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取捨選択式情報問題難易度MAX☆

浮かれ女、とぼけるのがうまいわねえ☆

バカなふりして実は…なーんてね♪

(by亡霊姫★)

「それはもう、さすがの皇女殿下って感じよね~~♡

相変わらず、すっっっっごく素敵だったわ~~♡


 いつも通りの帝国風でいらしたのだけれど、伝統一辺倒ではない革新の美を感じたわ♡

先日の集まりでお召だったルーマ・デイローズ型ドレスはそもそも現皇后陛下が二十年前の夜会でお召になってから主流になったものでね、だから王妃陛下の祖母君が元祖なのよ♡


 ルーマ・デイローズの特徴は、何と言ってもコルセットが無しなこと!

春からずっとそうだけど、王妃陛下はそういう型がお好きなのかしら?

胸の下で切り替えてそのまま流して、代わりに首元・袖・裾部分を思いっきり飾るの♡

特に袖がうんと大きいから、肩口から袖先までの一体感や物語を醸し出すことが一番大事♡


それにコルセットをしない分、背筋から裾まで一繋がりで形を出す必要があるんだけどお、それを可能にするのがハザルティーユ発祥のフォル・テルエンヌ芯地構造!


でもねえこれはちょっとでもコーレル比が狂うと、バランスが崩れて溺れた白鳥になっちゃうから難しいの♡

下手な職人に任せると大失敗必至の危険なシロモノなんだけど、完璧な職人仕事だったわねぇ、特にドゥルシュ・ラインが芸術の域!

あれはマリネ・ド・カレ式の斜め裁ちでないとああは落ちないのよね。

ある程度重みのある生地でないと駄目なんだけどその選出も最高で、なんとサンティール・マースだったのよ!

通常の艶じゃなかったもの、あれは光を抱く絹だったわ。


しかも胸部のレース、あれは間違いなくトラン=ルーヴェ産のフィルグラン・アンティークレースだったわね!

近頃は偽物が多いけれど、あの織りの密度と沈んだ金糸の入り方、これは本物しか出せないのよっ!

それでもって肩から背中にかけてのエス・ル・コントゥール裁ち!!

あれで複雑微妙な立体感を出して、袖にはアーレードシルクの内張りと五層チュールで動くたびに裏地の金糸刺繍が覗くの~!


もちろん王妃陛下ご自身の立ち居振る舞いも完璧で、芸術的刺繍がますます映えていたわ♡でもでも、全体的な色味はかなり抑えているのよね!

よ~く見ればうっすら、ほんのり色づいた光沢があるかなってくらいに!

本来は紅とかの原色をふんだんに使って存在感を出すスタイルなのに、敢えて霞っぽく白っぽくしてあったの♡

だから華麗というよりむしろ、まるで月光のヴェールを被せたみたいな神秘的な風情があったわ♡

そうした理由は分かるのよ、ジディスレンの日差しは帝国よりもずーっと強いから、元の配色そのままだと果樹園の孔雀になっちゃうものね♡

でもそれだけだと全体の印象がぼやけてつまらなくなっちゃうから、そこはセンスの見せ所なのよ!

宝石の色味を敢えて重くしてトワリア第二変形のラザリウス・ヴァレで色彩調整をしていらしたけれど、これがまた絶妙な案配で素敵だったの~!


 分かるう?つまりはそういうことなのよ♡」


「……はい、分かりました。もう結構です」


 この女に期待した自分が馬鹿だった――そんな苦々しさが、ベルサード伯爵の顔にはありありと浮かんでいた。


「つまり王妃陛下は、お変わりなくあられると……汗一つなく、帝国のドレスをお召のままということですね」


「うん♡相変わらず、まるで絵画から抜け出たみたいに完璧だったわ♡

どうやって制汗してるのかしらね~気になるわ~」


 疲れた表情で相槌を打つ男をルルシラはにこにこと、けれど静かな目で観察する。


 この男は、名目上は寵姫派である。しかし、これまでの経緯から寵姫に恨みがあるだろうとルルシラは推察していた。


「…………ねえ♡王妃陛下のことが気になる?

あっちに行きたいって……ひょっとしてそう思ってたり?」


 甘く、柔らかい、花の蜜のような声に、子爵は、


「まさか。私は白ワインを手にする身ですよ」


 真意を悟らせない表情で、そう嘯いた。



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