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プロローグの午後の話です。
香霖堂の遊びに行ったフラン、そこで、森近から
何か不思議なものをもらう…
ー紅魔館ー
「フランったら、あと何分待てば来るのよ!」
レミリアは我慢の限界だった。
「せっかくプリン、私が作ったんですが…」
「先に食べさせて〜!」
「ダメです、お嬢様、いくらお嬢様だからといって、妹様を待たないわけには…」
「お待たせー!そしてただいまー!」
「やっと帰ってきましたか…」
「フランったら、遅いじゃないの。どこ行っていたのよ。」
「魔理沙ん家ー」
「魔理沙ん家にずっといたのね。」
「そ、そうだけど、何か?」
汗がひとつ垂れた気がする。
「じゃ、なんで今日魔理沙ん家に行った時、誰もいなかったのかな?」
「お姉ちゃん…」
「ま、いいわ。とりあえず、プリンだよ、フラン。」
「やったー!」
「ごちそうさまでした!」
「どうでした?妹様。今回のプリン、いつもと違いましたか?」
「まぁまぁだったよ。じゃ、いってきまー…」
「どこ行くの?また魔理沙ん家?」
「そうだよ、じゃ、いってきまーす!」
「行ってらっしゃい。」
魔理沙ん家にはもう行かないけどね。
森近さん家…ってどこだっけ?あの古い建物…
あ、あったあった。
ー森近さん家ー
コンコンコン
「フランです。森近さんいますか?」
ガチャ
「あ、フランさん、なんか御用ですか?」
「あ、いや、用とかじゃないけど…」
「迷子?」
「迷子でもないです。ただ…」
「遊びに来たんですか?なら、中どうぞ。」
「あ、えっと、お邪魔します。」
ー香霖堂ー
「なんか不思議なものがいっぱい…」
「非売品が多いけどね。」
「へ〜。」
ちょっといったところで、新聞を見つけた。よく見ると…文々。新聞!?
「森近さん、文々。新聞、読んでるんですね。」
「いや、なんか興味深いんだよね。文々。新聞。」
「そうですか…」
文々。新聞って、なんか一度取材に来たっけ?ま、いっか。
「そういえば、ここにお姉ちゃんとか、うちのメイド長の咲夜が来たりしてない?」
「咲夜さんは来たことがあるけど…」
咲夜、ここ来るんだ…
「これってなんですか?」
「これ、道端で拾ったんだけど、僕でもわからないから、もらってく?」
道端で拾ったっていう割には綺麗な苺みるくみたいな淡いピンク色…
ペンダントにしては短いし、腕輪にしては長い…
これはなんだ?まぁいいか。
「と、とりあえず下さい。お金は…」
「お金はいらないよ。もらっていくんだし。」
「そ、そっか。」
ガチャ
「やっほー、来てみたぜ。」
「ま、魔理沙!?」「魔理沙か、いらっしゃい。」
「あーっと、私はこれで…」
「フラン、もう帰るのぜ?ま、いいけどな。じゃあね。」
「じゃあね。森近さん、魔理沙。」
「じゃあねなのぜ」「また来てね」
ガチャ…バタン
「何してたのぜ、二人きりで」
「えっと、あっちから来たんだけど…」
「ならいいか。」
「あ、魔理沙、質問なんだけど…恋色って、何色だと思う?」
「恋色?そりゃ、もちろん、ピンク色じゃないのぜ?違うのか?」
「いや、なんとなく聞いただけ。」
「ふーん。」
「あ、箒、直しといたよ。」
「ありがとなのぜ。」
「……」