今日、魔理沙が遊びに来るって言っていたけど…いつ来るのかな?
もう9時だっていうのに。風邪でも…あ、ひくわけないか。」
「魔理沙が遊びに来るって?」
「いつもはめっちゃ早く来るんだけどな…おかしいな。」
「…」
ー魔理沙ん家ー
「ばかっ。じぶんのばかっ。」
あれは夢なんだ。見間違いだ。まさか、フランと、こーりんが…
「あ、あれは、そ、そう、フランのお人形なんだよ。アリス特製の。」
アリスの家に行ったときにフランをしっかり見て、作って、こーりんにあげて、そのまま隣で
寝ていただけなんだ。そうなんだよ。そう。そうなんだ。
「見間違えなんだ…信じてくれよ…自分…」