薄く開いた、扉の隙間から。
溢れる灯りは緩やかに、ただうっすらと滲んでゆく。
意識が朧気になるのは睡魔が襲ってきていたから。
だから何も気にしない
つまり、眠たくなったから突っ伏したのだ。
柔らかな布団の上で。
酒を煽ったからなどではないと信じたい。
深酒などでもない。
ただ、勢いに委ねてみようとしてみて……
「クスクスクス」
真っ暗闇のなかから血走るほど狂気に満ちた瞳が、こちらを観ている。
ふいに奈落へと引き摺り込まれるような、ガクンと全身が堕ちる感覚……
「……うっ……」
翌朝、両足にはくっきりと。
何かに捕まれたような手形が浮かび上がっていた。
首筋にあったのは、絞められた跡だろうか。
起きたばかりだというのに、冷や汗は止まらない。
「ねぇ、こっちにおいでよ……」
ありふれた毎日は、刺激的な色に染まった。




