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只今、天界にいます
「はあ…」
俺は今、非常に最悪な気分で帰り道を歩いていた。
俺の名前は神ヶ谷祐也。一言で言うと男子高校生、一言で言わないと引きこもり予備軍の青春の敗北者である。
もう一度言おう、青春の敗北者である。
中学の頃からぼっちという自覚はあったものの、特に気にせずなんとなく毎日を過ごしていた。
だが、高校に入ってから1年と4ヶ月たったある日、突如変わった。
恋、しちゃったんですよ。
まあ今思いだしてみれば、自分でも顔を覆いたくなるような、キモい事この上ない豹変ぶりでしたよ。
一週間に1度美容院へせっせと通い、あの子と話すために会話シュミレーターを繰り返し、自分のイメージ上げをするためにいろんなことをしました。
そして「放課後校舎裏まで来てください」という手紙をあの子の靴箱に入れた決戦の日……!
まあ結果は見え見えだが、事の顛末だけ話すと…
「好きです!つ…」
「ごめんなさいっ!」
まあ、開始5秒で見事に振られたという訳である。
その後、目を腕で覆いながら泣く泣く帰り道をとぼとぼ歩くこととなり、今に至る。