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異世界を救ったその後に、結婚したハーレムメンバーと神域に引きこもってひたすらゲームするだけの日々  作者: 奏月脩/Shuu Souzuki


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第一話 レイナとカグヤ ※挿絵あり



 ――――ありがとう。



   ――――ありがとう。



     ――――ありがとう。



 まどろみの中で、どこからかそんな言葉が口々に聞こえてきたような気がした。


 思い返されるのは、かの世界で魔王を討ってからの日々。



 凱旋に、謁見、パーティの際に口々に告げられた礼に賛辞は、まさしく浴びる程注がれ続けた。



 しかし、甘美な美辞麗句に素直に酔いしれてしまえる程、俺達だって綺麗な物ばかり見てきたわけではない。


 今でも鮮明に思い出せるあの頃の栄光も、所詮は一場の春夢。


 だからこそ美しいまま終わらせてしまえばいいと。


 少なくとも俺は、その選択に間違いはなかったのだと、今でも確信を持ってそう言える。




― ― ― ―




 段々とはっきりとしていく意識の中、鼻孔をくすぐったのは鼻元までかけられた掛布団から香る甘い香り。


 本当であれば、このまま二度寝でもしてしばらくはこの温もりに浸っていたいところなのだが。


 あまり遅起きをしてしまうと、今頃キッチンで朝食の準備をしているであろう彼女の機嫌を大きく損ねてしまう恐れがある。


 俺はまどろみの余韻を手放すことに一抹の名残惜しさを感じながらも、そのままゆっくりと体を起こしていくのだった。


「……んー」


 軽く背伸びをして、気持ち程度に眠気を飛ばす。


 目覚めもそこまで悪くない。日当たりもよく、とても気持ちのいい朝だ。


 広々とした我が家の寝室には、今日も穏やかな朝の日差しがぽかぽかと差し込んでいる。


 青空の綺麗なこんな朝は、春に近い気候の陽気も相まって本当に心地が良かった。


 俺は軽く目元をこすりながら、眠気が完全に晴れるまでしばしぼーっと部屋の一点を見つめる。


 そんな時だ。


 ふと、隣からごそごそとベッドのシーツが擦れるような音がした。


 気になって目を向けてみれば、そこには案の定、昨晩より隣で寝ていた一人の女性が横たわっている。


 ゆるふわで大人っぽいロングの巻き髪に、どこかあどけなさの残る可憐な容姿。


 若々しい白い肌に豊満な胸といい、とにかく男好きするスタイルも魅力的な女性だ。


 彼女は軽く身じろぎしながら、ゆっくりとその寝ぼけ眼を開いていった。


「ん、んん……」



挿絵(By みてみん)



 軽く目元をこすりつつ、まだ随分と眠そうな様子でこちらを見返してくる茶色髪の美女。


 未だ夢うつつと言った具合だが、それでも俺という存在を認識したからか、その目の色には少しずつ生気が宿っていく。


 それから30秒もした頃には、彼女もようやく本腰を入れて起きる気になったらしい。


 ゆっくりと身を起こして、可愛らしいあくびを浮かべていた。


「う~ん……んはぁ」


 少し艶っぽい吐息を漏らして、ぐぅっと両腕を引っ張るようにそのしなやかな肢体を伸ばしている。


 白のベビードールからのぞく豊満なバストラインに、滑らかな輪郭を描く肢体のラインがあられもなく浮き彫りになり、思わず生唾を呑んでしまった。


 正直、朝からこんな刺激の強い光景は色々とつらいものがあるのだが、下で朝ご飯を作ってくれている他の奥さんがいる手前、朝っぱらからおっぱじめるわけにもいかず悶々とする。


 まあ、こんな美人な嫁さんの無防備な姿を毎朝目にすることができるという日常は、甘美であることに変わりないのだが。


 とはいえ、あまり意識し過ぎると本当に襲ってしまいそうなため、俺はあくまでもいつも通りの調子で彼女に話しかけるのだった。


「おはようレイナ、今朝はよく眠れたか?」


「おはよ~ユウト~私はおいしくないよ~」


 ふにゃふにゃとした声色といい、どうやらまだ寝ぼけているらしい。


 その受けごたえはどこかおかしかった。


 まあ、彼女はもともと寝起きにあまり強くないのだ。


 朝は基本的にふにゃふにゃしていることが多いし、まあこれもいつものことではある。


 しかし、いつも通りということはつまりだ。


 今朝も寝ぼけたレイナが、刺激的なスキンシップを迫ってくるというわけで……。


「ねぇユウト~ぎゅってして?」


「ちょっレイナ!?」


 案の定、寝ぼけた勢いのままぎゅっと俺の腕に自分の腕を回し、そのままぴったりと身体を押し付けるようにして抱き着いてくるレイナ。


 潤んだ瞳でじっとこちらを見つめてくる彼女は、女神と見紛う程に美しく、自分でもわかる位に顔が熱くなった。


 ドクンっ、ドクンっ。


 最早この暮らしを初めて一年以上は経っているというのに、未だ童貞のように異性の魅力をいちいち強く意識してしまう。


 すぐそばに感じるレイナの息遣いに、押し当てられた彼女の柔らかな胸の感触。


 それになにより、媚薬のように俺の理性を狂わせてくるレイナの女の子の甘い香りが、より一層俺の心臓の鼓動に拍車をかけていた。


「ねぇユウト~おはようのキス、してもいいかな~?」


 俺がここまで動揺しているというのに、当のレイナはこの期に及んでまだ寝ぼけているらしい。


 未だふにゃふにゃとした呂律の回っていない様子で、俺の耳元に囁いてきた。


 今も俺の心の中では、耳元に直接かかるレイナの吐息に、至近距離で囁かれるレイナの可愛らしい声の誘惑が毒のように巡っている。


 理性と欲望の天秤は、絶えず鬩ぎ合っていた。


「……ま、まあキスだけなら」


 本当にそれだけで済むか怪しい所だったが、既に夫婦である俺達が今更口づけをためらう理由などなく。


 俺は気恥ずかしさをごまかすように、あくまでも純粋な愛情を込めた口づけを交わした。


「んっ……ちゅ」


 くぐもった甘い声が、繋がれた唇の隙間からこぼれ出る。


 普段純情なレイナの女の声に理性がジリジリと削られていき、俺はそれをごまかすようにして、彼女の唇を軽くついばんで深いキスを愉しんだ。


 みずみずしく、しっとりとした彼女の唇の感触が、またしても俺の身体の一部分にとりわけ熱を集中させていく。


 徐々に水気を伴った口づけの音が声色を侵食し、しかし、依然としてその淫らさには一切の陰りはない。


 本当に、このままでは俺の理性がどうにかなってしまいそうだ。


 容赦なく俺の唇を貪り返してくるレイナの積極的過ぎる愛情表現に、俺は最早耳まで真っ赤になっている。


 まったくもって、普段の彼女からは想像も出来ない程の淫猥さだ。


 これでも、目が冴えてるときは比較的純情な印象を受ける女性なのだが。


 そういう普段の純粋さ故の反発の影響か、こういった寝起きや頭がぼーっとしてるときのレイナはまるで別人のように欲望に忠実な女性になる。


 正直、俺もレイナと同じように欲望に素直になれるのであれば、それはもう喜んでこの先まで愉しみたいところではあるのだが……やはり起き抜けはそういう訳にもいかないので、俺はその度に自重を強いられているのだ。


 心の中で決死の葛藤をくり広げる俺の事などいざ知らず。


 当のレイナは、なおもふにゃふにゃとした解読不能な言葉を並べながら俺をぺしぺしとたたいて駄々を捏ねている。


 そんなレイナを宥めていると、ちょうどいいところにコンコンコンと小さくドアをノックする音が聞こえきた。


 有難い助け船だ。どうやら、俺の頑張りは徒労にならずに済みそうである。


 少し名残惜しくも、俺はレイナの唇から己の唇を離していった。


 互いの間で軽く唾液が糸を引いたが、それもすぐに拭い。


 丁度そのタイミングで、ガチャっと寝室の扉が開かれた。


「おはようおぬしら、もう朝じゃよ」



挿絵(By みてみん)



 凛としたよく通る声と共に、白のTシャツを着た大人っぽい雰囲気の女性が、明るい調子で寝室の中に入ってきた。


 長い黒髪に、赤い瞳。


 その頭には二本の龍の角が生えており、抜群のスタイルと毅然とした佇まいがなんとも目を見張る魅力的な美人さんである。


 当然、この女性も俺の自慢のお嫁さんだった。


「ああ、おはようカグヤ。悪いな、今朝もレイナがこんな調子でさ」


 キスを中断されてご機嫌を損ねたのか、子供の様に頬を膨らませてごねているレイナに目をやって、優しく宥めるように頭を撫でてやる。


 それを見たカグヤも素早く状況を察してくれたようで、二人していつも通りの平和な朝の光景に思わず顔を見合わせて笑ってしまうのだった。


「ふふっ、まあいつものことじゃな。(わらわ)ももう慣れた」


 カグヤは仕方がないなぁというように穏やかに微笑んで、こちらへと足を踏み入れる。


「よ~しよし。レイナ、眠いのはわかるが、もう朝じゃからそろそろ起きないとだめじゃよ~」


 そのままベッドの上へと上り、中腰になってレイナの傍に寄り添うカグヤ。


 面倒見の良い彼女は、例の如く収納魔法のストレージから着替えやらヘアブラシやらを取り出すと、慣れた手つきでレイナの身支度を整え始めた。


「え~私はもう起きてるよ~だから大丈夫~」


「ふっ、本当に仕方がないのぅ……おぬし、身体は起きてても頭はまだ起きとらんじゃろ?そんなにだらしないところばかり見せておると、大好きなユウトに嫌われてしまうぞ?」


 レイナの髪を整えながら悪戯っぽく笑うカグヤに、レイナは依然としてどこかいじけた様子である。


 軽く頬を膨らませて見せる姿は小動物の様で可愛らしいし、なんだかんだでカグヤに身を委ねている辺りもとても微笑ましかった。


「ユウト、妾はもう少しここでレイナの面倒をみておるから、おぬしは先に下で待っておってよいぞ。誰かが先に行ってやらんと、あやつも待ちくたびれてしまうじゃろうからな」


「ああ、わかったよ。ありがとうカグヤ。レイナの頭が冴えてきたら、今朝のことはもう気にしないでいいからなって伝えておいてくれるとうれしい」


「うむ、妾たちも準備が終わったらすぐに向かうと伝えておいてくれるとうれしい」


「ああ、すまないが、あとはよろしく頼んだ」


「うむ、任された」


 気前よく言って、グッドサインを送ってくれるカグヤ。


 凛とした雰囲気のわりに、こういう少し茶目っ気のあるところもカグヤの魅力の一つだった。


 俺もまたカグヤの言葉に笑みを返して、一足先に寝室を後にする。


 俺も俺で身支度を整えなければ。


 俺はさっさと身支度を済ませ、ついに彼女が待つ一階のリビングへと足を踏み入れるのだった。









※一部UIを除き、画像のほとんどはAIによって生成されたものです。ご留意ください。


↓同時連載中

「The Hero's Sweet Brides~学園の女子だけ貞操観念が逆転していくサバイバルクラフトゲームで、俺だけ既に神殺しと畏怖された異世界の救世主~」

https://kakuyomu.jp/works/822139838557577613

※もう一つのリンクはノクターンノベルズの為ここでは割愛。


・作者X

https://x.com/Shuu_Souzuki

作品の執筆状況などをたまに投稿していく予定です。

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