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出発の時

第7話です


Jingle bells, Jingle bells, Jingle all the way

Oh, what fun it is to ride

In a One horse open sleigh

 『さすがに戦闘経験のない俺たちを戦場に送りだすわけにはいかない』、という王と先生の意向により一週間程度、近衛騎士団との戦闘訓練を積むことになった。


「ここだっ!」


「まだまだ、です、よっ」


「うそだろ!? これ避けるのかよ!」


「一本です」


 完全に背後をとったと思ったのに反応されてしまった。どんな反応速度してるんだよ。さすがは近衛騎士だ。というか俺、後衛職――かも知れない――なのになんで前衛の人戦闘訓練してんの? 普通、後衛の魔法職とか支援職の人と戦闘訓練するもんなんじゃないのか?


「なんで俺だけ、後衛職なのに前衛の人と戦闘訓練なんですか?」


「御安心ください、この後、後衛職との戦闘訓練もしていただきますので」


 『御安心ください』じゃないだろう。笑顔ですげぇこと言ったぞ。鬼畜か。


「いかんせん、あなたの職業は前衛か後衛か分かりかねますので、どんな場合にも対応できるようにという措置でございます」


「そ、そっすか」


 この後にまさかの追加訓練。これが一週間、やべーよ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 そんなこんなで一週間後、筋肉痛です。いや、正確には筋肉痛は回復魔術で治されて、痛みはないんだけど、精神的な苦痛が酷い。

 地獄のような近接訓練に加えて、後衛のサポートの仕方、術系スキルの発動の仕方と俺だけみんなの二倍の量覚えることが多くて地獄のような一週間だった。

 そして今回の訓練で、能力(スキル)“奇術”、“算術”、“話術”、“幻術”、“陰蔽”、“思考読破”、“思考誘導”、“言語理解”の効果が判明した。

 “奇術”――『手品・変化』

 “算術”――『高速演算・絶対解』

 “話術”――『討論・商談・軍勢鼓舞』

 “幻術”――『幻視・幻覚・蜃気楼』

 “陰蔽”――『気配遮断・透明化』

 “思考読破”――『思考読破』

 “思考誘導”――『思考誘導』

 “言語理解”――『翻訳・読解』

 ねえ、このスキル構成、どう考えても後衛じゃない? 絶対に前衛との戦闘訓練いらなかったと思うよ。本当に必要だった?


「どこ、見てるん、です、かっ」


「すみま、せん、ねっ。なんで、近接、訓練してるの、かなって。そこだっ!」


「残念。そんなこと、考えてる、暇が、あるなら、集中、しましょう。一本です」


 結局、一週間全く一本を取ることができなかった。


「この辺で終わりにしましょうか。さて、先ほど、なぜ近接戦闘をしてるのかとおっしゃられていましたね。実は私の職業(ジョブ)は、吟遊詩人(トルバドゥール)です。そして能力(スキル)“剣術”はありません。しかし、能力(スキル)“演奏”により周囲の音の変化によって気配を探り、近接戦闘を行っている、ということです。今までこの職業(ジョブ)に覚醒したものは限られており、文献も少ないものしか残っていません。さらに、この大本となる職業(ジョブ)歌人(シンガー)であり、同じく後衛職なのです。ゆえに、私と同様に資料のないあなたの職業(ジョブ)である道化師(ジョーカー)も同様である可能性がありますので、前衛と後衛両方の訓練をしていただいています。」


  能力(スキル)“剣術”を持っていないのにこの剣さばきということは、努力のみで身につけた剣術ということか。

  そして、この人と同じように情報がない俺の職業(ジョブ)だから前衛と後衛両方の訓練をやっていた、というわけか。

  それにしてもこのハードスケジュールは酷い。もう少し労ってくれ。そして、耐えている俺を褒め讃えよ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


  そして、特訓を乗り越えた俺たちはいよいよ王宮を旅立つこととなった。とは言っても、1日に全員が同じギルドに行ってしまうと怪しまれるので、東西南北に二つのパーティーが別れて、それぞれ6時間開けてから王宮を発つのだが。


「勇者さま、ご武運を」


「最善を尽くしますよ」


 そろそろ出発か。気を引き締めなければ。


「ツグミ、ハルユキ、ハナ、アカギ、ここからだぞ。引き締まっていけよ」


「ああ、分かってる」


「フッ、我らに不可能など無い」


「ええ、もちろんよ」


「うん、僕達ならできるよ」


 カズヤの一声で俺たちの気持ちはひとつとなった。


「それではよろしいですね? 開門!」


 門が開いた先には、活気に満ち溢れる街が眼下に広がっていた。

この話で、王宮編完結です。



数ある作品の中から拙著をご覧頂きありがとうございます。


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