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プロローグ
いわゆる異世界もののつもりです。熱いバトルが展開するか、美少女がたくさん出てきてウハウハになるか、完全に未定です。
ファンタジーなんてバカにしていた。
ああいうのはどうせ、現実の世界でうまくいっていない連中が、ここではないどこかにあるかもしれない異世界で、自分を慰めているだけだろう、とおれは思っていたのだ。
だって、「はてしない物語」も、「ハリーポッター」も、ライトノベルとかいうのだって、みんなそういうことだろう?
だからおれは、今までファンタジーなんて読んだことがなかったし、もちろんこれからだって、絶対に読むつもりがなかった。
あの七瀬詩織が、教室の自分の席で、堂々と、けばけばしい挿絵のついたライトノベルを読んでいるのを、目撃してしまったそのときまでは……。
あとがきが書ける(=完結する)ところまでいきたいものです。