プロローグ 前世の最後
はじめまして。naoです。
今回、初めての作品投稿になります。
タイトルとあらすじを読んで興味持った方は是非!
激痛の中で最後に想ったのは妹のことだった…。
*****
日本の片田舎の小学校に行っていた気がするから10歳くらいだったか。
僕には一つ下の妹がいたが、なぜか顔も名前も思い出せない。
でも、兄妹仲は非常に良かったことだけは覚えているんだ。
その日は特に変わった日という訳では無く、普通の日常だった。
僕達は三階建てくらいのアパートに両親と妹の四人家族で暮らしていて、両親は共働きのため、どっちも帰りが遅くなることがよくあった。
その日も両親共に仕事が遅くなっていて、母親が作り置きしてくれた夕食を二人で食べていた。
テレビは付けていたが、学校でのことや友人のこと、最近の流行りなど何気ない会話をしていたように思う。
週末に家族で旅行に行くことになっていたので、そこまでに何を買おうかとかも話してたかな。
その瞬間は突然訪れた。
はじめは少し食器がカタカタと音がするなぁという程度だったが、日本に居れば偶に地震はあるし、妹と顔を見合わせて、また地震かぁとか言い合っていたと思う。
でも、次第に揺れが大きくなっていき、遂に立てないくらいの強い揺れになった時、急いで二人で食事をしていた机の下に隠れたんだ。
ただ、机が簡易的だったこと、その後に倒れてきた棚が重かったことが重なり、僕と妹は押しつぶされてしまった。
あまりの激痛に僕も妹も呻き声しか出ない。
…怖かった。
このまま死ぬのかと思うとやりきれなかった。
将来はスポーツ選手になりたかったし、彼女とかも作って甘酸っぱい恋愛なんてのもしてみたかった。
両親のことは好きだったし、友達もたくさんいたし、人見知りの妹の頼れる兄貴になりたかった。
あまりの恐怖からお互い手を握り合っていたが、次第に意識が朦朧とする中、今は思い出せない妹が僕の名前をか細い声で呼んでいるのが聞こえる。
なんで僕達がこんな目に合わなければならないのか。
嫌だ!死にたくない!
そう思おうにも、僕の意識は次第に途切れていった。 …この世界の不条理を呪いながら。
ただ、最後に想ったのは、「妹と離れたくない」という純粋な思いだったことは鮮明に覚えている…。
数ある小説の中から本作をお読み下さりありがとうございます。
本作、初めての執筆なので至らない点が多々あると思いますが頑張って書き上げて行こうと思っております。
また、特に書き溜めているわけではなく、勢いで投稿しているので、「ん?」と思うところや、進行が遅いと感じる点があるかもしれません。
予めお詫び申し上げます。
それにつきまして、ご意見を頂けるととてもありがたいので感想などは随時募集させて頂いています。
それでは、拙い文章ではありますが、引き続き本作をお楽しみ頂けると幸いです。