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2-13 日黒刀


 ウィルと僕の武器を買いに行く事を決めてから、その話をし出すとソフィーの機嫌が微妙に悪くなるので、この一週間はそんなソフィーを気にしながら過ごす日々となってしまった。


 うん、悪いのは僕なんだよね。だって、付き合ってからデートとかしてないのに、武器選びに行くって盛り上がっちゃんだからね。


 そう言えば、前世でも妹の機嫌が悪い時は同じように苦心していたっけ。なんだか、生まれ変わってもそういう根本の部分は変わっていないんだろうな。そう思うと、何だかソフィーの事が愛おしくなるので、この一週間は全く苦ではなかった。




 という訳で、今日はその武器選びの日で、僕達は朝早くから馬車に乗ってセルシアの町に来ていた。


 今日のスケジュールは事前に4人で決めていて、午前中に僕とウィルは武器を見に行って、その間にソフィーとリリーには好きに過ごしてもらう。そして昼食を取ってからは僕とソフィーがデートで、ウィルとリリーは別行動という事にしてもらった。


 何だか申し訳ないね……。



 そして、今まさに「ダンテの武器屋」に着いたところなんだ。


「ダンテのおっちゃーん! また来たぜ!」


 そう言いながらウィルは扉を開けて中に入っていく。


「誰がおっちゃんじゃー! ってお前さん達か。ちゃんとまた来たみたいじゃな」


「はい。今日は僕達の武器を買いに来ました」


 ダンテさんが相変わらずの仏頂面で迎えてくれた。ただ、面倒見がいいのはこの前来た時に分かっているので、この対応も愛嬌だと分かっているんだけどね。


「ふん、まずは好きに見てみたらいいわい」


「おぅ!」「ありがとうございます」


 ダンテさんの言葉に対して、ウィルと僕が返事をしてから店内の武器を見て回る。


 ウィルは槍が並んだ所を、僕は剣が並んでいる所を見ている。と、そこで珍しいものを見つけた。


「へー、魔剣なんてあるんですね」


 魔剣とは魔物を素材に作成した武器で、魔物の魔術回路をうまく利用することで、その魔物が使う魔術を使えるようにした剣のことだ。ただ、武器にする過程で魔術の威力は効果が著しく下がってしまうので、並の魔物だと武器としては微妙だし、強い魔物から作った武器は希少で恐ろしい値段が付くと聞いたことがある。


 しかも、使う魔力は自分のものだから適性がうまくマッチしないと魔術は発動しないというかなり扱い辛い武器なんだ。


 ただ、魔術回路を持たない人で魔力は持っているという例はあるようで、そう言った人が魔剣や魔槍、魔弓といった魔物から作った武器を使うことが多いらしい。


まぁ僕達の場合は、自分の魔術回路で魔術を使った方が圧倒的に効率がいいから、魔剣を使った方がいいかと言うと微妙なんだけどね。


「あまり大したものではないわい。元の魔物がそこまで強くなかったようで効果が微妙じゃ」


「そうなんですね。ただ、魔剣ってあまり見たことがないので珍しくて」


「ふん、偶々素材が入ったから作ってみたんじゃが、効果も微妙じゃから売れ残っとるんじゃよ」


 僕とダンテさんがそんな会話をしている間もウィルは槍を一つ一つ手に取って真剣に見ている。


「おい、おっちゃん! この槍って結構いいやつなんじゃねーの?」


 ウィルが持っている槍は一つの素材から刃も柄も作られている直槍で、重厚感が溢れている一品だ。


「なんじゃ、この前見とった槍にはせんのか? まぁいいんじゃが。その槍はアダマンタイトを入れた合金で作ったから重いんじゃが強度は折り紙付きじゃ。問題なく振れるんならそれでも問題ないと思うのぉ」


「へー、そうなんだな。最近自分の槍が軽く感じてるから、これくらい重い方がいいかな」


 そう言いながら、ウィルは槍を持って軽く振り回している。


「ほー、しっかり扱えてそうじゃな。ちょっと自然に構えてみぃ」


「ほい」


 そう言ってウィルは足を軽く開いて槍を持って構えている。


 そんなウィルの様子をいろいろな角度から見たり、時には腕や足を触りながら何かを確認している。


「ふむ。今日は夕方に帰るんじゃろ? 帰るまでに微調整しておいてやるから取りに来るんじゃな。というかお前さん達、金は大丈夫なのか?」


「おぅ! お金は何とかなるぜ。じゃあ帰る前にまた来るから調整しといてくれよ!」


 そう言ってウィルの武器は決まったみたいだ。普段のウィルの攻撃でも重さがあるのに、武器自体がさらに重くなると、今後は攻撃を受けるだけで大変そうだな……。



 そんなことを思いながらふらふらと歩いていると、ふと奥の方にある剣、というか刀が気になった。


「ダンテさん、これは?」


 その刀は刀身も含め全てが黒一色で作りは丁寧に見える。ただ、僕はその見た目と言うか雰囲気が気になっている。何というか、凄く惹きつけられるものがある。


「その刀はあまりお勧めせんぞ。作り自体はいい物なんじゃが、これまでいろんな人が使ってきて、終ぞ使いこなせる人がいないらしくてな。それで、うちに回ってきた武器なんじゃ。どうも持っているだけで魔力が乱されてうまく力が発揮できんとからしいの」


「そうなんですか……」


 そう言いながら、僕はその刀を手に取ってみた。


 するとどうだろう。魔力は乱されるどころか、シンと静まり返っていている。試しに魔力を練ってみたけど、凄くスムーズに動かすことができる。絶好調の時よりもスムーズかもしれない……。


「これは驚いた……」


 ダンテさんが僕の様子を見て驚いている。


「うん、凄く調子がよくなります。僕はこれにしようと思います」


 もう僕の中ではこの刀以外は考えられない。いつもは片手剣を使っているので、刀は使ったことがないが、直ぐに慣れるだろう。


「お前さんがそれでいいなら儂からは特に言う事はないわい。その刀の名は『日黒刀(にちこくとう)』と言う。手入れの仕方は教えてやるからしっかり覚えて帰るんじゃぞ」


「はい。ありがとうございます」


 僕はそうお礼を言って、その後、代金を払ってから手入れの仕方を教えて貰った。



 この日、僕は今後の人生の相棒とも言うべき武器と出会うことが出来たが、今の僕はまだその事を知らない。



お読み下さってありがとうございます。


すみません、今日は私事により投稿が遅くなってしまいました。

しかも短めになってしまい申し訳ないです……。


武器って設定を考えるの大変なんですね。

初めは魔剣とかにしようと思ったんですけど、それだとリリー達にも杖みたいな武器を持たせないと変だし、でも学園で皆武器持つって邪魔じゃない?とか考えだすと結局こんな感じになってしまいました。


いろいろ思うところはあるかもしれませんが、ひとまずこんな感じで行こうと思います。



さて、相変わらず拙い文章ですが、引き続き楽しんで頂けると嬉しいです。


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