幼き少年の想い。
私達は5年前に瞑れた10階建ての大きな私立病院へと訪れて行った。
この私立病院には誰もいない筈なのに時々患者が病室で眠っていると言う噂が流れ込んで来た事により私達は興味を持ったからだ。
裁鬼「ちょっと、こんな所に人なんて居るの?。」
迩弧「分かる訳ないでしょ?。でも面白そうじゃない…。」
私達は重い自動ドアを開き、一歩を踏み入れた。
入り口はとても暗く、まるで図書館の様に辺りが静まっていた。
裁鬼「確かに幽霊みたいな者が居そうだなww。」
迩弧「馬鹿な事言うな!!」
エレベーターは勿論動かないので私達は階段を上がって行った。
早速一回へ着いた。
迩弧「早速探しましょう★。」
とテンション高めで迩弧は走り回り一緒に一つ一つ部屋を除いて見たが居なかった。
その後も2,3,4,5,6,7,8,9と見て行ったが居なかった。
迩弧「…最後の10回か…。」
裁鬼「オイ…もう帰ろうぜ…もう夜だぜ?。」
今日は満月の夜。
10回へ上っていると心臓の動きを感知する機械の音が聞こえて来る。
…雅か…。
機械の音が聞こえて来る病室のドアをそうっと開けた。
するとそこには月光に照らされた少年が居た。
私達は何の言葉も出て来なかった。
…何故こんな所に人が…。
近付いてみると少年は首に白いマフラーを巻いて、可愛い顔をして、少し長めの漆黒の髪と月光に照らされた綺麗な純白な肌をしていた。
迩弧はその少年の目を覚まさない様に様に少年の身体の上半身を起こした。
そして迩弧は少年の白いマフラーを外し、人差し指と中指を少年の首元へと動かし、優しく触れながら其処から少年の胸の辺りの所まで肌をなぞっていった。
裁鬼「何やってるの?。」
迩弧「いや、白く綺麗な肌をしてるなあって。」
月光が照らす白い肌、純白の美しさと月光の美しさ、月夜に輝く白い肌と言っても良いだろう。
とその時、少年の鋭い目が開き、黒い瞳がギラリと光ったのだ。
迩弧 裁鬼「うわぁぁ!!。」
私達は怖くなり思わず逃げ出した。怖くて目蓋さえも開けられなかった。
裁鬼「なんだよ。あいつ…。」
迩弧「気付かれたら拙い事になるだろうし。」
カチーン…
迩弧「何だ?。あそこから刃物の音がするんだけど…行こうぜ。」
裁鬼「怖いよ!!私たちが殺されるよ!!」
迩弧「何よ、臆病ね…」
裁鬼は迩弧の方に強く掴まりながらゆっくりとさっきの少年の病室へと進んで行った。
迩弧は堅苦しい表情をしていた。
そして少し進むと、少年が居た病室から何者かが出て来た。
裁鬼「少年…?。違うな。」
出て来たのは少年ではなく海賊の様なバンダナのような物を頭に被った男であり、その男の手元のナイフもギラリと光った。
男は私達にニヤニヤとした表情をした後黙って去って言った…。
迩弧「あの子…まさか!!。」
あの男に殺されたのかもしれない…。
急ぎに私達は少年の病室のドアを開けると、血の香りが漂って来る。
少年の喘ぐ声が病室中に響いてゆく。
裁鬼「大丈夫!?。」
私達は駆け付けると私は少年に叫んだ。
少年「…。」
少年は声が出なかった。少年の私達は少年の体を見るとその肌には幾つかの傷が刻み込まれていた。
然も何故か傷のある場所は少年の首元と肩だけであり、後は何処にも傷は無かった。
迩弧「…男と何が有ったの?」
少年は答えた。
あの男も噂に興味を持ち、少年の病室に入って行った。少年を見付けた男は月光が照らす少年の肌が余りにも純白で綺麗だったので切り裂きたくなったと言う。その肌の傷は突き刺した様な傷ではなく
ツー……
と切り刻まれた傷である。
裁鬼「…可哀相に…何て事を!!。」
迩弧「名前は何て言うの?。」
少年「…Rei passion(リイ パッション)。…年齢は9歳だよ。」
少年は過去で多くの者に心と身体を傷付けられたと言う。
迩弧「…とても、辛かったんだろろうね…。」
と迩弧は又少年の首元に優しく触れ続けた。
リイ「…僕は嬉しかった。僕を心配してくれた…。僕の肌を守ってくれた…。それは貴方達の御陰…。」
私達は一緒に言った。
迩弧 裁鬼「リイの心と身体は永遠に白く輝いているよ。」
リイ「…。」
そして少年はゆっくりと目を閉じた。自分の生命を閉じた。
病室には死の音が鳴り響いていった。
然し少年は私達に救われてとても想いが満ちていたと言う。




