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子兎ホイホイ、いらっしゃ~い

クリスの子兎がなにか連れてきたわ~!

面白いことになりそう☆

(by 亡霊姫★)

 その一時間後、王妃宮に帰ったエデルは恐縮しきって頭を下げていた。


「申し訳ございません、王妃陛下……」


 王宮のど真ん中で泣き出した貴族を、そのままにしておけるわけがない。

それに、泣き止まない友人を放って帰って来ることもできない。

異国の王宮での珍事に、エデルはどうして良いか分からなかった。他に思いつかなかったのだ。


 そこでつい、シルビアを王妃宮に連れてきてしまったわけだが……現在の情勢を思うと、失態としか言いようがない。

他の侍女たちには訝しがられたし……特にファビエンヌからは冷たい目で見られてしまった。


「良いのよ。わたくしも気分転換がしたかったもの」


 それなのに、そう笑って許してくれた王妃の優しさに、エデルは深く感じ入った。


「それでその方は……帝国で貴女と親しかったのね?」


「は、はい。ラザリウス侯爵家は、実家の本家筋に当たる家でして……幼い頃から侯爵家との行き来があり、行儀見習いに来ていたシルビアとも親しくなったのです」


 その反応に力を得て、エデルは手短に思い出話を語った。

王妃は機嫌よく相槌を打ち、「是非お話してみたいわ。ここに呼んでくれて結構よ」と言った。

エデルが退室し、他の侍女や騎士たちが控える中、遠慮がちに声を上げた人間がいた。


「王妃陛下……」


「まあ、レナート。どうしたのかしら」


「恐れながら……シルビア様に肩入れなさるのは、如何なものかと……」


 王妃はそれに微笑み、

「なにかおかしいかしら?」


 首を傾げる。それに騎士は、真剣に、注意深く答えた。

周囲には、護衛の騎士たちが無機質に控えていた。


「……あの方の来歴については、私も知っております。

同情すべき身の上とは言え、そして帝国との繋がりがあるとは言え……現在の所属は、寵姫派でいらっしゃいます。

王妃陛下がお慈悲をかけたとしても、それがどう転ぶことか……」


 騎士は真剣そのものの顔だった。

心から王妃の身を案じている忠義者のそれだ。その手を取り、王妃はたとえようもなく美しく微笑んだ。


「大丈夫よ。……わたくし、貴方を信じておりますから」



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