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取捨選択式情報問題難易度MAX☆②

浮かれ女が漏らす情報に気づかない男が一人~♪

この程度、読み取れないようでは貴族社会で生き残れないわよね☆

(by亡霊姫★)

「…………」


 一人になったルルシラは扇を傾け、考えに耽る。

男に言おうか言うまいか迷っていたことがあったが、結局言わなかった。


「……王妃陛下はねえ、王妃宮……つまり私的な領域では、帝国人しか寄せ付けないのよ。

帝国の侍女、帝国の侍従、帝国の医師……ほんと、びっくりするくらい徹底されてる。

その内側の、大事な部分は、ジディスレン人が外部から覗き込めるものじゃあないわ」


 そう。王妃との密かな絆を噂されている騎士でさえも、そこには立ち入れないのだ。

寵姫派の貴族たちは醜聞の煙を巻き上げようと躍起になっているが、ルルシラの勘では、王妃とあの騎士の間に醜聞になることなど存在しない。それどころか――


 知らせなかったのは、信義を欠いた行為だったかもしれないと、少しだけ思う。

彼女は彼の事情を知っていた。

彼の妹シルビアが――今はグラフィナ家へ嫁いでいる彼女がランドルフから、そして寵姫フィオラから受けた仕打ちも、貴族社会の荒波に揺れるお家事情も全て承知していた。


 寵姫と寵臣の、道に背いた恋。

誰でもしている――とは言わないが、珍しくもないことだ。

表面化さえしなければ、それで良かったのに。


 ランドルフはそのことによって王都を離れ、辺境の戦いに向かわざるを得なくなった。

婚約者であったシルビアも立場を失い、不幸な結婚をさせられて、実家諸共元凶とも言えるフィオラに与さなければならなくなった。

そんな彼らにとって、風向きが変われば転向したくなるのは当然と言える。


「誰も彼もが不器用なだけだった――それで、全てが許されるものならばねえ」


 与えられた情報に、十分な対価を返さなかったことは、彼女自身の我儘で、私情としか言いようがない理由だ。


「……ま、いっか♡あれで分からないんならそれまでだものね♡」


 ルルシラ自身、確信は持てていないことだ。

それが正しければ、明るみに出るのも遠くないだろう。

そうなれば全部、悪あがきの時間稼ぎでしかなくなる。

俯きがちの表情に扇の影が落ち、そこにあるものを見えなくする。


「…………ふふ、どうなるのかしら」


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