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クリスったらも~偏見と憎しみ持ちすぎよ♡分かるけどね♡ ①

クリスにお客様~♪

これは王の妾の取り巻きの義母かしら?

どうやら取り巻きの命運は尽きたようね☆

(by亡霊姫★)

 数日後、王妃は住居に一人の客を呼び寄せた。


「お招きありがとうございます、王妃陛下」


「こちらこそ、おいでいただけて嬉しいわ。ずっとお目にかかりたかったのです」


 場所は王妃宮の露台で、王妃は前ヴェルカ公爵夫人と、お茶を楽しんでいた。

周囲にいるのは帝国の騎士と侍女、そして医師であり、万全の警備体制が敷かれている。


 そこからは、国王と寵姫の思い出の場所だとかいう薔薇園が良く見えた。

品種改良で大振りになったそれは、これでもかと花弁を開き匂いを撒き散らしている。

なんという下劣な花だろうかと思ったものだ。昨日のことのように思い出せる。


「王妃陛下のことは領地にも聞こえてきましたわ。まさに神の子孫たる皇族に連なる御方であると、感じ入る思いでした」


「そのようなことはありません。わたくしはただ、恵まれていたのです。望まれぬ妃でありながらも、心ある貴族の皆様に助けて頂いただけですわ」


 後は貴族たちに任せておけば良い。王妃は、何よりもまず自分と子の存在を気に掛ける必要がある。

それは誰にも代われないことだった。


 この状況で、寵姫派に打てる手は多くない。

出産前に殺すか、出産後に殺すか、別の適当な王族を祭り上げるか――そもそも、一丸にまとめ上げることすら容易ではないだろう。

保身に気を取られて精々右往左往していればいい。


 元々王妃は、長期戦を仕掛けるつもりなど更々ない。

こんな暑苦しく野卑な国にいつまでも付き合ってはいられない。


『もう、クリスったら~こっちはこっちで美点はあると思うけど~♪

ギラついた光も暑苦しさも、慣れてくればなかなか良いものよ☆』


 知ったことか。そもそも暑さなど感じないくせに。


「わたくしは元々、民に見放され、祖国を追われた身ですもの。

受け入れて下さる方がいただけでも、有り難いことと思っております」


「……イーハリスの政変によって、王家が転覆し……未だに北の地では、騒乱と混乱が収まらないと聞きます。

王妃陛下の御心、察するに余りありますわ」


 当然のことである。愚民どもに、正しく舵取りを行う知性など存在しない。

然るべき者が君臨してこそ、天下泰平は成るのだ。


『そうそう、そうよ♡お前にはそれしかないの♡あの海で惨めったらしく妾に縋ったその瞬間から――』


「……わたくしは母国を救いたいと、ずっと願っております。

ジディスレンでのことも、ただそのために行うのです」


『ええそう。そうよ、クリス。踊りましょうね、最後まで』



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