透けては輝く光の束
波について語ります(2/3)
光です。
光の波は電磁界の
山も節もある横波
水面波と同じように
山も節もある横波
君の瞳が光の波長を何色かに捉えて
君の心に光の色が何気なく運ばれる
でも君は僕に気づいていない
透けては輝く光の束
君の瞳に映る
僕はただ見つめるだけ
光の波は空間を
最短時間で進む波
光の波は屈折で
最短経路を選ぶ波
君の髪が光の波長でピカピカと反射する
君の笑顔が光の色をキラキラと放つ
でも君は僕を気にしていない
透けては輝く光の束
君の瞳に映る
僕も何色かになろう
お読みいただきありがとうございます。
以下、本作に関する注釈です。よろしければでどうぞ。
注1: 「透けては輝く」
着色した透過光をイメージしています。透明な
ガラスの中に着色用の金属イオンを添加した
宝石のイメージです。
注2: 「光の波は電磁界」
二つ(複数でもよい)の電荷の間には静電気が
働きます。片方の電荷はもう一方の電荷に
電界という力を及ぼします。片方の電荷 Aが
振動したとします。すると、もう片方の電荷Bに
及ぼす電界Ebも振動します。電荷 Aの振動の
情報は、瞬時にBに伝わるでしょうか?いいえ、
光の速さで伝わります。つまり、電荷 Aに近い
場所から徐々にBに伝わるのです。そして、電界は、
電荷 AからBへ向かって、波のように振動して、
伝搬します(電界は AとBの間の電荷のない場所にも
実在します。その場所に電荷があったとしたら
その電荷が受けるはずの力が電界です)。電荷 Aが
振動すると言うことは、振動する電流がつくられて、
これが振動する磁界を発生します。磁界も電荷 Aから
Bへ向かって、振動して伝搬します。この伝搬する
振動を光(電磁波)といいます。光の進行方向と電界と
磁界の振動方向は互いに垂直です。進行方向と振動
方向が垂直なので横波です。可視光は、光(電磁波)の
うち、人の目が認識する振動数の領域内の光です。
*水面波は横波ではなく、縦横の合成波です。
注3: 「瞳が光の波長を何色かに捉えて」
波長λと周波数νとすると、波が一秒間に進む
距離はλνです。これが光速cに等しいので、
c= λνです。光速は一定故、周波数を決めれば、
波長も決まります。可視光は、人の目の3種類の
錐体に反応します。光の波長(周波数)によって、
各錐体の反応強度が異なります。3種類の錐体の
強度の比率で、人は色を区別します。3種類の
錐体は、色の3原色に対応します。光と錐体の中の
レチナール分子が光化学反応します。
注2の電荷 Aを発光体の中の電子、Bを人の目の
レチナールの中の電子とします。電荷Aの振動に
より光が放たれます。そして光(電磁波)が人の
目に届いて、電荷Bが振動します。この振動の
振動数が可視光内だと、レチナールの光化学反応が
生じて、人は視覚します(その後、視神経を伝わって
云々がありますが)。
電荷Aの振動が目の前のモニターからでも、
幾千光年先の恒星からでも、理屈は同じです。
化学反応は、また別の機会にとりあげます。
注4: 「最短時間で進む波」
光が屈折して曲がるのは、空気中の場所 Aから
物質の場所Bを最短時間で到達するためです。
屈折率の高い物質内では光は遅くなります。
空気中の距離を長めにとって、物質内の距離を
短めにとります。なので、屈折します。
以上です。次回(3/3)は電子の波で、来週を予定します。