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ピエロは嗤う  作者: ネギ鮪パラダイス
ギルド編
26/30

The Other Side (Side:カズヤ)

二日目です

 ギルドマスターに特訓をつけてもらえることになったのだか、いったいここはどこだろうか。日本にいたときに写真で見たような気がするんだけどな。闘技場だったか?


「ツグミならすぐに順応できるんだろうな」


 ツグミとは小さいときからの付き合いだが、あいつには到底敵わないような気がする。スポーツでも、勉強でも、そして恋愛でも。常に俺のを一歩先を行く、俺の憧れだ。

 それなのに、どうして俺が“勇者”になってしまったのだろう。ツグミの方が俺よりも優れているのに。ツグミの方が俺よりもふさわしいのに。

 だからこそ、怖い。

 ツグミに見放されることが。ツグミが評価されないことが。誰よりも優れているのに誰よりも優しいから、自分が目立とうとしないツグミの心が壊れてしまうことが。

 ツグミを失ってしまうことが。


「どうして俺が……」


 弱いな、俺は。ツグミに頼りすぎてる。

 でもこんなんじゃダメだ。しっかりと“勇者”に名前負けしないように、あいつら四人の“勇者”になれるようにならなければ。


「皆様、ようこそ御越しくださいました。司会の今宵も魔物と人との、或いは人と人との殺しあいを篤と御覧ください」


 席が埋まってる? さっきまで誰もいなかったのに。

 というか、殺しあい?


「さあ、最初のバトルはこちら! 血で血を洗う血みどろの戦い。死にたくなければ勝利せよ! 『最終血戦(ジェノサイド)』! 初戦は好カードだぁ! まずはこの男、前回王者【鮮血】のワリア! 前回大会では一太刀も浴びず、体が相手の返り血で赤く染まったが、今回はどの様な戦いを見せてくれるのか! そして、相対するは異界の“勇者”カズヤ! “勇者”の実力とはいかに? 激しい戦いが予想されます!」


 嘘だろ、これが特訓なのか? 仮にこれが特訓だとしてもしこの世界で死んだらどうなる? 俺の意識は戻るのか、或いはそのまま意識が戻らないのか。

 どちらにせよ確かなことは一つ。この世界で俺は、何かしらの成長が見込めると言うことだろう。

 只、その成長に必要なことが殺しなのか、はたまたこの場から逃げ出すことなのかがわからない。


「よう兄ちゃん、どうしたびびってんのかァ? 俺様に殺されたくないなら、今すぐこの場から逃げ出すことだな。まぁ、出来るもんならなァ!」


 くそっ、訳もわからないまま試合が始まってしまった。

 こいつ、前回王者と言うだけあって的確に俺を殺しに来てる。城での訓練が活きてはいる。ただ、攻撃が激しすぎて避けることだけで精一杯だ。


「どうしたァ、避けるだけか? 異界の“勇者”も大したことねえなァ。そんなんだと、お前のお仲間も大変だな。こんな奴のお守りしなきゃいけなくて」


 我慢だ。ここで逆上したら相手の思う壺だ。

 こいつのスタミナ切れを待とう。そこで、こいつを降参させれば……。


「ッ!」


 危ないところだった。あと少し遅ければ、首をいかれてた。

 まだ、死んだらどうなるかの考察もままならないのに、死ぬわけにはいかない。


「おいおい、本当に大したことないな。殺し甲斐がない。まあいい。お前を殺したら、お前のお仲間で楽しむとしよう。一人や二人活きがいいのがいるだろ。女は犯してもいいな」


 は?


「あ゛? お前、今なんて言った? 殺す? 犯す? 巫山戯るなよ」


 俺の友達に手を出そうっていうのか。そうか。

 これが現実かどうかなんてどうでもいい。こいつは殺す。言ったことを後悔する間もなく殺してやる。


「いいねえ。そうだ、その目だ。殺しを覚悟した目。さあ、死合おうじゃねえか」


「五月蝿え! “光魔法-光剣(コウケン)”!」


 “光剣(コウケン)”は、俺が“光魔法”で作り出す実体のない剣だ。これならば受けられることなく、相手に一撃を叩き込める!


「なるほどな、“光魔法”使いか。流石“勇者”だ。だがな、甘いんだよ。いくらでも受け止めようはある」


 なっ!? 止められた! いったいどうやって。


「いいか、魔法の剣ってのはな、こうやって作るんだよ! “属性剣-火”」


 おいおい、マジかよ。でかすぎだろ。五メートルはあるぞ。


「魔法の剣はいいよなァ。重さがないからどこまでも大きくできる。こんなので死ぬなよ! 死ね!」


 いや、どっちだよ。

 そんなことを突っ込む間もなく、大剣が振り下ろされる。

 ヤバい、このままだと死ぬ。

 仕方がない、城での訓練では一回しか成功できなかった上に効果時間も短いが、一か八かだ。


「“精霊化-光”ッ!」

数ある作品の中から拙著をご覧頂きありがとうございます。


よろしければブックマークと感想並びに、☆をよろしくお願いします。

面白くなかった★☆☆☆☆

普通★★★☆☆

と言った具合でいいので


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