1章 1『俺とカップラーメンとメールと』
朝起きる時のカーテンから射し込む光が苦手だ。
そもそも自分が起きる時間が朝と定義して良い時間なのかも曖昧なので言い直そう、
────俺【城谷 悠慎】は完全なるひきこもりである。
俺の人生は大学受験失敗から一気に失速した、勉強をやめてからはひきこもり、ゲームとネット三昧を惰性で過ごしてきた金がなくなれば親に貰い、もう人間としてはどうしようもなかった。
でも、頭は悪い訳じゃなかった。
少し受験前に遊んだだけだ、
何故そんなことをしたのかと聞かれると若気の至りだとかそんな感じだろう、
そして見事に受験に落ちた。
俺は努力しなくてもなんでもできてしまう才能ってのが
嫌いだ、どんなに努力したって届かないなんてそれだけでにやり場のない怒りが湧いてくる、
そんな事を言い訳にしてここまで過ごしてきたのが
俺という人間だろう、
「さて、今日の最新のイベントをチャチャッと周回しちゃいますかっと」
ひきこもりの割には整った部屋の中でも最も綺麗に整えられているPCデスクへ向かいいつも通りゲームを始める、
「あーやっべ、この周回イベ今日までだったかーまずはこっちを済ませなくちゃな」
本日の予定が定まったところで相棒のカップラーメンをすすりながら周回イベントをこなしていく、
───新着メッセージがあります───
「ん?」
ひきこもりにメッセージがくるはずもないのだが
好奇心から新着のメールを開くと
「読め。」
と書かれた下にURLが貼ってある、
「あからさまに怪しいよな、これ」
すぐさまメールを閉じようとするがマウスが言うことを聞かずにURLの所で静止している
「これ作ったやつ絶対性格悪いだろ...」
これ以上何をやっても埒があかないと思ったので
仕方なく開くとすぐさまサイトに飛ばされて文字が羅列されるページを開いた、
「『トガビト』?」
少しページを上下に動かすとライトノベルのような
内容だとわかったので少し読むことにした、
「おぉ..!中々面白いぞこれ!」
そうして1時間ほど読むと睡魔が襲ってきた、
「久々に小説読んだけど疲れるなぁ、マジ眠い」
そのまま睡魔はユウマの意識を刈り取りにくる、
「あぁ..こんなに書ける才能が羨ましいな...」
ユウマは行儀悪くPCデスクの上に突っ伏して寝た。
寝た、筈だ。
────そして目が覚めるとそこは見知らぬ場所だった
こっからやっと1章本番始まります!
楽しんでってください