異世界へ
HRも終わりが近づき、もうすぐ放課後になる。
退屈な時間もようやく終わりだ。
咲がさっきからチラチラ見ている。
昼休みの終わりに、俺が制服を汚して帰ってきたからだ。
心配して声をかけてきたが無視をした。
お前のせいなんだけどな。
『キーンコーンカーンコーン』
「は~い。今日は終わりで~す。みんな気を付けて帰ってね~。」
間延びした声が特徴の教師本田優子だ。
童顔の低身長で中学生と間違われる事もあるらしい。
「透真君!!お昼休みに何があったの!?」
怒った顔をして咲が近づいてくる。
そんなに大きい声を出したら周りに聞こえるだろうが。
チッ。ほら見ろクラスの奴ら全員がこっちを見てる。
「・・・・・。」
今目立つのはまずいし、健斗や3バカが面倒くさいからとりあえず無視。
「ねえ何があったの!?黙ってたら分からないよ・・・。」
咲は、真っ赤な顔で若干涙目になっている。
「咲!そんな奴の事良いじゃない。早く帰ろう。
長瀬あんたも黙ってないで何か言いなさいよ!咲を困らせないで!!」
黒髪ストレートでキリッとしたモデル体型の井上 なほが絡んできた。
咲とは中学校からの親友らしいが、こいつが出てくると話がややこしくなる。
はっきり言って・・・邪魔だ。
「清家さん。俺の従弟が迷惑かけた?透真も悪気はないと思うよ。
透真何かあったのか?相談にのるぞ?」
健斗が爽やかな笑顔で咲に話しかける。
勉学共に優秀。爽やかで優しいイケメンはクラスの人気者だ。
こいつの2重人格ぶりにはホトホト疲れる。
「ち、違うの!透真君は悪くないの。何かあったか聞きたいだけ・・・。」
「健斗君と比べるのはかわいそうだけど、従弟なのに大違いね。」
咲が慌てて否定し、井上がやれやれと首を振る。
突然それは起こった。
『キーーーーーン』
耳を塞ぐ程の高音が教室に響き、床が眩しく輝き出す。
強烈な光に包まれ思わず目を閉じた。




