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きゃっは☆クリスも役者ね!

さすがクリス!涙を絞り出すくらいお手の物♪

さっさとこちら側に取り込んじゃいなさい☆

(by 亡霊姫★)

 シルビアのその身の上を聞いて、王妃ははらはらと落涙してみせた。


「お可哀想に……話を聞いただけでも、胸の潰れる思いが致しますわ。

ベルサード伯爵家の皆様も、どれほどお心を痛めたことか……」


 そんな悲痛な、儚い表情の裏で、相手の使い道を考えていた。

元々家名自体は耳に届いていたし、事情も知ってはいた。

寵姫派に属しながらも裏切りを狙っている不穏分子だと――そして今、当事者の話を聞いて確信した。

この家を自陣営に引き込もうと、それは必ず利になると。


 元々、この夫人を王妃宮に引き込んだことはすぐに知れ渡るだろう。

そうなればその実家も、婚家の方も動かざるを得まい。


「グラフィナ伯爵家でのご生活、さぞお辛かったことでしょうね……まだ間もない私ですら、あそこのご夫人には苦しめられましたもの……」


 豚のような伯爵夫人は、あちこちで気に入らない者の悪評を喚き立てるのが常である。

だが翻せば、その他の者はそれほど王妃の意に反したことはしていなかった。

そもそも伯爵夫人以外、王宮への出入りが極端に少なかった。


 伯爵は太りすぎて病がち、最低限の外出もしたがらない無気力な人物と聞く。

長男のファシド卿――シルビアの夫は、妾宅に入り浸っていると聞く。

家族が一同に集うことすら何年もないそうだ。見事に崩壊した家庭であった。


 しかしだからこそ、亀裂があるからこそ、付け入る隙があるのだ。

王妃は潤んだ目でシルビアの瞳をじっと見つめた。


「……この先もしも、何かお辛いことがあれば、どうぞ遠慮なくわたくしを頼って下さいな。

わたくし、できるだけ寛大でありたいと思っておりますの……親と子は、違う人間ですわ」


 過剰な根回しかもしれない。だが、いざという時のための鍵だ。

彼女を通して実家に働きかければ、きっと秘密裏に――


 そこまで算段して、机の上でシルビアの手を握った。弱々しい灰色の目に、王妃の瞳が映り込んだ。


「……貴女の悲嘆も、苦しみも……どうか、わたくしに預けて下さいな。

けして、悪いようには致しませんから」


『そうそうその調子……ベルサード家とやらは、軍部へのコネも強いみたいだしね♡』


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