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出発準備

パンパカパーン


第六話

 全員に武器の配布が終わり、俺たちは隣の小部屋に移動した。小部屋と言ってもさすがは王宮。バスケットコートくらいの大きさがある。


「これが小部屋か。まあさっきの大広間に比べたら小さいけどよ」


 和哉のつぶやきが俺たちの考えを代弁してくれている。


「何度も移動していただき申し訳ございません。では勇者様、聖女様、巫女の御両名、聖騎士様及び賢者様に先ほど、パーティー分けに関しての希望をとらせていただきました。そして、みなさまの能力を鑑みて分けさせていただきました。ではまずは仮称“Aパーティー”のかた――」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 そして自分と同じパーティーになったメンバーがこちら。


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《パーティー名》

 仮称“Cパーティー”


《リーダー》

 井上(イノウエ) 和哉(カズヤ)


《メンバー》

 井上(イノウエ) 和哉(カズヤ)

 早川(ハヤカワ) (ツグミ)

 内田(ウチダ) 春幸(ハルユキ)

 和泉(イズミ) (ハナ)

 金堂(コンドウ) 朱鷲(アカギ)


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 見事に古い付き合いのある奴らばかりになってしまった。おそらくカズヤが気を利かせてくれたんだろうけど。


「こっちの方が動きやすくて都合がいいだろ」


 カズヤが俺の心を読んだかのように声を掛けてきた。


「それもそうだな」


 気心の知れている相手の方が接しやすくていい。カズヤとハナは言わずもがな、ハルユキとアカギも小さいころから一緒に悪だくみをして、遊んだ(怒られた)仲だ。というかハナはカズヤと同じパーティーでいいのだろうか。ダメな気がするんだが。まあ、本人たっての希望なのだろう。

 ちなみに一之瀬姉妹は同じAパーティー、聖騎士の奴がBパーティー、賢者がDパーティーとなり、Eパーティーに我らが委員長、F、G、Hパーティーには先生が総監督としてつくことになった


「皆様パーティーメンバーの確認はすみましたか? では本日は解散となります。先ほどご案内させていただいた自室にてお休みください。それでは移動を開始してください」


 今度は迷子にならないようにせねば。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 今度こそ迷わずに自室に行くことができた。時間がかかった理由? 王宮の中を探検していたんだよ。決して迷子になったわけではない。メイドさんにまた案内されたのは気のせいだ。いいね?

 ずっと屋内の明るい場所にいたから気付かなかったけど、もう外は随分と暗いな。時計はこのあたりになさそうなんだよね。高級品だから全ての部屋には置けない、とかそういう理由なんだろう、しかたあるまい。月の形と位置からしておそらく7時から9時ってところだろう。誤差が二時間あるのは御愛嬌だ。

 部屋の明かりは電気っぽくないし、よくある『光の魔石に魔力を込めて光らせてます』とかそんなのだろう。にしてもこの部屋落ち着かないな。めっちゃ広いし二十畳くらいあるんじゃないか

 おれの日本で暮らしてた部屋なんて六畳くらいだったよ。それと比べたら三倍以上になったわけだ、落ち着くわけがない。しかしまあ、すぐ出ていくことになるだろうから心配ない。

 じゃあ明日に備えて、今日はもう寝るとするか。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


――チュンチュン――


 なんて音で目が覚めるわけがない。というか朝チュンって体験したことある人いるの? 絶対無理でしょ。あ、でもうちのばあちゃんいつも四時くらいに起きてたからあるかも。


「知らない天井だ」


 なんていうはずもなく。さすががに昨日どこで寝たかぐらい覚えてるよ。まだそんなに忘れるほどの年でもないんだから。忘れてたらやばいよね。ラノベの主人公は相当物覚えが悪いんだろう。

 というかさっきから足元の方で何かが動いている気配がするんだけど。まさか(ヤツ)じゃないよな。


「あ、起きられましたか。おはようございます」


 足もとで動いていたのは(ヤツ)ではなく、メイド服をきた金髪碧眼美少女でした。なんてこともなく、栗色の髪と瞳のメイドさんでした。日本にいたときだったらモデルさんとかやってそうだ。ただまあ、この王宮にいるメイドさんみんなかわいいから、ここだと平均的ってくらいだが。


「おはようございます。どうされたんですか」


「本日より“Cパーティー”のお手伝いをさせていただきます、ミソナと申します」


「手伝い?」


「炊事、洗濯、その他多数の身の回りの整備を目的としております。以後よろしくお願いいたします」


「あ、よろしくお願いします」


 身の回りの手伝いをしてくれるのか。ありがたい。俺たち男四人は掃除はともかく、料理、洗濯はほとんどできないからな。ハナは、まあ、そういうことだ。

 ん? でも、王宮での仕事はいいんだろうか。


「あの――」


「心配されなくてもかまいませんよ。実はこの仕事は私たちの間でも人気だったんですよ。めったに王宮の外に出ることができないので、楽しみなんです」


 やばい、『楽しみなんです』の時の笑った顔がかわいすぎる。こんなに可愛い人と一緒に旅ができるのか、役得すぎる。


数ある作品の中から拙著をご覧頂きありがとうございます。


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