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2-15 寮対抗宝探し 最終全体ミーティング

 

 早いもので、あの初デートから10日経過した。結局あの後、ウィルからはやっぱりリリーに散々連れまわされて大変だったという愚痴を延々と聞かされたよ。


 でも、そうは言いながらリリー自体の悪口を言う訳じゃないから満更でもないんじゃないかと僕は思っているんだけどね。




 さて、その話は置いておいて、今まで頑張って準備してきた寮対抗の宝探しイベントも残すところ10日余り。


 今は最後の仕上げの段階で、今日は主要な委員会とかが集まって状況確認と最終調整をするミーティングが開かれることになっている。


 場所は本棟にある大会議室という所で、ロの字型にテーブルが配置されていて、50人は座れそうだ。そして、壁際にも椅子があり、会議室全体では100人くらい座れてしまうのではないだろうか。


 そんな中、僕は書記なのでテーブルの方に座っている。テーブルに座っているのは上級生ばかりだから凄く居心地が悪い……。



 今日は自治団体からは生徒会、風紀委員会、保健委員会の3つと教師陣が数名、そして貴族連合というちょっと一癖ある組織の生徒達が来ている。


「皆集まったかな? それじゃあ早速始めようか」


 オルフィス副生徒会長が代表して進行している。こういった課外活動では教師陣は前に出てこず生徒に任せる方針になっているみたいだ。



「は~、また君が仕切るのかい? この場にふさわしいのはアリスだというのに侯爵家ごときがしゃしゃり出てきて恥ずかしくないのやら……」


「すまないな、エルフォン。事前にアリスの許可は貰っているから矛を収めてくれ」


 オルフィス副生徒会長が申し訳なさそうに答えているが、この文句を言っているのは貴族連合の代表エルフォン・アークライト。4年生のウィルディネアの代表で最初にオルフィス副生徒会長と戦っていた水魔術使いの凄腕の先輩だ。


 凄く、プライドの高い人で、セントリア聖王国のアークライト公爵家の長男なんだけど、王族以外の生徒を皆見下しているんだとか。


 なんだか、4年生版ゼルグスという感じだ。そうそう、そのゼルグスも貴族連合に所属していて、今は壁際の席でしきりに頷いている。



「ちょっと、毎回毎回うるさい男ね。オルフィス、いいからさっさと始めちゃって!」


「チッ、いつも横から減らず口を……」


 エルフォン先輩を罵ったのは風紀委員会の会長のエミリー・アラリオンという女の先輩で、これまたウィルディネアの4年生代表でアリス生徒会長と共に最後に残っていた先輩だ。確かヴァイザル王国アラリオン公爵家の長女だったと思う。だからエルフォン先輩も強く出られないのかな? というか、こんなに仲悪いのによく同じチームで戦えていたな……。


「ありがとうエミリー、じゃあ早速。まず生徒会の状況だけど、大方の準備は終わって、あとは先生達にヒントが入った宝箱を隠して貰うだけかな。他のみんなの状況も聞かせて欲しい」


「うちら風紀委員会も大体準備は終わったわよ。それぞれの寮生に風紀委員会の生徒がいるから見回りの割り振りとかもしたし、地形とかもちゃんと覚えて貰ったわ。あと、現地にも行って、強力な魔物が居ないかも確認しといたから安心して」


「いつも危険な仕事をして貰ってすまないね」


「いーの、いーの! 好きでやってるんだし、現地には武術委員会の脳筋共も連れて行ったから全然危険とかなかったしね」


 知ってはいたけど、風紀委員会っていろいろ体張ってるよな。リリーも忙しいって言っていたし、ありがたいものだ。って言うか武術委員会の人達を脳筋共って……。



「保健委員会も準備は大体終わっていますわ。仮設の診療所の準備も出来ましたし、回復薬や解毒薬などの数もかなり揃えたので、大怪我を負ってもちゃんと治療が出来ましてよ?」


「ありがとう、エマ。今回はビルウッドの森とは言え、魔物と戦うから怪我人は絶対出るからね。保健委員会が居てくれて本当に心強いよ」


 保健委員会の会長はエマ・シャティス。セントリア聖王国シャティス伯爵家長女で回復魔術の腕は国の中でもトップクラスだとソフィーから聞いたことがある。


 そして、この先輩、何がとは言わないけど、凄く大きい。ソフィーも大きいけど、エマ先輩のは服越しでも凄く強調していて、目のやり場に困ってしまう。というか、下心とかないから壁際から睨まないでくれソフィーよ……。



「ふん! 貴族連合に抜かりなどない。すべての準備は整っているさ」


「いつもすまないね」


 貴族連合って何をやっているんだろうって思ってたんだけど、どうも移動手段の確保とかいろいろ尽力してくれたみたいだ。貴族だけで出来ている組織で人脈は随一だろうからね。


「皆ちゃんとやっていて嬉しいわ。教師陣は明日にでもヒントが入った宝箱を隠してくるわね!」


 教師陣の方は代表してアルメリア先生が喋っている。あの驚異的な身体能力で取れない所に隠さないかが凄く心配だ……。


「ありがとうございます。……去年みたいに変な所に隠すのはやめて下さいね」


「う、分かってるわよ!」


 オルフィス副生徒会長は苦笑しながらお願いしており、アルメリア先生は気まずそうに返事をした。というか、やっぱり変な所に隠してたんですね……。



「さて、どの組織も準備は滞りないようで安心しました。では当日のスケジュールを含め、詳細を詰めていきましょう」


 その後、オルフィス副生徒会長が言ったように詳細の内容を詰めてこの会議はお開きになった。


 書記として内容をまとめていたけど、最後にエリザ先輩が会議のまとめや今後のアクションアイテムなどを簡潔に伝えているのは凄かった。書記も奥が深いなと改めて感じさせられた会議だったな。



お読み下さりありがとうございます。


すみません、最近筆が進まず、短めのものが多いです。

そして、キャラがどんどん増えてすいません……。

今日出て来たキャラ達は今のところ、そこまで活躍しない予定ですので覚える必要ないかもです。



さて、相変わらず拙い文章ですが、引き続き楽しんで頂けると嬉しいです。


それでは、また明日。


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