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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悲観主義者でも空は青い

作者:無知無知
                  『ありがとう、大事にするね』
 その日は初めて彼女にプレゼントをあげた日だった。その日は初めてのキスをした日だった。
 その日が彼女と最後に会った日になった。

 人の心を読み、操ることが出来る特別な力を持つ孤独な少女、音羽唯。人間離れした身体能力を持つ少年、黒羽翼。二人は幼馴染だったが突然音信不通になり離れ離れになってしまう。翼は唯を懸命に探したが足取りを掴めなかった。
 八年が経過し諦めかけた翼の前に唯は突然姿を現した。しかし彼女は彼との思い出はおろか八歳になるまでの記憶全てを失っており、絶えず見せていた笑顔すら見せなくなってしまっていた。
 それから数ヶ月後、ある事件の影響で家を失った唯は翼とともに暮らすようになった。八年間の別離により生まれた距離は簡単には縮まらず、ぎこちない接し方しかできない二人。それでも翼は普段寂しげな表情をする唯が時折見せる笑顔に惹かれ、唯は翼の裏表のない人柄に触れ、再び互いに好意を募らせるようになっていく。
 けれど唯は記憶がないことへの不安や以前の自分との違いに苦しめられ徐々に不安定になっていく。あることがきっかけでついに精神の均衡を崩し凶行に走ってしまうのだった。

「もう一度だけチャンスをちょうだい。目覚めたときにはアナタが望んだ本物がいるから。私、頑張って演じてみせるから」

 妖しげな笑みを湛えて彼女は囁く。心の底から愛しいと、思いの丈を吐き出すように胸に顔を埋める。熱い涙が胸を濡らす。

                  「だから、ずっと一緒にいてね」

 
 
 カクヨム様にも投稿されているものです
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