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ピエロは嗤う  作者: ネギ鮪パラダイス
ギルド編
30/30

幻影

お久しぶりです。


立て込んでおりましてなかなか更新が進められません。


来年度までは遅くなりそうです。


第一話を少し修正しました。(6/18)


頑張って2,3ヶ月に1回程度は更新しようと思っております。

 人間というのは良くできているもので、やろうと思えばなんとかなるらしい。

 というのも、俺の目の前にはボロボロの岩竜(ワイバーン)の死体が転がっている。もっとも、それ以上に俺の体はボロボロだが。服のあちこちが切り裂かれ、原型をとどめていない。よく漫画である、大事なところだけ隠す服のようだ。

 俺と岩竜(ワイバーン)との死闘は割愛だ。思い出すのも辛い。

 ただ、これだけは言える。俺は、とことん英雄的であった。


――ピッポーン――


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《Result》

Success


報酬 の 付与 を 開始し ます

しばらく お 待ち くださ い


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 いよっ、待ってました。これがあるから戦ったんだ。でなきゃ、苦しい思いをしてまで戦わない。

 待つこと数秒。俺の体が不意に光だした。


「なんだ!?」


 痛くは……ないな。だが、体の奥がなんだか熱っぽい。風呂上がりのような、そんな感じだ。


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能力(スキル) の 進化 に 失敗し まし た

追加 の Quest を 実行し ます


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 待て待て。失敗だと? 追加のクエスト? メンドクセー。今の時間なんだったんだよ。いや、本当に。最初から、必要な条件調べとけよ。文句を言ったところで変わる訳でもないんだけどさ。まあいいや。グズグズしてたってしょうがない、やってやろうじゃないか。


ーーピッポーンーー


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《Emergency Quest》

独別幻影(ドッペルゲンガー) の 制圧


《報酬》

特記無し


Quest を 開始し ます

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 討伐でも勝利でもなく、制圧か。ということは、岩竜(ワイバーン)よりも格上と見ていいだろう。もしくは、不死(アンデッド)か。

 少なくとも、現状の俺では討伐できる見込みはほぼない、と考えていいだろう。

 そして、名前から推測するに、誰かの鏡写しのような敵が現れるだろう。最悪なのは見知った人たち、最高は魔物、といったところだが果たしてどうかな。

 そんなことを考えていると、目の前にマネキンが現れた。

 拍子抜けだな。もっと戦いにくそうな相手かと思ったが。


「あ、いや。そんなこと無さそうだ」


 蠢きながら粘性体(スライム)になったり、岩竜(ワイバーン)になったりと、形を変える。そして最終的には――


「俺かよ」


 流石、ドッペルゲンガー(・・・・・・・・)というだけある。外見は俺と瓜二つだ。俺がもし一卵性双生児だったらこんな感じだったのだろう。


「あとは、どこまで俺と同じで、どこから俺と違うのか、だな」


 能力(スキル)までコピーされているのか。それとも、見た目だけの見かけ倒しなのか。或いは、完全に俺の上位互換なのか。只、『制圧』と言うからには、甘く見積もって俺と同程度、或いはそれ以上の強さと見ていいだろう。少なくとも、岩竜(ワイバーン)以上だな。

 体力と武器の耐久の心配はしなくていい。さっきの岩竜(ワイバーン)戦で分かったが、ここの空間での消耗は無いようだ。


「とりあえずは、様子見だ!」


 気合を入れるための掛け声とともに、“鬼札”を投げる。

 独別幻影(ドッペルゲンガー)は指をならしトランプを消し去る。


「なっ!?」


 かわされることは想定していた。だがしかし、消されるとまでは思わなんだ。


「だったら……、“幻札(フラッシュ)”」


 これは岩竜(ワイバーン)戦で考えた技で、“鬼札”に能力(スキル)“幻術”を付与したものだ。能力(スキル)の効果で相手は“鬼札”の位置を誤認する。そこで、避けたと思ったところをズドンだ。岩竜(ワイバーン)には有効だったが果たしてどうかな?


「“変化(チェンジ)”」


 これもダメか。“鬼札”を花に変えられてしまった。これが通じないようじゃ、勝ち目は少ない。それに、“変化(チェンジ)”は現状の俺では一度触れてからでなければ発動できない。それを触れることなく発動したということは、確実に俺よりも格上。下手したら、シュンさんレベルかもな。

 勝つという考えは捨てなければな。


「もウ、よいノカ? でハ、こちらカラゆクゾ。“変化(チェンジ)-粘性体(スライム)”」


 “変化(チェンジ)”を自分に発動するのか。そういう使い方もあるのか。勉強になる。こんな状況じゃなかったら弟子入りしたいところだ。

 おっと、あれはまずい。捕食の予備動作だ。


「“陰蔽:自己”」


 能力(スキル)“陰蔽”は極論を言えば、ただ影を薄くするだけの能力(スキル)だ。暗殺など、気が付かれずに行動を起こしたい時に重宝される能力(スキル)なのだ。つまり、一言で言えば戦闘向きでは無い。それはそうだ。目の前にいる人物を視界に収め続けているのに、見失わないわけが無い。

 だが、相手が粘性体(スライム)ならば話は変わる。粘性体(スライム)は触覚以外の五感を持たないのだ。

 その一方で、粘性体(スライム)などの一部の魔物は、魔覚と呼ばれる感覚器官を持つ。これは、周囲の魔素濃度を感知する器官であるらしい。

 一見万能に思えるこの器官だが、当然欠点もある。それは、ものと空間の区別がつかないのだ。魔素が濃い場所と薄い場所があった場合、たまたま偏っている空間なのか、一方に魔素を含む物体があるのかまでの見分けがつかない。ならば、周囲と同化してしまえば――


「チッ、考えたナ」


――攻撃を辞めさせてしまうことが出来る。しかも、変化も解除できるとは。主はぬ副産物を得た。


「シかし、忘れてハいるまイナ。我ハ独別幻影(ドッペルゲンガー)ゾ。幻影を生ミ、幻影を生きルモノ。ソの機転に敬意ヲ表し、全力を以テお相手いたソウ。篤と見ヨ!」


 その言葉を皮切りに、独別幻影(ドッペルゲンガー)の攻撃は激しさを増した。

数ある作品の中から拙著をご覧頂きありがとうございます。


よろしければブックマークと感想並びに、☆をよろしくお願いします。

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普通★★★☆☆

面白かった★★★★★

と言った具合でいいので


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