これは魔法というより手品ね♪いざ、種明かしを!②
え?クリス、あのこと言っちゃうの?
本当に言っちゃうの~??
(by亡霊姫★)
「それにしても……こちらの王宮の内部事情は、何とも複雑怪奇ですわね?
概要は学んできましたけれど、ここまでとは思いませんでしたわ」
王妃は少女のような顔でくすくすと笑う。
いや、実際に齢十五の少女なのだ。
それも美しく、儚い、朝靄に薄れていきそうな。
そうであるにも関わらず、この底知れない冷たさは何なのだろう。
「異国から来たのですから、仕方ないといえばそうなのでしょうが……なんとも悲しいことですわ。
わたくしはどうも、国王陛下にも、その意中の方にも嫌われているようで……」
王妃は淑やかに目を伏せ、儚げな風情を演出する。
虫も殺せぬたおやかな美姫といった雰囲気に、そんな表情は非常に映える。
「エヴァルスとジディスレン、両国の友好を願うがためにわたくしは嫁ぎました。
このままではそれが無になってしまいます。
宰相はその辺り、どのようにお思いかしら?」
「……王妃陛下のご事情については、聞き及んでおります。
両国関係のためジディスレンまでお輿入れ下さった王妃陛下のご献身、宰相として感謝の念に耐えません」
どうにかして、当たり障りなく切り抜けたい。
だが――そんなことが可能なのだろうか。
じわりと、不吉な予感が込み上げる。破局の足音を感じずにはいられなかった。
「ふふ、宰相とは是非親しくなりたいわ。
嫁いでからこちら、あまりお話する機会もなく、もどかしく思っておりましたのよ?
だって、わたくし――」
続けられた言葉に、侯爵は叫びだしそうになった。
咲き誇る花を思わせる匂やかな笑みを浮かべ、小さく首を傾げる。
他愛もない秘密をそっと教えた少女のような表情で――しかし、その裏側に秘められたものはあまりに重かった。
どうして、自分にこのようなことを。
(もう終わりだ。こんな秘密を渡されてしまっては――……)
こうなってはもう、侯爵に選択肢はなかった。
「――そう遠くないうちに、公表致しますの。
ですからね、わたくしは頼れる味方が一人でも多くほしいのです。
貴方がそこに加わってくれれば、安心できるのですが」
「…………喜んで。宰相として、王妃陛下のお求めに応えるは当然の義務でございます」
「嬉しいですわ。わたくしたち、とても仲良くなれそう……あら、お顔の色が良くなくてよ。
ご心配は無用、悪いことなど、何一つも起こるはずがありませんわ」




