表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたに逢えた、ぼくは待ってる

作者: みなはら

あと何回会えるのかな。

ぼくはあなたの帰るのを待ってる。



夏に一度、冬に一度、あなたは家に帰ってきていたよね。


そのほかに、おとうさんと一緒に、ぼくも、何回もあなたのところに行ったんだ。



あなたと遊ぶのは楽しくて、

帰る時を待ってるんだ♪


おかあさんやおばあちゃんが、あなたの帰る時を教えてくれるから、

ぼくは朝から、あなたが帰るのを待っている。



あなたは嬉しそうな顔で帰ってきて、

ぼくが駆け寄ると、かがんでぼくの頭を撫でながら、

いつもみたいにぼくを抱き上げる。


ぼくが高いところが苦手なの、知っているよね。

そんなところは嫌いだけど、ぼくはあなたのことが大好きだったんだ。



あなたと出会ってから、


春や夏、秋や冬と、

何回も暑かったり寒かったりを繰り返して、

だんだんぼくは大きくなったんだけど、


近ごろ、疲れてくることが多くなったり、

胸が苦しくなることがあったりするんだ。


何だろうな?




はやく帰ってこないかな。

早くあなたと会って遊びたい。



いまはすぐに疲れちゃうけど、

でも、あなたと遊ぶのは大好きだから!


はやく帰ってきてね。

ぼくは待っているから!




ぼくは、ちょっと疲れたから、

少しお休みをするんだ。



あなたと遊ぶ夢を見て、

あなたのことを待ってる。



はやく帰ってきてね。



大好きなあなたとまた遊ぶのを、




楽しみに、






待ってる。







また明日、





あなたと、








遊ぶんだ。






―あとがきのようなもの―


やばい。まだ泣けるのですね(泣笑)

このお話は泣きながら書いてます。




自分の弟分の話ですね。

中高の頃にうちに来て、上京して進学、就職する時期に、家にいた座敷犬のことでした。



飼えなくなった親戚から預かって、子犬の頃から一緒に居たのですが、


ある時に心臓を悪くして、

その年の帰省中に死にました。



もう亡くなった父親と一緒に、ちょっと用事に出かけていて、

帰省はしていたのに、死に目には逢えなかったのです。




二人して帰ってきて、この世から居なくなったことを知り、絶句しました。


犬の名を呼んで身体をさする、父親の悲しげな背中は、まだ覚えています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ