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幼少期フィーネのぼっち化の謎と解答

 それからというもの、週5日はティナ姉が学校に行き、私は平日にお部屋で本を読むという日々が続いた。

 アンヌお母様はすっかり何かを察してくれたのか、私のことを全面的に信頼して留守を任せてくれている。

 ただし、日記は隠すようになったのか、部屋から見つからなくなった。残念。




 時々なのだけど、ゼイヴィアが遊びに来るようになった。

 どうやらアンヌお母様の友人が、ゼイヴィアの家ペルシュフェリア夫人らしい。そういうことなら、親同士が仲良くするためにも仲がいい方がいいんだろうね。


 ゼイヴィアは、学校の勉強をティナ姉に教えた後は、私と積極的に話そうとしてくる。

 同学年からしてみればひっじょーに聡明だけど、ちょっと背伸びしていることぐらいはさすがに分かる。年齢的には、私の方が遙かに上だからね。

 

 彼との会話は、決してつまらないわけではない。

 紳士であり、真摯である。優しい彼を邪険にする理由など、あるはずもない。

 だから私はいつも、ゼイヴィアとの会話そのものはそれなりに楽しんでいた。

 だって私、やっぱり乙女ゲームユーザーだし。基本的に攻略キャラ好きだし。

 そのキャラの幼少期と交流できることは、ほんっとーに楽しいのだ。




 でも、一日の最後に彼と別れる度に思ってしまう。


 ゼイヴィアも、いずれシンディを見るのだと。




 彼が向けてくれる笑顔が、ずっと私の方を向いているとは限らない。

 初恋とは実らないものだというし……段々と私の残念さを学習していくだろう。

 大人の頭で小学校の問題を解くのは簡単。中学校も、それなりにいける。

 だけど……高校の、進学高レベルの勉強を私が解けるかは分からない。


 その時に彼は、私にどんな目を向けるだろう。



 毎日のマナチャージを欠かさずに、私は日々を過ごしていた。

 特に友達がいるわけでもなく、家に籠もって遊ぶだけ。

 ……そう、友達がいないのである。誰も遊びに来ないし、誰の家にも遊びに行かなくてもアンヌお母様は疑問に思わない。

 ちなみにティナ姉は、普通に他の子の家に遊びに行っている。


 何故そんなことになっているのか。

 その理由を探るヒントは、近くにあった。


『10/13


 アンヌお母様が、お茶会を開いた。


 お茶会は女の子ばかり。男はいなかった。

 男の話を振ってみたけど、みんなあまり好きそうじゃない。

 ティナ姉は、お茶より食べてばかりだった。

 なんか、つまんない。


 お母様には、次から男を呼んでくれないと行かないと言った。』


 フィーネちゃん面食い!

 チョー面食い肉食系女子!

 早熟とかそんなレベルじゃないぐらいの男好き!


 ってことは、元々は友達との付き合いもあったんだ。

 アンヌお母様が、積極的に同年代の友達を作ろうとしていたのを、フィーネが断ったってことなんだね……。

 これも好意的に解釈してくれたりするんだろうか、アンヌお母様。後から後からボロが出るぞフィーネちゃん、ていうかマジでいいとこないぞ元フィーネちゃん。


 ……あれ、もしかしてフィーネちゃん、ご近所から見たら面倒な子?

 もうさすがに忘れ去られてるかな。嫌な言葉ぶつけたというより、わからなかったみたいな反応だし。

 でも、確かに現在は同性の友達らしき子は全くいない。おるすばん時のフィーネちゃんは完全に孤立している。

 そういえばゲーム中も、女の友達とか全くいなかったはずだわフィーネ。


 ま……まずい……! まずいぞ……!

 フィーネちゃん、このままだと完全にぼっちだ……!


 私は魔法の練習とは別に、もうひとつの目標を立てることにした。

 それは、学園デビュー。

 普通のちっちゃい女の子を演じきる!

 そして、普通の、ほんっと普通の女の子の友達を作る!


 私は気合いを入れ直しつつ、元のフィーネちゃんの負債に頭を痛めた。

 あとどれだけ、元フィーネちゃんのやらかしがあるのか……。

 さすがに、もうないと思いたい……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「普通の女の子になりたい!」 「「「どこが普通だ!!!」」」 こうですね!私よく分かりませんが(笑)
[一言] 人はそれをフラグと言う 彼女の指す普通の女の子とは一体……?
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