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やばい…
早く書かなくては…!
コンコンコン
「どうぞ…」
ガチャ…
「こんにちは!」
「なんか元気ですね、フランさん」
「うん!なんか元気が出ちゃって。」
「そうですね…」
「どうしたんですか?なんか元気ありませんね…」
「実は…うーん…フランさんなら言ってもいいかな…」
「何が?」
「実は…僕の、家族写真が…家族写真が、なくなってしまったんだ!」
「ふーん。あ、探します?」
「いや、家は探したんだけど、ないんだよ。フランさん、間違えて持って帰ってないか?」
「持って帰ってませんよ。」
「そうなんだ…ならいいや。じゃあね…」
「えっ?あ、う、うん…」
ガチャ…ガチャン
「今日のフランさん、なんかおかしい…家族写真について嘘をついていたとか?それとも…」
本物のフランさんじゃないとか?いや、それは…
「あるか…えーりん…」
コンコンコン
「はい…どうぞ…」
ガチャ…ガチャン
「フランです。」
「あれ?フランさん、また戻ってきたんですか?」
「何言っているんですか?私は、今さっき朝食が食べ終わったんで、こっちに来ただけなんですが…」
「そうですか…あ、フランさん、私の…家族写真、持ってません?」
「持ってないです…あ、でも気づかないうちに持って帰っていたのかもしれないから、いえ、探してきますね。じゃあ、また明日!」
「あ、うん。」
ガチャ…バッタン
「あっちのほうがなんか必死…」
ー紅魔館ー
「早くしないと…!」
「何探しているの?フラン。」
「森近さんの家族写真。」
「へー。あいつに家族いたんだー。」
「そういえば私もその写真見たことないからな…あ、咲夜の部屋探してくるから。お姉ちゃんはここの周りとか、大図書館とか探してきてくれる?」
「いいけど…」
「ありがと、じゃあ、探してくるからね!」
「フラン、あんなに必死になるの、人生で初めてじゃないかしら?…まあいいや。探してこよーっと」
「咲夜が一番怪しいんだけどなー…」
ガサゴソ…
「ん?なんか…」
これが…
「森近さんの家族写真…」
あれ、ここに写ってるのって…
「咲夜?」
どういうこと?咲夜と森近さんの関係って…?
まさか、結婚?それとも、恋人?それとも…
「許嫁ー!?」
「何よフラン、うるさいわよ。」
「あ、ごめん…」
許嫁?なわけないか。
「と、とりあえず、渡しに行かないと!」
そうしてフランは紅魔館を出た。