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1-13 学年別対抗戦 開会式

 

 闘技場から帰ってきた僕達は一旦別れて、体の汚れを流してから一緒に夕食を取ることにした。専門科目をどれにするかも話したいしね。


 汚れを流して着替えるとウィルもいつも通りになっていた。


「いや~、マジであの爆炎魔術はやべーな、うまくタイミング合わせて瞬雷魔術で避けないと余波だけであれだぜ?」


「そうだな。凄い威力だった。ただ、魔術を発動する直前は、それまでひたすら高めてた魔力量が一定になるから、それを合図に瞬雷魔術を発動させるといいかもね」


「その魔力の量を感じるのがよく分かんねーんだよ…」


 うーん、僕は普通に感じるんだけど、ウィルにはまだよく分からないみたいだ。僕は霧魔術を使ったときに相手の魔力が感じられるから、余計分かるようになったのかな?



 そんな会話をしながら寮の食堂に着いた。まだソフィーとリリーは来ていないから先に席に座って待っておくことにした。


 二人が来たのはそれから10分くらい経ってからだった。


「ごめん、ごめん、待たせたわね!」


「ギルくん、ウィルくん、ごめんね。」


「おぅ! オレらもさっき来たところだから気にすんなよ!」


 ギルがニッコリ笑って答えたのを見て、リリーが安堵しているのが分かる。なんか帰り道ギクシャクしている様な感じだったからよかった。



 その後、食事を取りながら専門科目の話になった。


「そう言えば、あんた達は選択科目って何にするのよ?」


「うーん、僕は薬草学と魔物学を考えてるよ。経済学や礼儀作法は伯爵家でいろいろ教えて貰ったからね」


「オレも薬草学と魔物学かな~。他はなんか性に合わなね~んだよな」


 うん、確かにウィルに経済とか礼儀とかって似合わないかもね。



「そういう二人は何にしようとしてるんだい?」


「あたしは経済学と薬草学かな。なんか面白そうだし」


「私は礼儀作法と薬草学にしようと思ってるんだ」


「あれ? ソフィーは実家で礼儀作法教えて貰わなかったの?」


「え、えっと、多少は教えて貰ったよ? でも片田舎の貧乏貴族だからきちんとしてるか分からないし、それに…」


 なんか最後の方はよく聞こえなかったな。


「そっか、まぁ知っていて損するようなものじゃないし、いいんじゃないかな?」


「で、でしょ!? うん、私頑張るから!」


 なぜかソフィーが礼儀作法に途轍もないやる気を出している。何か挙動がおかしいけどどうしたんだろう?


「ふふふ。この子ったらね…」


「ちょっとリリーちゃん!!」


 リリーが何か言おうとしたけど、慌てた様子でソフィーがリリーの口を塞ぐ。

 すごく赤くなっていて可愛いし、リリーが何を言おうとしたか凄く気になる。


「ん~!」


「き、気にしないでね! うふふふふ~」


「う、うん」「お、おぅ」


 凄く気になるけど、触れてはいけない話題な気がして、僕達は曖昧に返事をした。


 そんな感じで夕食を終えて本日はお開きとなった。




 *****



 その後、講義は必須科目と専門科目をそれぞれ行い、放課後は学年別対抗戦に向けて特訓を行う日々が続いた。


 相変わらず、ソフィーが礼儀作法を必死で頑張る理由は分からないけど、あれ以来、その話題は出さないようにしている。触らぬ神に祟りなしだしね。


 そして、学年別対抗戦に向けた特訓だが、かなりお互いのことが分かってきて連携もできるようになった。


 特にリリーの爆炎魔術の際に、ウィルが瞬雷魔術で回避をすることが阿吽の呼吸でできるようになったのが大きい。


 毎回、真っ黒こげだと締まらないしね…。


 ちなみに武術の時間は学年別対抗戦に向けてか、実戦形式は全くなく、基礎トレーニングや型の練習などが主だった。


 確かに自分達の手の内がバレたら対策も立てられちゃうから、こちらとしてもありがたかったりする。


 寮の中でも学年別対抗戦に向けて熱気が高まってきていて、先輩達が今年こそは!と一致団結していていい雰囲気だ。


 なんとか皆の役に立ちたいなという思いが日に日に強くなっていく。




 そんなこんなで遂に学年別対抗戦の前日になり、今日はサラザーヴァの寮生みんなで決起集会を行うことになっていた。


 集まったのはサラザーヴァの寮の談話室で、この為にテーブルやイスが隅の方に片付けられている。流石に寮生全員が集まると少し狭く感じるかな。


 全員集まった所で、寮長のオルフィス副生徒会長が前に出て皆の方を向いた。


「皆! 遂に明日から学年別対抗戦が始まる! 去年まで我らがサラザーヴァの結果は凄惨たるものだったが、皆この1年間よく励んでくれた。今年こそは我らサラザーヴァが優勝しようじゃないか!!」


「「「おぉーーー!!!」」」


 会場が熱気に包まれている。先輩達はかなりテンションを上げて学年別対抗戦に臨もうとしているようだ。その熱気に当てられて僕達1年生も盛り上がっている。


「さて、毎年恒例だが、学年別対抗戦の代表者達は前に出て、意気込みを皆に伝えてもらう!」


 オルフィス副生徒会長の言葉に従って、各学年の代表者達が前に出る。もちろん1年生の僕達4人も端っこに並んだ。


「まずは4年生からだね。代表して僕が意気込みを言わせてもらう! この3年間、僕達はアリス率いるウィルディネアに決勝戦でいつも敗北してきた。毎年この場で今年こそはと決意しそれでも負けて来たんだ。その雪辱を晴らすためにこの1年間、僕達は自分達の魔術を見つめ直し、改善させ、互いの連携に磨きをかけた。毎年言っているので何を今更と思うかもしれないが…、今年こそは僕達が勝つ!!」


 オルフィス副生徒会長が言い切った所で寮生の盛り上がりは最高潮に達した。


「いいぞー!! 今年こそは頼むー!!」

「お前達がサラザーヴァの代表だ!! 信じてるぞ!!!」


 凄い熱気だな。改めてサラザーヴァの代表になった責任の重さを感じてしまう。



 その後、3年生、2年生の代表が意気込みを喋った所で遂に1年生の僕達の番になった。前の方からサラザーヴァの先輩、同級生達を見渡す。


「1年生の対抗戦代表からは私、ギルバート・ウォリスが意気込みを言わせて頂きます。私達は入学してからまだ1ヶ月しか経っていません。しかし、この1ヶ月でサラザーヴァの一員になれたと心から思っています。ですので、明日からの対抗戦ではサラザーヴァの代表として恥ずかしくない戦いをして先輩方、同期の1年生達に報いて行くつもりです。目指すは優勝! そこに向かってこの4人で最善を尽くすつもりですので宜しくお願いします」


 僕が意気込みを語り終え深く礼をすると再び場が盛り上がりを見せた。


「いいぞ! 今年の1年には期待してんだからな!!」

「お前達、負けたら承知しねーからな!!」


 先輩も同級生も関係なく激励してくれる。うん、明日からの対抗戦、必ず勝とう!


 そう決意して、決起集会は幕を下ろした。




 *****



 翌日、僕達は朝の準備を終えて、学年別対抗戦の会場である闘技場に向かった。


 闘技場には既に多くの生徒が集っていて、対抗戦が始まるのを今か今かと待っている。

 それぞれの寮で固まって整列するようになっており、僕達はサラザーヴァの1年生がいる区画に向かう。



 これから学年別対抗戦の開会式が行われる。


 ちなみに学年別対抗戦は2日間行われ、1日目は予選で、2日目に3位決定戦と決勝戦がある。そして、2日間とも午前に1年生と2年生、午後から3年生と4年生の戦いが行われる。


 1年生の対戦相手は事前に通知されており、予選はウィルディネア、2日目はノーマンダスかシルファリーのどちらかと戦うことになっている。


 初戦で当たるのがウィルディネアで確定している為か、ここ数日間はウィルディネア代表のゼルグス達から嫌味を言われ続ける毎日だ。


 ちなみに今も遠くからこちらを睨みつけて来ている。後でまた嫌味を言われそうだ…。



 そんな若干憂鬱な未来を想像していると、教師陣が前の方に集まりだした。


 そして生徒も教師も全員が集まった頃、セルオウス学園長が少し高くなっている台に上り生徒達を見渡す。


 いよいよか、と皆一斉に静かになった所で、セルオウス学園長が口を開いた。


「諸君、今日は天気にも恵まれ最高の対抗戦日和となったのぉ。これから2日間、学年別対抗戦を行う訳じゃが、代表に選ばれた生徒は全身全霊で臨み、選ばれなかった生徒は是非、代表の生徒達を応援してあげて欲しい。この学年別対抗戦が今年の初めてのイベントとなるので、各寮とも一丸となって頑張るのじゃぞ。」


 その通りだ。この学年別対抗戦が1年間の最初のイベントなので、先輩達は幸先のいいスタートを切りたいと張り切っている。


「さて、代表の生徒達には事前に腕輪を配っているはずじゃ。その腕輪は儂の手製でな。一定以上のダメージは遮断し、その効果を発揮した瞬間、強制的に控え室に転移させる仕組みになっとる。じゃから戦闘中は絶対に外さないようにするんじゃぞ」


 僕は事前に配られた腕輪を見る。オルフィス副生徒会長達に機能の説明は受けていたが、まさかセルオウス学園長のお手製とは…。


 まぁなにはともあれ死ぬことも大怪我を負うこともないので、全力で戦うつもりだ。


「では儂はここまでじゃ。それでは皆のいい戦いを期待しておるのでな」


 それだけ言うとセルオウス学園長が台から降りる。



 続いてアルメリア先生が台に上がりルールやスケジュールなどについて説明していた。


 ルールは、制限時間は30分で、全員退場させるか、30分経った段階で人数の多い方が勝ち。もし同数なら審判の教員3人で多数決を取りどちらが勝ちかを決めるとのことだった。


 スケジュールはこの後、1年生の予選があり、初戦は僕達サラザーヴァとウィルディネアの戦いとなった。


 それぞれの代表選手は控え室に向かうように指示された。そして、その他の生徒達は全員観戦席に向かうようにとのことだ。



 僕達4人は指示された控え室に向かって歩いていく。


「おっしゃ! まずはオレ達が1勝してオルフィス副生徒会長達を安心させてやろうぜ!」


「そうよ! あたし達の実力を見せつけてやるんだから!!」


「うん、皆頑張ろうね!」


 ウィル、リリー、ソフィーが闘志を滾らせている。


「あぁ、いよいよだな。皆気を引き締めて行こう。まずはウィルディネアに勝つぞ!」


 僕も皆に声をかけテンションを最高潮に持っていく。



 さぁ、まずはウィルディネアとの戦いだ。


 一筋縄ではいかないだろうが、僕達が絶対に勝つ!!



お読みくださってありがとうございます。


いよいよ学年別対抗戦の始まりです。

やっと学年別対抗戦まで来ました。

このイベントで1章が終わる予定です。



相変わらず拙い文章ですが引き続き楽しんでもらえると嬉しいです。


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