表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/42

2-6 次回イベント


 武術の時間が終わり、僕達はそれぞれの課外活動に向けて別れた。ウィルは「ぜって~強くなってやる!」と言いながら早々と部活に掛けて行った。ソフィーとリリーも「またね」と言って自分達の委員会の友人の方に行く。


 僕達、生徒会メンバーもどうせなら一緒に行こうという事になって、レイ、クロエ、ユリアの3人と共に生徒会室に向かって歩いている。


「それにしてもレイさんは強かったですね~。私は一度も勝てませんでしたよ~」


 ユリアがニッコリと笑いながらレイを賞賛する。


「確かに凄かったな。まさかウィルが同級生に武術で負けるとは思わなかったよ」


「ははは。二人ともありがとう。実は試合中は余裕そうに装っていたけど、全然余裕なんてなかったんだよ。一歩間違えれば負けていたのは僕の方さ。まだまだ精進が足りないよ」


 僕の言葉に対して、レイが苦笑しながら答える。


「とてもそうは見えなかったけどな。とは言え、あのウィルに勝ったんだから相当だと思うよ」


「そう言えば、ギルとウィルは同郷だったね」


 レイもいつの間にかウィルを愛称で呼ぶようになっている。恐らく先ほどの試合の時からだろうな。


「あぁ。領地も近かったからよく両方の家を行ったり来たりしていたな。どうもお互いの父親同士が戦場で共に戦った同志らしくて凄く仲がいいんだよ」


 そうなのだ。ダンヴァルガン辺境伯領は魔族とよく衝突していたけど、今は大規模な従軍がお互いになくて少し落ち着いているから、あっちに遊びによく行った。ダンヴァルガン辺境伯も僕の父と同じく凄くいい体をしていて、その二人の模擬戦はレベルが高すぎて正直よく分からなかった印象しかない。


「へ~、そうだったのかい。道理で仲がいい訳だ」


「そういうこと」


「仲のいい幼馴染がいるっていいですね~」


 そんな会話をしながら生徒会室へと向かう。ちなみにクロエはほとんど会話に参加して来なかった……。




 *****



 生徒会室に入ると、僕達以外は誰もいないようだ。少し武術の時間が早く終わったからだろうな。


「おや、どうやら僕達が最初のようだね」


「そうだな。まだやる事がよく分かっていないから、先輩達を待つしかないな」


 レイの言葉に対して、僕が答えた。


「じゃあもうちょっとお話しましょうよ~。皆さんはお休みの日は何をしているんですか~?」


 ユリアが休日の過ごし方について聞いてくる。この学園というかこの世界の普通は週休1日なので、前世の週休2日とは違う。ただ、寝るのは早いし、1日の忙しさはきっと前世の方が大変だったんじゃないかな?


「僕はこの前の対抗戦に向けての特訓をしたり、図書館で調べ物をしたりしているよ」

「僕もレイと大体同じだよ」


 レイが答えるが、ほとんど僕も同じだ。対抗戦が終わって、やっと時間が出来てきている感じがする。


「そうなんですね~。クロエさんはどうですか~?」


「……私は大体図書館に居るわ」


 クロエは仕方なくといった様子で答える。


「へ~、図書館なら僕もよく行くけど、クロエを見た記憶があまりないな」


「……奥の方はあまり人が来ないから、そこで読んでいるわ」


「そうだったのかい。確かに奥の方には行ったことがないな」


 クロエの答えに対してレイが驚いたように話している。確かに図書館でレイを見ることはよくあるけど、クロエを見ることはほとんどない。まぁ偶に見るんだけどね。


「僕はクロエを見たことあるよ。確か、ゼクトだっけ?対抗戦で代表だったドワーフの男の子ともう一人女の子が近くにいたよね?」


「……えぇ、ゼクトとオリビアね。ゼクトは私の護衛、オリビアには身の回りの事を見て貰っているわ」


「ゼクトはクロエの護衛だったのか? 平民で王族の護衛とは凄いな」


 驚いた。確かに対抗戦の時のゼクトがクロエを守ることに徹していたのは単純に作戦だからだと思っていたけど、護衛なら並々ならぬ覚悟で守っていたことだろう。通りでなかなか突破できなかった訳だ……。


「そうよ。あの二人は私の自慢なの」


 えっ!? なんとゼクトとオリビアの事を語る瞬間、フッと笑顔が見えた。いつも無表情だから冷たい印象しかなかったけど、笑うとその印象がガラッと変わるな。本当に大事な人達なのだろう。


「へ~、みなさん図書館によく行かれるんですね~。私は数える程しか行ってないですね~。そう言えば、皆さんは町には出ないんですか~?」


 ユリアの言う町とはセントリア魔術学園の外にあるセルシアという都市のことだ。セルシアはセントリア聖王国の中で王都に次ぐ都市で、大抵の物はセルシアで手に入れることが出来ると聞いている。ただ、僕はまだ行ったことはないけど。


「僕は自分の国の主要都市だから昔から何度も行っているよ」


 まぁレイはそうだろうな。


「僕はまだ行ったことがないな。かなり大きな都市だと聞いたことはあるよ」


「うん、凄く立派な都市さ。是非、行ってみるといい。歴史的な建物も多いし、観光として行っても楽しめるよ」


「そうなんですよ~。いろいろ見る物があって全然飽きないんですから~」


 ユリアが凄く嬉しそうに話している。そんなに言われると凄く気になるな。ウィル達を誘ってみようかな。


 そんなことを考えていたら生徒会室のドアがガチャっと音を立てて開いた。


「ありゃ、今日は先着が居たんだね」


 どうやら入って来たのは3人しかいない書記の中の一人のミア先輩の様だ。


「ミア先輩こんにちは。1年生は授業が早く終わったので少し早く来ました」


 僕が代表して答えた。


「そうなんだね。 私は授業が終わるとすぐここに来るから大体一番乗りなんだけど、そうじゃないなんて新鮮!」


「ははは。僕達は今日だけですよ」


「ふふふ。まぁ私は一番に来ることが好きだから頑張ってるけど、ゆっくり来て良いよ。それにしても何の話してたの?」


「町のことについて話してたんですよ~」


「へー、セルシアの? そう言えば、最近新しく王都で流行ってるスイーツカフェがセルシアにも来たんでしょ? 行ってみたいな~」


「そうなんですよ~。 来て欲しいって思ってた所に来たので、1年のシルファリーの女の子達はその話題で持ちきりなんです~。私はこの前行ってきたんですけど~、凄くおいしかったですよ~」


「えー、いいなー。私も今度行こっ!」




 そんな何気ない会話をしている間に生徒会の先輩達が次々に生徒会室に入って来た。


 そして、最後にアリス生徒とオルフィス副生徒会長の二人が入って来た。


「やぁ皆。遅れてすまないね。次のイベントのことで教師達と少し話し込んじゃってね」


 お? 次のイベントか、何やるんだろう? この学園のイベントについては事前情報が何もないので、何をやるのか見当がつかない。


「あぁ、1年生達は次のイベントって言っても知らないよね?」


「はい、正直何のイベントがあるのか分かっていないです」


「うんうん、そうだよね。僕も1年生の時はそうだったよ」


 オルフィス副生徒会長の問いかけに僕が代表して答える。まぁサラザーヴァ同士だしね。


「ははは。次のイベントは『寮対抗の宝探し』さ」


 ん? 宝探し? ……何をするんだ?


 僕を含め1年生は皆頭の中に『?』が溢れている事と思う……。




お読み下さってありがとうございます。


なんか長くなりそうだったので今日投稿するために無理やり区切ってしまいました。

えっ!ここで終わるの!?って感じで終わっていて申し訳ないです。


そして、ほとんど話進んでなくてすいません。

第2章って結構長くなるかもしれないです……。


さて、相変わらず拙い文章ですが今後も引き続き楽しんでもらえると嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ