武具支給
第5話ぁぁぁ
すいません取り乱しました
どんな武具がもらえるんだろうか、楽しみだな。
「和哉、俺らどんな武具がもらえると思う?」
「……ん? あぁ、どんな武具がもらえるんだろうな」
大広間への道すがら、俺ら2人は自分たちが、どんな武具を貰えるのか話し合いながら移動していた。
「皆様、到着致しました。これより武具の配布に移らせて頂きたいと思います」
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「皆様、武具は行き渡りましたか? 『装備』と唱えていただければ、装備するようになっております。又、装備した状態で、ステータスを開いて頂きますと、装備品に関する情報を見ることが可能です。そして、装備品などの確認作業をなさってください」
「「「“装備!”」」」
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《駆け出し奇術師のスーツ》
能力“手品”の発動が早くなる
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え、マジ? 効果これだけ? よっわ。そもそも俺奇術師じゃないし、能力“手品”なんて持ってないし。これ意味なくないか。どう考えても、雰囲気が奇術師の上位職っぽいから支給されただけでしょ。
「和哉、どんな武具がもらえた? ……ってなんだよそれ。めっちゃ光ってるじゃん」
和哉が手に持ってる剣がめちゃ光ってるんだけど。
「ああこれか? なんか装備したら光りだしたんだよね。なんか“精霊の剣”とかいう剣らしいぞ」
「へー、銘は何か書いてある? “エクスカリバー”だったりて。そんなわけないか」
「“グラム”だって。単位みたいだな」
は? 今“グラム”って言ったか、こいつ。
「なあ和哉、今“グラム”って言った?」
「ああ、そういったぞ。なんかあるのか?」
……もしかすると、もしかするのか。
「俺が考えているものと同じものなら、それは魔剣だ」
「え、どういうこと?」
「簡単にまとめるぞ」
「ああ頼む」
「その昔、――」
―――
――
―
その昔、主神オーディンが自らの後継者を選ぶため試練としてリンゴの木に剣を突き刺した。
これを抜いて見せたのが、シグムントであった。
以後、オーディンらの加護を受けた剣を用いて数多の戦に勝利していった。
しかし、その後の戦にて優勢に進んでいたところにオーディンが現れ、剣が折られてしまった。
すでに老齢であったシグムントは剣を失い命運が尽きてしまった。
そこで妻であるヒョルディースに剣を託し、「その剣から新たな剣が生まれるだろう」と遺言を残し息を引き取った。
時は立ち、そこでは魔竜ファフニールが暴れていた。
シグムントの息子シグルスは、ファフニールを討伐するため、優秀な剣を探していた。
そんな中、父が残した剣に目を付けた。
シグルスは、父の遺言通りに鍛え直し新たに剣を鍛えなおした。
鍛えなおされた剣の切れ味と破壊力はすさまじく、ファフニールの鱗をたやすく切り裂くほどだった。
ファフニール討伐後も、シグルスの愛剣となり、彼を支えた。
彼の最期の時には、彼を殺した刺客に投擲され、刺客の体を腰から真っ二つに切り裂いた。
そして、これらの剣は“グラム”といった。
―――
――
―
「――って感じだな。まあ、あくまでも俺らのいた世界ではって感じだが」
「なるほどわからん」
「……すごい剣って思っとけ」
「わかった」
いいなあ、神話級の武器がもらえて。俺なんかただのスーツだぞ。ほかのみんなはどんな感じかな。武器、武器、武器、武器、防具、武器、生産道具、防具、防具、武器、エトセトラ、エトセトラ。
おお、一ノ瀬姉妹は錫杖か。それっぽいけど確か修行僧が使うやつじゃないか、あれって。まあ、ロマンがあるからオーケー。で、春幸は……何か変わったか? いつもどおり白装束だし、右腕には包帯巻いてるし、やっぱいつもと変わらんな。ほかのロマン武器は、チャクラム、手裏剣、仕込み刀とかあるな。バリスタとか絶対扱いに困るだろ。場所とるし、重いし。
「さて皆さま、確認はお済みですか? 確認作業が終了次第、こちらのドアより隣の部屋に移動してください。今後の活動におけるメンバーの発表をいたします」
さて、確認作業はすでに終わっているし、移動をするか。
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