The Other Side (Side:アカギ)
四日目
――サァー――
風の音がする、何でだろう? 部屋にいたはずなのに。そうだ、ククルさんに特訓をつけるといわれて意識を失ったんだった。
ぼんやりとした頭でそんなことを考えながら目を開けると、僕は森の中にいた。
「やあやあ、いらっしゃい。まずは、ボクがどこにいるのか見つけてみてよ」
ククルさんの声が聞こえたと思うと、突然そんなことを言われた。見つけてみてよと言われても、辺り一面見渡す限り森、森、森。全く見つけられそうにないのに。
手当たり次第探すべきかな? でも、それだとただ体力を所望することになりそうだしなあ。それに、体力があまり無い僕にとっては悪手だ。
「がむしゃらに探すだけじゃ見つけられないよ。自分に何ができるのか考えて行動しなくちゃ」
僕に何ができるか、かあ。何かこの状況で使えそうな能力はあったかな?
「“ステータス”」
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《名前》
金堂 朱鷺
《職業》
司書/斥候
《能力》
解体
写本
観察眼
投擲術
短剣術
風魔法
情報管理
音源探知
言語理解
言語翻訳
《加護》
風の精霊の加護
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うーん、改めてみるとよくわからないステータスだよね。何で、司書なのに斥候でもあるんだろう? 僕に両方の適正があったって言うことなんだろうけどね。
そんなことよりも、ククルさんを見つけないと。
ククルさん曰く、僕が何ができるかを考えるべきってことだけどこの能力で何かできることあるかな?
そうだ! 確か、コウモリとかイルカは音でものを見てるんだったよね。僕にも同じことができないかな。
“風魔法”で風を起こしてみて、“音源探知”で音が鳴ってない場所を探してみるとか? とりあえずこれでやってみよう。
「“微風”からの、“音源探知”」
――サァー――
「うっ」
駄目だ、音が聞こえすぎて頭が痛い。
でも、収穫はあった。“微風”の影響を受けなかった地面からは音がしなかった。つまり、成功ではあるということだ。
「もう少し改良しないと」
どうするのがいいのかな。一定の方向に向けて“風魔法”を撃つ? そうすると時間がかかるし、ククルさんが移動すると見つけられないからなあ。
「むむむ……、難しいな」
そういえば、能力“情報管理”の効果は『保管・収集・破棄・統制』だったはず。これなら、要らない情報を削ぎ落として負荷を軽くできるかもしれない。
早速実践してみよう。
「“風魔法-微風”、“音源探知”」
うっ、また頭が。
「“情報管理-破棄”」
頭痛が引いてきた。これならまだまだできそうだ。
これは葉っぱこれも葉っぱ、これは蛇、これはリス、これは人形。ククルさん、自分の人形を置いておくなんてずる賢い。これだと、闇雲に探しただけだと見つからなかったかもしれない。あ、また人形だ。
「まだ見つからないかあ。もっと範囲を広げるしかないね」
そのまま、数十秒間範囲を広げ続けたところ、人型の生物が見つけれた。
「これかも! でも少し遠いな。歩いて向かうと、その間に移動されちゃいそうだし……」
それに、動きながら位置を捕捉し続けるとなると大変だし。
方法としては、アリエラさんがご飯を浮かしてたときみたいに僕が飛んでいってみるとか? 幸いここは森だから、低いところを飛べば失敗してもそんなに怪我はしないはず。それに、僕自身の体力はそんなに消費しないからきっとできると思う。問題は魔力の制御だけど、能力“情報管理”で魔力を制御すればなんとかなると思う。
そろそろ位置を捕捉し続けるのにも疲れてきたから、一気に飛んでしまおう。
「“情報管理-統制”、“風魔法-飛翔”」
やった、できた! 早速飛んでいこう。れっつごー!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
確か、ここら辺のはず。うん、ここだね。
怪我しないようにゆっくり降りて、と。
そして、ここの木の洞のなかにいるはず。
「ククルさん、見つけました」
「お疲れ様。思ってたやり方とは違ったけど、結果は成功だ。よくやったね」
「ありがとうございます」
褒められて少し嬉しくなった。
「うん、いい感じだね」
今、ククルさんの目の色が変わっていたような気がする。能力“精霊眼”を使ったのかも。
「君の創意工夫のおかげで、あと少しで能力が進化しそうだね」
「進化、ですか?」
「そう、進化。一口に進化と言ってもいろんなタイプがあるんだけどね。例えば、一つの能力がどんどん上位互換のものになっていくタイプとか、他にもいくつかの能力が統合されていくタイプとかね。君の場合、今回は後者みたいだ」
へぇ、能力の進化なんてあるんだ。僕の場合どんな風になるんだろう? 今回使ったのは、“風魔法”、“音源探知”、“情報管理”だから、これのどれかとどれかがくっつくのかな?
「まあ、どんな進化するのかは進化したらわかるよ。さあ、進化するまでは特訓をするよ。特訓フェーズ2だ」
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