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悪役令嬢が攻略対象ではないオレに夢中なのだが?!  作者: naomikoryo


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第28話『決勝戦! 数学が導く勝利』【学園行事編:戦陵祭⑤】

 戦陵祭最終日。

 大広場はすでに満員、王都から貴族や騎士団まで見物に集まっていた。

 「いよいよ決勝だ!」

 「学園最強の剣士が相手だぞ!」

 観客の視線は一点に注がれている。


 決勝の相手は、剣技科三年――シリル。

 「剣鬼」の異名を持つ、学園最強の剣士だ。

 大柄な体ではないが、構えに隙はなく、研ぎ澄まされた刃そのものの気配を放っていた。


 「クロス組、相手は強い! でも怖気づかんでええ。剣もデータや、解けるパターンや」

 カイは生徒たちに声をかけ、軽く拳を突き合わせる。

 生徒たちの瞳に、緊張と共に確かな光が宿った。


◆◇◆


 第一試合。

 クロス組の男子生徒が飛び出す。

 開始早々、シリルの剣が閃いた。


 ――ガキィン!


 一合で決着。クロス組の剣は弾かれ、地面に突き刺さった。


 「なっ……!」

 「やっぱり無理だ、あの人は別格だ!」


 観客席がざわめく。


 「シリル、1勝!」


◆◇◆


 第二試合。

 女子生徒が挑むも、また一瞬で斬り伏せられる。


 「勝者、シリル!」


 クロス組は二連敗。


 生徒たちの顔が青ざめ、ざわめきが走る。


 「落ち着け!」

 カイが声を張った。

 「シリルは強い。でもな、剣筋は単純や。完璧に研ぎ澄まされた“直線”や」


 「直線……?」


 「せや。なら円で包めば勝てる。ベクトルを斜めに、相手の直線を回してやれ!」


 生徒たちは頷いた。


◆◇◆


 第三試合。

 次の生徒は、相手の直線的な斬撃に対し、半歩ずれて剣を斜めに構える。

 ――キィン!

 攻撃を受け流し、反動で突きを入れる。


 「うわっ! 俺の剣が逸らされた!?」

 観客席がどよめく。


 「勝者、クロス組!」


 1勝2敗。希望が灯る。


◆◇◆


 第四試合。

 別の生徒が出る。

 リズムを読み、シリルの斬撃を三拍子目で受け流す。

 そして――ズバン!


 「勝者、クロス組!」


 2勝2敗。

 観客席が総立ちになる。


 決着は第五試合――ルーティアとシリルの一騎打ちに託された。


 「……ふふ、面白いじゃない」

 ルーティアは優雅に剣を構える。

 シリルは冷たい瞳で彼女を見据えた。


 「君は確かに強い。だが、俺の剣を受けきれるか?」


◆◇◆


 試合開始。

 シリルの斬撃が猛スピードで繰り出される。

 ルーティアは防ぐが、押されていく。


 「くっ……!」


 観客が固唾を飲む。


 そのとき、カイの声が飛んだ。


 「お嬢! シリルの剣は“直線”や! 回せ! 角度75度、軌道を円に!」


 「……はいっ!」


 ルーティアは剣を斜めに構え、攻撃を受け流す。

 シリルの剣がわずかに逸れ、体勢が崩れた。


 「今や!」


 ルーティアが踏み込み、渾身の突きを繰り出す。


 ――ズバァン!


 木剣の切っ先がシリルの胸を捉えた。


 「勝者――クロス組!!!」


 会場が割れんばかりの大歓声に包まれる。


 「クロス組が優勝したぞーー!」

 「魔法クラスが、剣技で……!」


 ルーティアは剣を掲げ、誇らしげに観客へ向けた。

 そしてそのままカイのもとに駆け寄り――

 ガシッと腕を掴んで抱きつく。


 「勝ったわ! これで証明した! 私たちは最強よ!」


 「いやいや、会場中見てるんやから落ち着きぃ!」

 「落ち着かないわ! だってあなたは私の――」

 「奥様言うなよーー!」


 観客席は笑いと歓声で沸き立ち、戦陵祭はクロス組の勝利で幕を閉じた。

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