表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/123

彼と彼女の、ちょっぴり懐かしい再会☆

中立派の中の中立派の浮かれ女、ルルシラが何か始めたわ☆

今度のお相手はだ~れ?

(by亡霊姫★)

 それからもルルシラは次々男を変え、更に情報交換を重ねていった。

こうすることで裏を取れるし、何気ない情報でも組み合わせることで新事実が見えてきたりする。


「それで~シェルベット伯爵夫人の方は、最近どうしているの?」


「そうですね、焦りが見受けられます。

やはり王妃陛下の求心力はお強く、各方面に影響を及ぼしておりまして……最終手段も辞さぬ構えで、根回しと繋ぎを。

今はヴェルカ公爵夫人も手一杯ですし、仕方がないのでしょうが」


「あらあら、そうなの~?」


 ルルシラはうっすら苦笑した。


 フィオラが味方にしたい相手をかき口説き、必要とあらば寝ているというのは、最早暗黙の了解だ。

多少情報通であれば誰でも知っている。


そしてその方法で味方にできなければ、陥落させた相手を使って排除に動くのだ。

彼女がここで上り詰めるまでの数年間で、それは何度も行われてきた。


ただルルシラは、フィオラ自身はそれが好きではないと見ている。

だが、彼女の最大の武器がそれなのだ。


 野望のために、身を守るために、使いたくもない「女」を使わざるを得ない。

ルルシラはそれを、哀れと感じるのだ。

彼女は情報集めという目的もあるが、大部分は好きで遊んでいるから。


「それから……帝国からの新たな使節団と贈答品が、王都の近くまで迫っていると。

あの方もご一緒に到着するそうです。

ですから、公爵家の騒動の決着も近いでしょう」


「……へ~え、そうなの♡いつもありがとう♡」


 情報交換を終えたら、軽くキスをして別れる。

今夜だけで五回は繰り返した情報収集だった。

まだ誰かいるだろうかと、踏み出そうとした時だ。


「こんばんは、ライエラ侯爵夫人。少々お話できますか?」


「は~~い……えっ、」


 聞こえたのは帝国語だった。

そして、亜麻色の髪をしたその男の顔に、ルルシラは一瞬目を見開いた。


見覚えのある顔だ。それもここ二、三年の話ではない、それこそジディスレンに嫁ぐ前から、よく知っている。


「……え~……何で、ここにいるの~?」


 帝国の礼装姿の、一目で王妃派と知れる男はそれに答えず、微笑んでルルシラに賛辞を贈る。


「本日もお美しいですね。

そのドレスも素晴らしいお仕立てです。

いつもながら、貴女の感性と審美眼には感服します」


「……ありがとう♡馴染の職人に作ってもらったんです♡

興味がおありなら紹介しましょうか?」


「それは素敵ですが……遠慮しておきましょう。

残念ながら僕の意中の方は、そういうものを絶対にお召しになりそうにない方なので。

それどころか、怒らせてしまいそうです」


「…………」


 察した。ルルシラはにっこりと微笑み、考えを巡らせながら、


「……お願いはな~に?」


「さすが、話がお早い。

……是非秘密裏に、宰相閣下にお会いしたのです。

機会を整えて頂けますか?

無論、それ相応のお礼を致します。


 如何でしょうか。中立派の中枢であられるライエラ侯爵夫人ならば、おできになるでしょう?」


「…………ん~……そうね~……」


 ルルシラは微笑んだまま首を傾げる。

確かに、それ自体は難しくはない。

けれど考えなければいけないのは実現性ではなく、それが侯爵家にどのような影響を及ぼすかだ。


 彼女は帝国出身の貴婦人にしては珍しく、祖国や実家の利益よりも、婚家の安定を重んじる人間だ。

それもあって、実家から男子を産めだの跡継ぎの母になれだの催促されようが、夫を籠絡しろと指示されようが、全て無視して遊び呆けてきた。


 けれど、この相手の要請を断るのは難しい。

……というか、流石に寝覚めが悪い。

断った場合、実家が被るかもしれない災難を思えば。

業突く張りの家族だったが、そこまで恨みがあるわけでもないのだし……


「……分かりましたあ。お任せ下さいな♡」


 結局ルルシラは、帝国語でそう答えのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ