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幼き頃

久しぶりに見た幼い頃の夢。毎日が楽しくて満ち足りた日々だった。

両親と子供一人のどこにでもある普通の日常。

毎日が幸せで明るい未来しか見えなかった幼き日々


「お父さんお母さんおはよう。」

「「おはよう透真とうま。」」

新聞を読むお父さん、ご飯を作るお母さん

そうだお父さんに聞きたい事があったんだ。

「お父さん昨日手術は上手くいった?」

同じ年の男の子の手術をするとお父さんから聞いたので

気になっていたんだ。上手くいっているといいけど。。。

「もちろんさ!きっと元気になるよ」

「よかった!早く元気になると良いね!」

お父さんが笑顔で答えてくれた。よかった。さすがお父さんだ。

お父さんは有名なお医者さんで、

今度病院の学長?とかいう偉い人になるらしい。

「透真朝ごはん食べちゃいなさい。咲ちゃん来ちゃうわよ」

「うん!」

いつも笑顔でやさしいお母さん。

毎日美味しいご飯を作ってくれる。

お父さんと結婚する前は、飛行機に乗るお仕事をしていたんだって。

「「「いただきます。」」」

ご飯を食べ、小学校に行く準備をしていると、

いつもの声が聞こえた。

「透真く~ん。学校行くよ~。」

「うん!!咲ちゃんすぐ行く。」

僕の友達の咲ちゃん。サラサラした赤茶色の髪のかわいい女の子。

幼稚園の時遠くの国から引っ越して来た一番仲が良い友達。

「「いってきます。」

「今日は雨だからぬれちゃうね~。」

「そうだね。早く学校行っちゃおう」

「うん!!」

さっと咲ちゃんの手を握るとなぜか、顔が赤い。

風邪でも引いたのかな?


この日までは幸せだった。


『臨時ニュースをお伝えします。本日殺人の容疑で捜査中の東名阪大学病院の医師長瀬 龍容疑者が自殺しました。』


患者に劇物を与えて殺害が捜査の結論だった。


『1年3組の長瀬透真君至急職員室まで来てください。』


「透真君よばれてるよ~。何かあったのかな~。」

隣りにいた咲ちゃんが心配そうに見ている。

「なんだろう?職員室行ってくるね。」


職員室に行くとお母さんがいた。


「透真、、、お父さんの病院に一緒に行こう。」

お母さんに元気が無い。いつも笑っているのにどうしたんだろう?

お母さんと一緒にタクシーで病院に向かうけど、お母さんは真剣な顔をしている。

心配で話しかけても言葉が少ない。本当にどうしたんだろう?

病院につくと、入り口にカメラを持った人がたくさんいて、忙しそうにしていた。


これからの出来事については俺の記憶は曖昧だった。

ベッドで横になって動かない父。

泣き崩れる母。

それ以上の記憶は無い。

『亡くなった男の子についてどう思いますか?』

『旦那さんの異変に気付かなかったんですか?』

『旦那さんが殺人を犯した事どう感じますか?』

家に帰ってからは大変だった。

マスコミが自宅に押しかけ、葬式の時も追いかけられた。

母は憔悴していたが、俺に対しては心配かけまいと「大丈夫よ」と笑顔で答え続けていた。

「透真大丈夫よ。お父さんは悪い事してないからね。きっと警察の人が悪い事した人見つけてくれるからね。」

つらいだろうに俺の事を気遣う母は今思っても強い人だと思う。


葬式の日、母に近づく男がいた。

「同僚の向井です。長瀬は優秀な医師で親友でした。本当に残念です。」

人の良さそうな細身の男。沈痛な面持ちで話していたが、母との別れ際に

ほんの一瞬・・・・口角が上がった。当時の俺は笑顔の意味が分からなかった。


葬式から数日経ち、母も徐々に立ち直りを見せていた。

「透真一緒にお買い物行くわよ」

「うん!」

玄関を出ると母がいつものように手を出してくれた。いつもと同じ笑顔で、





『グジュブジュ』






「えッ?」



隣りいた母が道に倒れ込み女が馬乗りになっていた。


「ヒヒひ。死ね『ザグシュ』死ね『ザグシュ』死ね『ザグシュ』死ね『ザグシュ』死ね『ザグシュ』死ね『ザグシュ』

『ザクザクザクザクザクザク』死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!。」

「エへへへ。正臣ちゃ~ん悪魔は殺したわ~♡も~う怖くないわよ~♡早く帰っておいで~♡」


何かに憑りつかれたように奇声を発しながら、一心不乱に包丁を振りおろす女。

「きゃーーー。」

通行人の女性が悲鳴を上げる。

奇声を上げていた女は、母の上に跨ったまま不気味に笑っていた。

道路に赤い水たまりが拡がり、あの日と同じ・・・雨が激しく降っていた。


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